日記

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。熱帯魚の飼育日記も兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2005年4月

気を取り直していきましょう。

4月10日(日)

似非ビオトープをベランダに出しました。いつの間にかドリマリアがなくなっていた。1月まではあんなに増えてたのに...肥料不足か? 室内でも増えた種:ロタラ・lot,ミリオフィラム,減った種:ササバモ,リシマキア,カルダミネ,ノチドメ,絶滅種:ドリマリア,バコパ・mon,キクモ,ミズトラノオ,変化なし:Wカーナミン,Gロタラ,ロタラ・ind,ミズユキノシタ

例のごとく,夕方から中野と新宿であれこれと。

新宿地下街のよく行く書店で,清涼院流水・大塚英志・箸井地図のコミック『探偵儀式(1), (2)』を買う。パラパラと少しだけ捲ってみたが,どんなもんだろうか? まだわからない。他に小説トリッパー春季号(ライトノベル特集あり,大塚英志と斎藤環の対談は大塚英志がやけにけんか腰で興味深い)とダ・ヴィンチ5月号(特集「バカブックガイド」はおもしろかった。小倉優子(職場のAさん(♀)がファンらしい)は今更ながら確かにアホっぽい)を購入。

貫井徳郎『光と影の誘惑』を読書中。1話目,重いですね。

4月9日(土)

トマス・フラナガンアデスタを吹く冷たい風』を読みました。ハヤカワ・ポケットミステリ「復刊希望読者アンケート第1位」とのふれこみあり。本書は著者の全著作である7短編を集めたものです。どれも奇妙な味わいをもつ好作品です。地中海の架空の国(軍事政権)の憲兵隊長であるテナント少佐ものが4編。革命時に旧政権側として戦ったテナントは,現政権に複雑な感情を持ちながらも自己の職務には忠実です。自分の良心と上からの命令との相剋の中で彼がどう動くか,それがこのシリーズの眼目になっています。特に彼の策士ぶりが光る「獅子のたてがみ」や,密輸品の運び方が巧妙(逆説的?)な「国のしきたり」がおもしろかったです。テナントものの他には,中世イタリアを舞台にした密室ミステリ「玉を懐いて罪あり」(別題「北イタリア物語」)もとても印象的です。ただし西洋史に詳しくない人には,この作品の味わい(キモ?)はわかりにくいかも。例えば「チェザーレ・ボルジアってだれ?」という人だったら,(ネタばれだと言う人もいるようですが)訳注を読んでから作品に入った方がいいと僕は思います。基本的に短編集が好きなので,満足度7/10点。

小森健太朗ネヌウェンラーの密室(セルダブ)』を読みました。−−エジプトは「王家の谷」へと向かった考古学研究室の一行を待ち受けていたのは、閉ざされた王墓の中での惨劇だった! 4000年前の密室殺人と古代エジプト史上の王位継承の謎が解かれた瞬間、明らかにされる驚嘆の真相! ある意味一発ネタ? 古代の密室の謎はともかく(これは許容範囲)も,現代の探検シーンでのアレは何だかなーです。「小森健太朗=新本格」というイメージに騙されました。てっきり“連続殺人”だと思っていたので,ちょっと拍子抜けというか脱力気味。それも狙いだったんだとは思うんだけど。という意味では,よくも悪くも「新本格」的なのかもしれません。登場人物間のやりとりが何か不自然というか,唐突に出てくる設定みたいなのが多いんだけど,どうやら続編が構想中とのことなので,伏線でしょうか? 6/10点。

4月8日(金)

3月に購入したPowerBook G4をセットアップ。最近は忙しかったので,やっと作業に。ネットワークに繋げたりアプリケーションを入れたり,とてもつもなく面倒くさい。今まではMac OS 9.2を使ってたので,OS Xに慣れるまで時間がかかりそうだ。

デルモゲニー仔魚が水槽中に1尾残っていた。合わせて10尾。

4月7日(木)

