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立派な身なりで、珠玉を山のように持ち帰りましたから、それからは広い邸宅を建て、多数の美女を雇い入れ、連日貴顕を招いての宴会で、その音楽や酒食の豪華なことはこの上もないといった有様です。

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そのように裕福になった事情を聞く者があれば、隠すことなく話したのでした。
陳の幼なじみで梁子俊(りょう ししゅん)という人が、役人になって南方に十年ほども勤めていましたが、帰郷の途中、洞庭湖を通ったときに美しい屋形船を見掛けました。
開いている窓を覗くと、若い男が美女を侍らせて酒宴の最中なのです。
この辺の役所の高官のようだが、それにしては供の者が少ないと更によく見れば、何と明允(めいいん)という呼び名でつきあっていた旧友の陳なのです。
思わず手すりから身を乗り出して大声で名前を呼ぶと、陳も気が付いて舟を止めさせ、梁を招き入れました。
すでに並んでいた料理が片づけられ、あらたに酒食がはこばれて、美しい侍女たちが梁に酒を勧めるのでした。
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