日記

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。熱帯魚の飼育日記も兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2005年3月

三月になるとやはり年をとったという気がする。 だからー,ブログサーバとか使えば楽だというのに....

3月20日(日)

洗濯とか片づけとかいろいろ。花粉症がここ数日きつい。

また本をいろいろ買いました。今日は4冊。森博嗣『捩れ屋敷の利鈍』,西澤保彦『両性具有迷宮』,高田崇史『試験に出ないパズル』,西尾維新『新本格魔法少女りすか2』。

さっそく森博嗣捩れ屋敷の利鈍』を読みました。Vシリーズの1冊(8作目)。−−秘宝が眠る「メビウスの帯」構造の捩れ屋敷。密室状態の建物の内部で死体が発見され、秘宝も消えた。さらに、第二の死体が。招待客は保呂草潤平、西之園萌絵。 元密室本(わかる人にしかわからない)です。ページを開いたとたん,字が大きいのに気が付きました(だからどうした,笑)。番外編っぽい位置づけなんでしょうか。S&Mシリーズの西之園さんも登場します(そのかわり,保呂草氏以外のレギュラーメンバーは登場しません)。「メビウスの帯」構造って文を最初目にした時は“?!”でしたが,実物(っていうのかな?)はちょっと拍子抜けかも。さすがに『アリア系銀河鉄道』(柄刀一)みたいなことやるのは無理ですわな。本シリーズも終盤に入るここに来て,なんとなく内容的にも浅くなったような(あくまで個人的印象なので,ファンの人怒らないでね)。とはいえ,後の展開に期待させるような‘意味深’発言もあったりで,ちょっと感慨深い部分もありますです。なにはともあれVシリーズも残すところ後2冊になり,クライマックスに向けていよいよ期待感が高まってきました。6/10点。

3月19日(土)

一日中寝てました。

読書: 加納朋子ガラスの麒麟』を読了。推理作家協会賞受賞作です。けっこう前に読んだはずだったのだが,最終話だけ読み忘れていました。そんなわけで,ついでに最初から読み直す。−−通り魔事件のニュースを見ていた女子高生が呟いた。「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに。」 通り魔に襲われた17歳の女子高生が残した童話とは? 少女たちの不安定な心を細やかに描く。 いわゆる‘きれいな話’系の連作ミステリー。第一話冒頭で殺された少女の関係者達がであういくつかの事件,当然それらの事件を結ぶ線みたいなのが存在するわけです。ちなみに彼女が通っていた女子校の保健室の先生が本作での探偵役で,この先生自身も何か影を引きずっているわけです。

先日の菅浩江『歌の翼に』でも思ったんですが,どこか影のある探偵役がいて,最後に探偵役自身の抱える事件が解決する というのはこの手の連作ミステリの王道なんでしょうかね。ご多分にもれず,加納朋子の一連の作品にも,どこか話自体がきれいすぎるような印象(例の「現実にそんなうまくいくわけないだろ」みたいな)を感じてしまうわけです。特に初期の作品群だと顕著です。ただ本作の場合,けっきょく最後の話になってもはっきりとした明快な解決はもたらされず,犯人が(また探偵役が)なぜそのような行動に出たのか,意識的にぼやかされている感じなんですね(どうやら登場人物たちにも,はっきりとわかってないみたい)。そのせいで,輪郭の曖昧とした感じが何となく幻想的で,独特の味わいを醸し出してるような気もします。

幻想的(「ファンタジック」と英訳してしまうとどことなくイメージが違う)と言えば,『螺旋階段のアリス』や『ささらさや』とかにもそんな印象があるんで,まあ‘作家としての成長’みたいなものなのですかね。初期の『ななつのこ』とかだと,北村薫に似てる部分があったりもしたのですが,本作辺りになると独自性が強くなったような印象です。いずれにせよ,さすがに推理作家協会賞に選ばれるだけの完成度の高さみたいのが感じられました。以前の満足度は7/10だったのですが,+0.5付けてもいいかも。

3月18日(金)

夜中の3時までプログラム作り。Mathematicaの使い方がまだよくわかっていない。行列とベクトルの区別が時々できなくなる。でもとりあえず基本モデルが完成。

作業中のBGMに,Yapoosとか平沢進とか筋少とかいろいろかけてみる。最近密かにお気に入りのライオン・メリー『ドンキホーテの従者』,癖になりそう。

3月17日(木)