昼,あまりに花粉症が酷いので,とうとうマスクを買いに行きました。1枚200円の使い捨て,メントールとユーカリの香り付き。かなり効果があります。

夜は職場の飲み会(歓送迎会)でした。12:00まで盛り上がりました。

水槽のライトが消えた後で,デルモゲニーの稚魚を4尾見つけました。どうやら暗くなってから産仔するようです。今はビニル製のコップに入れて浮かべてあるのですが,稚魚が増えて狭くなってきました。専用のナーサリー・グラウンドを作ってあげた方がいいかも。

昔,ジェネシスに『ナーサリー・クライム』っていうアルバムがあったよね。

4月6日(水)

理髪店に行きました。花粉症で鼻の状態が悪いのため,ちょっと大変でした。まあ,あちらも仕事ということで...

デルモゲニー稚魚も少しだけ成長したようです。ただ今,10mmほど。写真をアップ。

写真:デルモゲニーの稚魚。親と違って下あごがまだ短い。

西澤保彦両性具有迷宮』を読みました。実在の百合SF(?)小説家・森奈津子『西城秀樹のおかげです』ほか)が主人公として活躍するシリーズ第二作。−−コンビニで買い物をしていた美女たちを襲った怪しげな爆発。その夜彼女たちの股間に男性器が生えていた…。せっかくだから使わなきゃ。驚愕のロジックとマジックの美女連続通り魔殺人事件。 これって本当に西澤さんが書いているんですか??ってな感じの濃密というか何というか?な文章ですが,もともと西澤さんの小説にはジェンダー論的なテーマがよく出てくるので,特に違和感があるわけじゃありません。めくりめくるような論理展開などはいつも通り。いろいろ考えさせられる部分もあったりしますが,基本的には気楽に読める内容です。黒猫のミーコちゃんが活躍するのは,まあご愛敬(興奮している犯人の目にそれが入るかという点は多少気になります)。ただ,最終的に犯人の身元や動機がわからないということもあって,ラストはなんとなく腰の座りが悪いという印象を受けました。いつもなら「これは僕の勝手な想像だけど」とかで始まる名(迷?)推理になんとなく納得させられてしまうのですが,本作の場合は“驚愕の真相”といった感じがそれほどしないのですね。まあ奈津子シリーズですからね。どうあっても,一応はハッピーエンドというか駄洒落オチで終わるので,楽しかった感は残ります。6.8/10点かな。

4月5日(火)

今日はアパートメント(朝から)も職場(こっちは午後から)も工事の音が大きくて,なかなか集中できません。しょうがないから(?),気分転換に所属する学会3つの学会費を振り込みに行きました。しめて3万円。けっこう高いです。さらに2つの学会からもこれから請求が来る予定(うち1つは昨年度分を滞納中なので2年分払わないと)なので,少しだけ憂鬱。何度もいうけど,高いです。まあ,東京の家賃に比べたら...って比較対象になるのかよ?! 天気がよくぽかぽかした陽気なので,外に出ると気持ちがいいです。桜も満開。

7時近くになると急にくしゃみが出だして止まらなくなる。寒いのがいけないのかも。

ライブ: 夜は藤井郷子カルテット(藤井郷子pf, 田村夏樹tp, 早川岳晴e-b, 吉田達也ds)のライブに行ってきました。僕がこうしてジャズやロックのライブにはまり出すきっかけとなったバンドです。1年ぶりなのでとても楽しみにしていました。まず期待どうりのライブ。CDでは時々聴いてはいるのですが,やはりCDともまた違っていいですね。相変わらずの激しいライブです。そう言えば,いつもはリズムをとる2人の音が豪快すぎて,藤井さんのピアノが聞こえないことが多いのですが(そういうピアノカルテットってのもおもしろいけど),今回はわりとバランスがとれていたような気がしました。

