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「お早う、コウタン大寺の壁画の中の子供さんた
ち。」
やうらく
三人一緒にこっちを向きました。その瓔珞のか
いか
がやきと黒い厳めしい瞳。
私は進みながら又云ひました。
「お早う。コウタン大寺の壁画の中の子供さんた
ち。」
「お前は誰だい。」
またたき たづ
右はじの子供がまっすぐに瞬もなく私を見て訊
ねました。
すな
「私はコウタン大寺を沙の中から掘り出した青木
晃といふものです。」
「何しに来たんだい。」少しの顔色もうごかさず
じっと私の瞳を見ながらその子は又かう云ひまし
た。
「あなたたちと一緒にお日さまををがみたいと思
ってです。」
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