シーン18:クグツ

RL
ジェイド以外の乗った車の横に一台の車が並んで、止まれと合図してきます。
一条
ち… しょーがねぇな… どうする? 止まるか?
永瀬
<知覚>17。知った顔?
RL
君は知らないなぁ。知ってる人は解る。桜 柚月さんだね。
一条
ってことは、俺が<知覚>するべきか。12。
RL
それなら解る。
一条
よし。相手が桜 柚月なら探してた所だしな。止まろう。
RL
伊神さんは<知覚>かな。
伊神
では、特に何も組み合わせず<知覚>だけで。16。
RL
面影としては、ロケットのホロに出てきた少女のもう片方なんじゃないかと思う。 で、レッドのとある一角に誘導されたと考えてくれ。
伊神
私が出ます。
一条
それじゃ、俺はまどに手をかけて眺めていよう。
永瀬
…<隠密><元力:光>21。相手のねーちゃんの、車の中に隠れます。
「桜 柚月」
「何度かコールしたのだけど… 全く繋がらなから心配になってな。 悪いが、君のアドレスを調べさせてもらった」
伊神
「すみませんでした。あ、申し送れました伊神と申します」
「桜 柚月」
「桜 柚月。で、我々の皐月はどこ?」
伊神
「車の中に。…その前に何点か確認させてもらいたいのですが」
「桜 柚月」
「何が知りたい」
伊神
「彼女は何者なんですか?」
「桜 柚月」
「彼女は皐月だ。君たちがどこまで調べているかは知らんがな」
伊神
「それは大体… なぜ彼女は狙われているんですか?」
「桜 柚月」
「なぜそれを君が知る必要がある?」
伊神
「我々も狙われました。あなたが彼らと同類の人間である事は否定できません」
「桜 柚月」
「なら、皐月を我々に渡せばいい。それで君が狙われる事は無くなる」
伊神
「私の受けた依頼は、彼女が誰であるかを調べる事です」
「桜 柚月」
「ふん… なるほどな。とりあえず合わせてもらえないか?」
伊神
それじゃ… 出てくるように言おうかな。
「見覚えはありますか?」
「イブ」
「いえ…」
RL
桜 柚月は
「皐月。皐月なんだろ?」って言うんですが…
「いえ、私は記憶をなくしていて…」
とイブが返すと顔をしかめてぼそぼそっというね。
伊神
<知覚>18。なんて?
RL
舌打ちすると同時に「じいさんか…」ってつぶやく。
「今は一刻を争う。我々に譲ってもらえないか?  このままでは皐月という人格が無くなってしまう」
伊神
「詳しく説明をいただけるのでしたら」
「桜 柚月」
「…我々はN◎VAに来て日が浅い。地理的に協力ができると言って、かつ、 我々の行動について一切とがめないと言うのであれば、我々の行動を教えよう」
伊神
ふぅ… いい加減駆け引きも疲れるよ。≪真実≫。
「皐月さんについて全て教えてください」
「桜 柚月」
「まぁいい。私の意見を受け入れてくれたととって話そう。彼女は…  いや、彼と言うべきか。彼は“日向 宗一”だ。別に望まれてこのような状態になったわけではない。 これは一つの実験であり、事故なのだ。

 我々がヘッドハントにおいて大きな実績を上げていることは知っていると思うが、 その実績をあげるための手段として、一つの実験が行われた訳だ。その実験の責任者が日向 宗一。 実験の内容は、“自我をなくす事によって事象を知る”… 言ってしまえばオカルト的なものだ。

 自我を知るために、彼は生体工学などを学んだ。その結果、我々は断片的ながらも多くの情報を引き出す事に成功し、 わが社の業務に大きな貢献をしてきた訳だ… が… 当然、実験的なものであったし、その途中で宗一氏が亡くなってしまった事もあり、 マニュアルではなく機構として情報源をもつ必要があった。その機構として選ばれたのが宗一氏の孫である彼女、日向 皐月だ。

 自我を薄くして情報を引き出す事を続けていた訳だが… 一つの情報に触れ、乗っ取られ、暴走してしまった。 現在、皐月の中に入っているのはじいさんの残留思念のようなものだな。他の人間にも同じような現象が、望む望まざるに関わらず起こっている。

 アルカリックレコードと言う物があってな。太古からの万象の記録を記録してある「部分」なんだが、元々、人間はそれぞれ個体差はあるが、 これにパイプを持っている。だが、あまりにも膨大な情報を持つ上に、全ての「存在」が一つになっている「部分」だ。 下手に触れれば押しつぶされてしまうだろう。それを防いでいるのが「自我」だ。逆に言えば、貴重な情報源を妨げているのが「自我」とも言える。

 「自我」を薄くする事で、アルカリックレコードに接触する事が出来、情報を手にいれることができる。これは解るな?  だが、触れすぎると「自我」が無くなり自己と他人の区別がつかなくなる。皐月は戻ってくる事に失敗したんだ。 最近、自他の別が無くなって自殺する人間が多いのは、この余波…

 私としては皐月という人格をとり戻したい」
伊神
「その方法は?」
「桜 柚月」
「その方法は… 皐月の中にいる宗一氏の人格を破壊する事」
伊神
「可能なんですか?」
「桜 柚月」
「私が協力してほしいのは、実体と精神が分離する「門」がある。M○●Nでは死国周辺にあるんだが…  いわゆる、アストラル界と言うやつだな。そこでなら精神だけを殺すことができるはずだ」
伊神
「そう言う方法を取ればいいんですね?」
「桜 柚月」
「どこまで理解できたかはしらんがな」
永瀬
「…やれやれ。隠れた意味が無いじゃないか…」
姉ちゃんの車から降りてきます。<社会:サロン・ドルファン>で連絡を。
RL
結線持ってるるのか奴ら(笑)
まぁいいや。連絡係の人とかがいるんだろう。繋がったよ。
永瀬
「レコードを確保した。狩場で処分したいんだけど」
「連絡係」
「解った、用意しよう」
永瀬
「…場所取れたよ」
「イブ」
「??? 今の話だと私は居ない方がいいんでしょうか?」
伊神
「あなたはどうしたい?」
「イブ」
「実は実感が何一つとしてないんですよ」
伊神
「ボクはあなたに依頼された身ですから」
「イブ」
「私は、私が何者であるか解ったので満足です。 …私が生き延びる事によって起こる被害とはどの位なのでしょうか?」
永瀬
「…世界中が、さっきのジェイドみたいな人ばっかりになるだろうね」
「イブ」
「解りました。もし私が仮のものであるのなら、あるべき人に返してあげたいです。 …それじゃ皆さん、ご協力をお願いします」
永瀬
「それじゃ、運転手さんよろしく」
一条
「何処へ行けばいいんだ?」
***編集後記
 台詞に段落をいれちまった。長い長い。 このシーンの編集だけで1時間ちょい食ったはず。

 後で図入りの解説を用意しないといけないなぁ…  多分、文章だけでは解りにくい。

舞台裏

ジェイド
<売買>
−精神戦ダメージ治療

 バーサクを一つ治療