しかし、この試算は過去の実績や工事の難しさなどから考えて過小評価された額と考えます。
メインスタジアム/プールの800億円は、内陸部の地盤のしっかりした土地に、普通の工法で建設する場合の積算にすぎません。建設予定地には埋立地の区画を分ける内護岸が存在しますから、その撤去費用などが必要です。
北港テクノポート線(8km)の1,870億円についても安い見積もりです。近畿運輸局によると、地下鉄建設の相場はキロあたり250〜300億円だそうですが、これだとキロ230億円になります。海底トンネルが3カ所あるのでキロ400億円にはなるでしょう。さらに、JR桜島駅までの1km延長を含めて9kmになる、一時に集中する8万人の観客をさばくために舞洲駅、桜島駅の駅舎が大規模になることを考えると、結局4,000億円程度になりそうです。
選手村建設費については、大阪市は住宅建設費を2,040億円として、うち民間企業の負担分を3/4、市の負担分を1/4と見込んで510億円。それと道路建設費770億円をあわせて1,280億円としています。しかし、民間からの投資がそれほど多く期待できないので、1/2とすると市の負担は2,000億円程度になります。
その他にも、市の試算には大阪市立体育館、アーチェリー会場(大阪城公園)、バレーボール会場の1つ(東成区総合文化スポーツセンター)など6会場が含まれていないなど、費用が高くなる要素がまだ残っています。結局、総費用は1兆円を超えることになりそうです。(詳しくは、冊子「それでもオリンピックやりますか」で説明しています。)
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