通勤する途中の梅の花(1本だけだけど)が,昨日から満開。もしかして,僕の花粉症は梅によるものなのかも...って,そんなの聞いたことがないけどね。それはそうと,今日のようなちょっとした雨の日には,梅の花ってよく似合うような気がする。

3月16日(水)

今朝,デルモゲニー(淡水サヨリ)の稚魚(仔魚?)3尾を確認。腹が大きく後端が赤く染まった♀がいたのだが,それが産仔(稚魚の場合も「産仔」でよいのだろうか?)したらしい。4cmもないのによく産んだものだ。すぐさま隔離。腹が大きくふくれた♂もいたけれど,もしかして...喰った?

 

それはそうと「仔魚」と「稚魚」の違いって知ってますか? 簡単に言うと,ひれが未完成なのが仔魚(larva,幼生・幼虫と同じ)で,ひれが完成してからが稚魚(juvenile),さらに鱗が完成すると若魚(young)となるようです。ちなみに卵黄がついてる仔魚を前期仔魚(flyまたはprelarva),卵黄を吸収して自力で餌を食べる仔魚を後期仔魚(postlarva)といって区別します。ただし研究者によって考え方の違いがあるようで,以前論文を書いた時に「prelarva」はすべて「free embryo」(自由胚)に書きなおされました。「自由に泳ぐ胚(受精卵)」の意味らしいです。「働かざる者食うべからず」みたいですね(←意味わかんねえよ)。なんか違和感あり。

なぜか今日から急に花粉症がきつくなりました。体調にも影響されるって言うから,疲れているのかも。

3月15日(火)

昨夜,ユニットバスの蛇口から水が漏れて止まらなくなる。水のほうだと思って一生懸命「止まらない止まれない」と30分ばかし文句言ってたけれど,今朝見てみたらお湯のほうがきちんとしまっていなかった。なぜ気が付かなかったのだろう。

職場のAさんがベタを買ったらしい。白(クリーム)地に赤いひれのかわいいやつ。M君いわく「あまり綺麗じゃないですね。」だと?? 何尾かいれば1尾はああいう色のが欲しいと思うけどな。

写真もらいました。

まだ火曜日で週も始まったばかりだというのに...もう週末のような。

アパートの外壁清掃が始まるらしいので,ベランダのゴミ(空き缶等をおきっぱに)を片づける。面倒くさい。が,きれいになってくれればそれもよろし。

日記にテーマ別に色を付けてみる。やっぱり読みやすい。

3月14日(月)

読書: 菅 浩江の短編集『歌の翼に』を読了しました。商店街のピアノ教室が舞台の「日常の謎」風ミステリー。生徒たちが心に抱えている問題を,演奏ができなくなったピアノ教師 杉原亮子が解きほぐしていきます。(祥伝社ノベルスとしては珍しく←失礼)感動の名作といった印象でしょうか。ただ,音楽に詳しくないとわかりにくいようなマニアックな点もいくつかあり。それと『永遠の森 〜博物館惑星』の時も感じましたが,ちょっと美しい話すぎるかなという印象もあり。主人公を含む登場人物がみなそれぞれ悩みや心の傷を抱えていて,それらが各話を通じて解決されていく(あるいは希望がみえてくる)わけだけど,どうしても「そんなに物事うまくいくかよ」といった感想も持ってしまう。まあ微妙なところなんですけどね。決して受け狙いのお涙ちょうだい物語とかではないし,お説教くさく感じるところもない。(バランス的には先日読んだ近藤史恵のキリコシリーズが好きなんですが,どちらがより「よい話」かは意見が分かれるだろうな。)と不満も上げつつ,7/10点。

学会発表の準備,ようやく焦りだす。すでにある程度できているのだけれど,これからいわゆるラストスパート。

3月13日(日)

