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途中、遠くで鏑矢(かぶらや/音の出る矢)の音がして、狩りの服装の二人の若い女が馬を走らせて行き過ぎました。
丘の上に出ると、同じ姿の女性たちが数十騎、林で狩りをしています。
進むのをためらっていると、馬の口取りといった男が走ってきましたから、呼び止めて尋ねると、
「西湖公主(こうしゅ/姫)様が首山で狩りをされているのです」ということです。
陳が遭難の事情を話し、空腹を訴えると、男は自分の弁当を渡して、
「すぐにここを離れなさい。公主様の前を横切ったりすれば命はありませんよ」と言います。
驚いた陳が急いで丘を駆け下りると、林の中に楼閣が見えます。
大きな寺院かと思って近づいてみると、白壁の塀をめぐらせた立派な屋敷です。
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