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宮沢賢治幻燈館 「グスコーブドリの伝記」 24/54 |
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そして早くもその夏、ブドリは大きな手柄をたてました。それは去年と同じ頃、またオリザに病気ができかかつたのを、ブドリが木の灰と食塩(しほ)を使つて食ひとめたのでした。そして八月のなかばになると、オリザの株はみんなそろつて穂を出し、その穂の一枝ごとに小さな白い花が咲き、花はだんだん水いろの籾(もみ)にかはつて、風にゆらゆら波をたてるやうになりました。主人はもう得意の絶頂でした。来る人ごとに、 |