演目ですが,3rdアルバムを中心に新曲もあり。ただ,だいぶ聴き慣れたせいもあるのだろうけれど,ちょっと聴きやすくなったかなという印象もしました(特に1st set)。2nd set 1曲目の田村さんのトランペットはまた変わった感じで面白かったです。まさか曲の終わりまでそのまま行くとは思ってませんでした。ラストはこのバンドには珍しくロマンティックな感じの曲(タイトルがまだ決まっていないけれど「冬のソナタ」とか「早春のソナチネ」とか呼んでるらしい)。逆にこういうのは新鮮ですね。でも途中からまたいつものように...。アンコールの「タツタケ」-さくらさくらヴァージョン(笑)もよかったです。ヨーロッパツアー頑張って下さい。

4月4日(月)

背中の痛いのはほぼ治りました。ひねると多少痛いですが,激痛というところまでは行きません。もしかして,精神的なものだったとか? そんなのはとっても困るんですけど。

60cm水槽にレッドチェリーシュリンプを5匹追加。最近はウィローモスが茂って,ヌマエビには住みやすそうな環境になってきました。再生産(繁殖)してくれないかな。

恩田陸不安な童話』を読みました。ホラーとミステリーのジャンル越境的な作家さんだとは聞いていましたが,今回が初読。−−「あなたは母の生まれ変わりです。」25年前に変死した画家の息子にそう告げられた万由子。なぜ生まれるより前に死んだ女性の記憶を持つのか。真相を追い始めた矢先、奇妙な事件が続発する。 ホラーなのかミステリーなのか。主人公の特殊な能力(他人の探している物がイメージとして見える)の存在が最後まで気にかかりました。合理的な説明はないので,どこか宙ぶらりんになった印象。まあ,女性の中にはそういう人がいる,ということでいいのでしょうか。ストーリー的にはいわゆる“心理サスペンス”風(マーガレット・ミラーとか海外の女性作家に多そうな感じ)で,最後まで緊迫感が持続されてよいのですが,ちょっとあっさりしてるかも。とりあえずの犯人(?)は何となく途中で予想が付いたし,その後のどんでん返しも驚くほどではありません。初期の作品だからということもあるのでしょうが,どちらかというと手堅い構成を文章でサスペンスフルに読ませるといった作風ですね。うまいのは確かです。最近のミステリー(特に本格)は懲りすぎた物が多いので,そういうのに馴れていない人にはお勧めしやすいと思います。そんなわけで,満足度6.5/10点。

4月3日(日)

何の因果か日曜日。いつの間にか家の周囲でも桜が咲いていました。

決して‘無事に’ではなかったですけれど,とりあえず学会発表も終了。朝も背中が痛くて階段を降りるのにも大変でしたが,頑張って早起きして会場に行きました。ぼうっとしてたつもりもないんですけれど,制限時間を大きくオーバーしてしまったようです。まったく自覚がなかったんで自分も何が何だかわかりません。「鼻をつままれ……」とか「狐に騙された」ってのはこういう感覚ですか。えーえー,もちろん言い訳ですよ。すみません。

受賞講演があるとかないとかで昼休みが長かったため,アメリカ帰りのKさんと旧東海道品川宿から東大井にある鈴ヶ森の刑場跡まで,足を伸ばしてみました。Kさんは寺社仏閣が好きだということで,街道沿いに寺や神社を見つけると,端から入ってみます。でも一度も賽銭とかは払わなかったのはさすがです。イギリス公館焼き討ち未遂事件のお寺ってどこでしたっけ。探したのだけれどわかりませんでした。途中,柏もちを買いたくなったのですが,迷っているうちに買いそびれました。そういえば写真を持っていけばよかった。久しぶりに歩いたので,ちょっと足の筋肉が痛くなりました。

歴史の話だけでなく,Kさんがアメリカで飼っていた熱帯魚の話とか,SFの話とか,YAPOOSの話とかをしました。珍しく,けっこう趣味が近い(微妙に隣接してる)人なので,楽しかったです。あまり周囲にそういう話ができる人はいないので貴重ですね。静岡でも頑張って下さい。

