なみはや国体の例から


 大阪市が1997年のなみはや国体のために建設改良した巨大スポーツ施設は長居陸上競技場、大阪プール、靫テニスセンター、中央体育館、舞洲アリーナの5つ。これら5施設合わせて、1996年度の1年間に11億1,370万円の赤字を出しています。

 市民が日常的に利用できないような巨大施設を維持するのに、毎年10億円以上をこれから延々と払い続けなければいけないのです。なみはや国体に関しては、能勢町のライフル射撃場など、他の施設も利用者がなく後利用に四苦八苦いることが報道されました。(朝日新聞,97年11月11日)

 ですから、施設の後利用について心配になるのは当然です。しかし、私たちが大阪市への公開質問状で「巨大施設が市民スポーツにどのように寄与するのか」質問しても、「市民に広く利用していただく」「多目的の利用についても検討してまいりたい」「施設構想委員会を設置し、検討を進めていく」という答えでしかありません。つまり、後利用については具体的な計画は何もないわけです。

 見通しが立たない理由は簡単です。大会のための施設をつくれば、市民スポーツにも役立つというそもそもの発想が間違っているだけのことです。市民が利用する施設に大規模な観客席はいらないことぐらい誰でもわかります。

 なみはや国体で「練習問題」をやっているにもかかわらず、また同じ失敗を繰り返そうとしていることは残念なことです。


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