夏休みです。

　私は蒲原さんを誘ってプールへ行きました。

　ワイルドなんとかっていう「レジャー施設」です。

　蒲原さんにはプールにいくことは内緒にして、呼び出したんです。

　「プールですか？いいですね。そこ、私も行ってみたかったんです。でも、今日は水着持ってないし・・・。」

　蒲原さんは麻の水色のワンピース。しゃれてるわ。

　「いいの、いいの。私ね、あなたのために水着を買っておいたのよ。プ・レ・ゼ・ン・ト。」

　「え？　ホントですかあ？　奥さま。うれしいです。」

　蒲原さんは心から喜んでいる様子。

　ああ、私ってどこまでもひどい女だわ。

　結局、彼女の気持ちを弄んでるんですよねえ。

　早く別れなくちゃいけないなあ・・・。

　暑さのせいで少々弱気になったんですが、やっぱり私は計画を実行することにしました。

　プールはものすごい混雑。

　それでも平日の午前中に行ったんでまだましだったようです。

　更衣室で私は彼女に待望のプレゼントを渡しました。

　「私ね、インターネットの通販で初めて買ったのよ。きっと似合うと思うわ。」

　彼女が手にした水着は布地面積の極端に小さい、ほとんど紐ばかりで構成されたビキニ（一応ね。）です。

　「え？」

　一瞬固まってしまう蒲原さん。

　これを探すのに私、方々のサイトを見て歩いたんですよ。

　水着そのものは１万円ちょっとのものですが、電話代も入れたら・・・、そりゃあ高いものについてます。

　それに何より、英語を読みこなして、問い合わせのメールを英語で書いたり（友達にお願いしたけど。）、大変でした。

　「あの、奥さま。これ、とても着られません。」

　申し訳なさそうに蒲原さんが言います。

　「サイズは大丈夫なはずだけど。調整もできるはずだし・・・。」

　「いえ、そう言うことじゃなくて。」

　まあ、後のことは言うまでもありません。

　反抗できないんですからね。私の命令は絶対なんだから。

　蒲原さんが着けた水着はワイルド中の視線を集めてました。

　テレビでも入ってればよかったんですが、それは無し。

　オーストラリアのメーカーのなんですが、コパカバーナあたりで褐色の肌の若い娘が着けてそうな「きつい」やつです。

　ブラはかろうじて乳輪が隠れるくらいの鋭角な２等辺三角形で、首の後ろと背中で紐を結びます。

　パンツは前と後ろに小さな三角が付いているだけで、他は紐です。

　Ｔバック状態なんですが、ついでに前もＴ字状態に近いです。

　クレバスがかろうじて隠れるだけのマイクロミニビキニで、色はかわいいピンクです。

　シースルーもあったんだけど、さすがにそれはね・・・。

　でも、上も下もほんとに小さいんです。あぶない！！

　蒲原さんが今日は命令通りにヘアを剃っていてくれてよかった。

　でなきゃ、ヘア丸見えだったでしょう。

　簡単に言っちゃうと素っ裸でいるのと同じ感じですね。

　抜群のプロポーションで、まだ身体の線の崩れていない蒲原さんだから着こなせるんです。

　女性も、当然男性も、全員が振り返って見てましたよ。

　波のあるプールはやばいですね。

　蒲原さん、紐がずれてほとんど全裸状態に。

　危ないところでした。

　人工の砂浜で１時間ほど見せびらかして、プールを後にしました。

　今度はこの水着で海へ行きたいです。（蒲原さんはやだって言って ますけど。）

　でもねえ、彼女の前の三角形の下はどろどろだったんですよ。