米澤穂信春期限定いちごタルト事件』を読みました。“日常の謎”的・青春ミステリー。連作短編集です。互恵関係にある小鳩くんと小佐内さん(共に高1)が小市民を目指します。そのはずなのに,周りに何か起こるたびにうずうずと推理をしてしまう小鳩くん... いい感じです。殺人とかは出てこないので,そういうのに抵抗がある人でもお勧めできる作品です。ミステリーはちょっと苦手という人は推理部分をとばしちゃっても楽しめると思いますよ(←本当かよ,おい! 無責任なことを言っていますが...)。推理が中途半端に本格的なのがちょっと強引で浮いているかも,とも思いましたが,でもいい感じです。最後の話で明らかになる小佐内さんの正体というか何ちゅうかが面白かったですよ。これからも小市民になれるように頑張ってくださいね。何度も言うけれどいい感じです。続編とか出るのかな? 満足度7/10点。

鯨統一郎新・世界の七不思議』を読みました。歴史・珍解釈ミステリー。デビュー作『邪馬台国はどこですか?』の続編です。海外編ということで,前作の登場人物から三谷教授(そういえばそんな登場人物がいたなあ。すっかり存在を忘れてたよ)が抜けて,代わりにアメリカから来日したハートマン教授が加わりました。彼が本作における語り役です。前作と同様,場末のバー「スリーバレー」で珍推理が繰り広げられます。会話というか登場人物間のかけあいが楽しいですね。人間関係がわからず最初はとまどっていた教授ですが,終盤ではそれが普通なんだと納得させられてしまうところもおかしかった。毎回必ず出てくる料理(珍味)やカクテルに関するうんちく(というほどでもないが)も,大したことでもないのに,何となくよい感じです。ただネタ的には(何と言っても「世界の七不思議」ですからね)ちょっとトンデモ度合いが高くなってしまい,ちょっといまいちかな。それだけが残念ですね。個人的には「秦の始皇帝」の謎が一番好きです。6.5/10点。

4月2日(土)

背中の痛みがひどいため,昨晩はあまり寝られませんでした。ちょっと寝返りというか体の向きをずらしただけで,ズキンズキンと痛みが走ります。そのたびに,「痛て痛て,な,何なんだよ」って感じに目が覚めてしまいます。今日から出かける予定でしたが,しょうがなしにとりやめに(本当は行きたかったんですけれどね。本当だよ!)。おとなしく寝ていることにしましょう。体を動かさないように集中しているのはけっこう苦痛です。

グッピーがまた稚魚を産みました。もういいかげん過密状態になったと思っていましたが,まだキャパがあるようです。でも今いる稚魚が全て成魚になったらさすがに厳しいだろうな。

気晴らしに,高田崇史試験に出ないパズル』を読みました。−−千葉千波の事件日記シリーズ第3弾。端から解けそうもない難問から、冗談としか思えない奇問・珍事件まで、あなたの脳ミソを激しくシェイクする仕掛けが、快感中枢を刺激する! いちおうミステリーですが,パズル集としても楽しめます。会話とかも楽しいので,気楽に読めるのがいいですね。ちょっと飽きてきたところもあるけれど。しかしちょっと体を動かすと痛みで息が止まりそうなってしまうので,集中して読めず。とてもじゃないけれど,頭を使ってパズルを解こうとする気になんてなれません。(体調がよくても普段は5分ほど考えるだけだけれどね。)ちなみにタイトルには「試験に出ない」とありますが,確かに大学入試とかにはでないでしょうけれど,はっきり言って公務員試験にはこういうパズル的問題がたくさんでます。過去に何度も解きましたよ。だからちゃんと本気で考えれば解けるんですからね。言い訳じゃないですよ。7/10点。

4月1日(金)

学会発表用に作ってたシミュレーションモデルのプログラムにバグがあるらしく,うまくいかないので,今回はこれを使わずに,2月までのデータで発表することにしました。

花粉症と風邪の併発でくしゃみをしすぎたせいか,背中(左後ろ)に痛みが走ります。けっこう痛い。


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