聊斎志異より 「西湖主」 8/14

やがて女は戻ってきましたが、意外に明るい表情で
「あなた、助かるかもしれませんよ。姫さまはあれを何度も読み返されましたが、おとがめは無く、にっこりお笑いになりました。しばらくここで静かにしていなさい。逃げようとして見つかったら、それまでですよ」
すでに日は暮れたものの、吉とも凶ともわからず、不安と空腹で生きた心地もありません。
暗くなってから、灯りを持った侍女が下使いの女を連れて現れ、陳に食事をすすめました。
焦った陳が成り行きを尋ねると、
「先ほど『お庭の生員ですが、お許し頂けるなら釈放されてはいかがですか。あのままでは飢え死にしてしまいます』と申し上げたところ、姫さまは暫く考えられ、『こんな夜中にどこに行かせるの』とおっしゃられて、食事を差し上げるように言われました。これはいい兆しですよ」ということでした。