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宮沢賢治幻燈館 「銀河鉄道の夜」 14/81 |
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けれどもジョバンニは、いつかまた深く首を垂れて、そこらのにぎやかさとはまるでちがったことを考へながら、牛乳屋の方へ急ぐのでした。 |
ジョバンニは、いつか町はづれのポプラの木が幾本も幾本も、高く星ぞらに浮かんでゐるところに来てゐました。その牛乳屋の黒い門を入り、牛の匂いのするうすぐらい台所の前に立って、ジョバンニは帽子をぬいで「今晩は、」と云ひましたら、家の中はしぃんとして誰も居たやうではありませんでした。 |