ハイヒールの小部屋

    
体験談その5(黄色いカーテン)

この体験談も,学研から出版されていた「ボム」という雑誌の「パンツの穴」というコーナーに掲載されていた読者からの投稿文です。

この読者体験談も,とても印象に残っているもので青春時代に憧れるマドンナ的存在の美しい女性に想いを寄せる一高校生のペーソスに富んだ体験談です。

この体験談は,大阪・中臣鎌足(高2・男)さんからの投稿でした。


何せオレたち,トップ校だし進学校で名門校,伝統バリバリってすげえ学校 行ってんだぜ。

信じられねー学校だよ,バカヤロー。

ところで高1の2学期の期末試験が終わったオレたちは,その試験休みにダチ のバアさんちに泊まり込んだ。
男8人,女6人だよ。目的は酒さ。飲み明かそうって・・・。
バアさんひとり暮らしでさ,気がよくって酒代まで心配してくれてんの。 でもバアさん,さっさと寝ちゃった。

・・・飲んだよ。相当にね。オレも酔いつぶれそうになったけど,女の前だもん, 持ちこたえた。
ビールはいくら飲んでも平気だったけど,ウイスキー何杯かやったら頭クラクラ。

女がやたらかわいく見えやがる。
狭い部屋に男女14人がいるんだぜ。よくオレンジパーティーにならなかったよ。
オレの理性も,みんなも相当なもんだぜ。
さすがエリートだね。バカヤロー。

その日来てる女の中にS子ってやつがいた。
死ぬほどかわいくて,そのうえ大人っぽくて,お上品なお嬢様って感じの女だよ。
オレ,彼女が好きだった。

でも彼女には男がいたんだ。
その日も来てたんだけど,K男ってやろうで死ぬほど男らしくて,成績も学年で指折り。
そのうえ,サッカー部のホープだとよ。
これじゃあ完璧だよ。ふたりはお似合いってわけ。
言い忘れたけど,S子も学年で数番っていう才女。
オレなんて問題外もいいとこだぜ。バカヤロー。


朝になりやがった。
何も起こらねーよ。エリートだもん。
オレ,みんなと違う部屋で,朝っぱらのつまんねーテレビ見てた。
で,腹痛くなりやがってバアさんに場所聞いて便所行った。
朝からウンコで今日も健康ってなもんよ。

便所の戸をドバッと開けた。
黄色いカーテンがあって,その向こうに・・・。
いたんだよ,女が。大股広げてウンコしてやがった。

ノック?オレがするわけねーだろ。
オレんちじゃあ便所の戸に鍵ついてて,入ってるときは閉まってるよ。
当然だぜ。ノックなんて必要ねーからしたことねーよ。バカヤロー。

幸い,カーテンあったから直接は見えない。
でも薄っぺらいもん。しかも黄色だぜ。透けてるよなあ。

それで,エリートたるオレはあせっちゃって,自分の立場が把握できなく なっちまった。
口から出たことばが,
「どなたか入ってますか」
だって。

カーテンごしとはいえ,目の前にいるんだぜ。
大股広げて・・・。

まあカーテンごしだし,酔いも残ってる。
それに目もいいほうじゃなかった。(こんなに近いんだから,あんまり関係 ねーと想うけど・・・)
んで,だれだかわかんなかったのは事実だ。

向こうもあせってんだろうな。
ふいてねーのにパンティあげようとしながら言った。

「入ってますよ」

・・・オレ,ア然。S子だよ。
思わず逃げたね。だってやばいよ。やばいもん。

考えてみりゃすげーよ。そのまま何も言わずにすぐ逃げりゃ,1秒とかかねーし, お互い誰だかわからずにすんだのに・・・。
「どなたか入ってますか」「入ってますよ」だって・・・。

もうウンコなんて完全に止まって,部屋に帰ると,K男がひとりでテレビ 見てやがった。
「よう,どこ行ってたんだ」
「いや・・・ちょっと・・・な・・・。ハハハ」
「みんなとこ行って朝メシ食おうぜ」
「あ,ああ」
ってなわけで,S子と二度目の対面のときが来ちまった。

謝るべきかな。知らん顔しとこかな。やっぱ,無視されっかなあ。
ビンタくらったらいてーだろーなあ。K男も強そうだしなあ。
えーい,どうにでもなれってなもんよ。バカヤロー。

オレが部屋に入ると,みんな握り飯食ってた。

チラッとS子見ると,彼女もチラッと見て微笑んだ。
オレ,救われた。
天使に見えたよ。
K男は茶をすすり始めた。ごめんな。



・・・そしてオレたちは2年になった。
相変わらず彼女もいねーし,S子やK男ともクラスが別れて無縁になった。

この前の期末試験の古典で,”韓愈のすすめた文芸上の運動を何と呼ぶか” って問題で,わかんねーから,”ピストン運動”って書いといたら,10点 減点されたオレの点数マイナス1点だった。

・・・オレ,17歳,エリート校生。青春のいじわる。





(管理人よりひとこと)

死ぬほどかわいくて,そのうえ大人っぽくて,お上品なお嬢さまって感じの女の子で, しかも好きだった女の子のウンコ姿を偶然とはいえ,垣間見てしまった体験談の投稿者。

でも,彼女にはかっこいい男がいて,しかも二人とも自分とは比較にならないくらい 優秀なお似合いのカップル。

手の届かない相手と,その相手の見られてはいけないシーンを見てしまったことに 対する投稿者のほろ苦い苦悩・・・。

青春の哀愁を感じさせる文学的体験談でした。

でも,私もこういう体験に出会ってみたいです。



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