読書: 浦賀和宏眠りの牢獄』を読みました。−−階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた3人の青年。3人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。暴発する狂気が交錯した果てには……。 (ネタばれあり注意!) 巧妙にはりめぐらされた伏線,一見すると無関係に思える2つの流れが交錯し,ばったんとひっくり返るラストの展開。なかなかよくできたミステリーです。けっこう騙されました。特にメタ的趣向には混乱させられました。どこまでが小説内小説なのか考えるほどにわからなく。欲を言うと,少し短めな印象なので,もう少し細かく書き込んでもよかったような気がします。個人的にはたんたんとした記述がちょっと苦手かもしれません。複雑に込み入った構成とくれば黒田研二を思い出しますが,黒田ほどの過剰な感情披瀝がなく(あれはあれでもう少しドライにしてくれと思うけど),どちらかと言えば折原一みたいな人工的な印象です。そういった主人公への感情移入のしにくさから,ちょっとひいた視点から読んでしまいます。6.5/10点。

菅浩江『歌の翼に』を読み始める。

ライブ: 今夜は仕事上で知り合った金子さんが参加しているバンドのライブに行きました。ジャイブという戦前のブラック・ミュージック(でいいのかな?)を演るバンドです。そこら辺のジャンルには僕も疎いので,どんな感じかと楽しみにしていたのですが,ブルースのテンポが速いのっていうかジャズとブルースの中間みたいな感じでした。コミカルな部分もあり。

場所は渋谷にあるバーBlue Heat(金〜日・祝がライブあり),バンドはJive Blind Boysという5人組(g, sax, b, tp, ds)です。金子さんはリズムの要?のベースを渋く演奏します。dsを除く4人が持ち回りでヴォーカルをとるのですが,それぞれ個性が違っておもしろいです。ギターの畑さんのヴォーカルはいかにもなブルース風,サックスの千足さんのヴォーカルはもう少しロックっぽい(?)感じでうまいです。雰囲気が楽しげでとてもよかった。

3月12日(土)

読書の日: 北野勇作どーなつ』を読了。昨夜より居眠りしながら少しずつ読んだので朝までかかった。何だかよく分からないエピソードが10編集まって,一つの話になっている。とりたてて盛り上がりがあるわけでもない微妙な感じの作風。文章は普通なのだが,どこか懐かしいような少しだけせつないような不思議な感じがする。電気熊!・あめふらし(火星に雨を降らすため)・異星人・誰かの記憶……結局最後まで読んだけどよくわからない。タイトルが『どーなつ』なのもなぜだろう。だからといって,おもしろくなかったというわけでももちろんなくて,「何となく変な物が心に残った」というのが今の正確な気持ち。10編(章?)の中では「その四 逃げた脳ミソを追いかけた飼育係の話」がけっこう好き。ぼうっとした輪郭のはっきりしないようなお話には,西島大介のイラストがよく似合う。今の満足度は6.5/10点(将来さらに上がるかもしれない)。

日中の行動は秘密。(笑)

夜,若竹七海プレゼント』を読む。−−トラブルに愛され、慕われるフリーターの葉村晶。娘に借りたピンクの子供用自転車で駆けつける小林警部補。間抜けだが悪意のない隣人たちが起こす事件はなぜか危険なものばかり……。 著者お得意の,まあ普通と言えば普通の連作短編集。トラブルメイカーの葉村嬢と小林警部補が探偵役として活躍する話が交互に語られる。最後の話でやっと二人が同時に出てくる。どうしてこんなスタイルにしたのだろう? 各話ともちょっと暗めの話が多い。登場人物達のせいだろうか。悪意がないから余計に‘たち’が悪い隣人達(必ずしも犯罪者とは限らない)を書かせると,やはり若竹七海はうまい。うまいのだが,これは推理作家としての魅力でもあるのだけれど,こればかり続くと(精神が)軟弱な読者としてはきついかなという気もする。どちらかというと,同じ著者でも『サンタクロースのせいにしよう』『名探偵は密航中』のような明るめな色調が目立つ作品のほうが好きだ。それらの中にだって悪意はもちろん存在するのだけど。6/10点。

しかし,最近新作が出ていない(現在のところの最新作である『死んでも治らない』まで,もう文庫化されている)ので,ぜひ頑張って?ほしい作家の一人である。

3月11日(金)

今日は雨(夕方にはやむ)。ライブ(聖家族)に行く予定だったが,何となく気分がのらなかったので,今日はスルー。仕事とかが行き詰まると,何となく他のことまで面倒くさくなる。 味とリタイヤ

夜,北野勇作『どーなつ』を読み始める。カバーデザインが西島大介。


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