■ BOOK REVUE vol.1 ■
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■王都炎上 ▲▼
田中芳樹/角川文庫
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群像劇は、田中さんの十八番ではないかと思います。メインの登場人物がそれぞれに個性的で、それぞれに影響力があるのは読んでて楽しいものです。王子アルスラーンが出生の秘密を抱えながらも、王とは何であるのかを問い掛ける姿は、作者の姿勢のようです。王権と、政治と、民衆と。なかなかに答えのでない問題だと思います。そんな中で、アルスラーンの出会った敵国の騎士見習いエステルの存在は貴重に思いました。「私は、お前の正体を知っているんだからな!」正体不明の自分自身と向かいあわねばならないときに、これほど力づけられる言葉があるでしょうか。少年の背中を押すのは少女なのかもしれません。アルスラーン戦記は、やはりアルスラーンの成長物語だと思うのです。 [TOP/Contents]

 




■赤い瀑布 ▲▼
友野詳/角川スニーカー文庫
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ルナル・サーガの第一巻。青と赤の双子、アンディとエフェメラの旅の始まりの物語です。ルナル・サーガは、テーブルトーク用に作られたゲーム世界なのですが、私はここの神々が非常に好きなのです♪特にトリックスターでありながらも、悪神ではなく主神の一人でもある物語の神シャストア。物語は、双子が父の敵を追ううちに、自分たちの存在をもてあそぶ存在に気がついて…やがて、世界の秘密へと近づいてゆくのです。離れてはいけないと思い、実際に離れてはいられなかった双子が、戦いと仲間との出会いによって、自分の道を歩みだす姿に成長を感じました♪
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■東方の魔女 ▲▼
榎木洋子/コバルト文庫
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少女小説ファンタジーの典型でしょうか。読後がとても爽やかです。クラスメートが異世界の王子さまだったなんて、ワクワクしませんか?侵略された祖国を魔女の手から奪い返そうとする王子、リダーロイス。巻き込まれてしまった夕香里。王道ですね(笑)最後まで二人が名字で呼び合っているのも、いいカンジです。二人とも性格が良いので、辛い目にあったりすると「がんばれ!」と素直に応援したくなります。きらきらとした設定に誤魔化されがちですが、物語としての起承転結がはっきりしているのでサクサク読めます。
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■スレイヤーズ! ▲▼
神坂一/富士見ファンタジア文庫
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天下御免の盗賊キラー。かっとんだリナ・インバースがサイコーです!めっきりクラゲに退化してしまったガウリィには同情しますが…。今から最後の対決が、とても楽しみです。がんばれ、リナ!負けるな、リナ!でも世界を滅ぼすくらいなら一人で死んでくれ(笑)[TOP/Contents]

 



■フォーチュン・クエスト ▲▼
深沢美潮/電撃文庫
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ほのぼの冒険ファンタジー。ちまちま頑張るバステルたちがいいです。個人的にはパステルとトラップたちとの関係が気になるんですが。どうなるんでしょうね?パステルって、ある意味、男の理想なんだろーなぁ。私だって彼女ならお嫁さんに欲しいと思う。[TOP/Contents]

 



■楽園の魔女たち ▲▼
樹川さとみ/コバルト文庫
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謎の生物ごくちゃんが出てきます。いえ、本編とは無関係なんですが…。ドタバタ魔女っ子ファンタジーなんですかね。個性的な四人の魔法使いの弟子が織りなすコメディです。師匠は師匠で無責任だし(笑)四人のうちイチ押しはお人良しの美少年にみえるファリスかなー?怒らすと結構、狂悪だし。[TOP/Contents]

 



■レッド―イングランドの赤い竜― ▲▼
小寺真理/ソノラマ文庫
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エリザベス女王の時代の女性騎士の物語。エリザベス王女を危機からすくうためレッド・グリフィスは生命をかけます。で協力者の子爵とか、敵対する伯爵とかが彼女にひかれていくんですねー♪常に前進を続けるレッドがいいです。でも小寺さんの作品では「二番目のファンタム」もすごくいいんですよ。日本人旅行者と中国系マフィアの行きずりの恋(?)。ストーリーテリングが上手いんだけど、最近作品を見ない…残念。 [TOP/Contents]

 



■時の竜と水の指輪 ▲▼
樹川さとみ/コバルト文庫
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中世のようなムードをもつ異世界が舞台のおとぎ話。男装した少女の薬師が、雇い主の騎士にかなわぬ恋をして魔法使いに魔法をかけてもらいます。そうして騎士と良いムードになるのですが…という展開。おとぎ話の手順をきちんと踏んでます。ただ主役のヒロインが徹底して受け身で受動的なのが残念。
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■ちょー美女と野獣 ▲▼
野梨原花南/コバルト文庫
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「絶望の森」の奥にすむ野獣にダイヤモンド姫は望んで嫁ぐ。お約束だが野獣は魔法をかけられていた王子様で、姫の愛情によって魔法はとけ元の美形に戻った…のだが!「イヤー!信じらんなーい!かわいくなーい!サイテー!」…ダイヤモンド姫は獣フェチだったのです!かっとんだ性格のダイヤモンド姫がいいです。人が良い王子さまも悪くないし。シリーズ一作目なんですが、ライトなドタバタシリーズなので読んでてあきません。
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■鉛姫 ▲▼
ゆうきりん/コバルト文庫
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おとぎ話をロマンスにしたてるとこうなる!という良い見本です。展開はおとぎ話そのまんまなんですが、行間というか心理描写がきちんと書き込んであるので新鮮なカンジです。もちろん最後はハッピーエンド♪余韻をもっておわるところが、さらに花まる★
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■虹彦 ▲▼
図子慧/角川ルビー文庫
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古本屋で見つけたので買ってしまいました。ルビー文庫だけど、ボーイズラブとは呼べない作品です。実際、甘く優しい恋愛は、ここには存在しません。あるのは執着としか呼べない愛と、切ない片思い。やっぱ、主役が女性なのが、ポイント高いです(笑)ヒロイン真琴は、母の生家を求め自分のルーツを探すのですが、待ち構えていたモノは、想像を絶する出来事でした。祝福されない孤独な子供、虹彦の秘密。物語は、ある意味、悲劇で幕をとじます。物語の全編にわたって水の気配が漂っている、美しくも悲しい幻想小説だと思います。 [TOP/Contents]

 



■ロードス島戦記―灰色の魔女 ▲▼
水野良/角川スニーカー文庫
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ゲーム小説の走り。まあ、一番始めだけに一巻の内容がよくばりすぎてるよーな気もします。それ以降は書き込みが多くなってるんですが。とりあえずファンタジーな気分がいいです。しかし塩野七生から苦情はこなかったのか(笑)「ロードス島攻防記」新潮文庫を知らなかった、とは言わせないぞ(笑)
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