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「ここは仙界で、わたくしは仙女なのです。あなたと、こういう関係になったのは前世からのご縁があったためです。お気遣いなく、ごゆっくりとお過ごしになってください」
女は起きると扉を閉めて出ていってしまいました。
扉にさわってみると外から鍵がかかっているようです。
しばらくすると小間使が食事を運んできましたから、闇の中で手探りで食べたのでした。
そんなわけで、時間もわからなかったのですが、女が部屋にはいってくるので夜になったことを知るのです。
「こんなに暗くては食べるのも不自由ですし、だいいち仙女様か幽鬼かの見分けもつきません。これでは仙界も地獄と変わらないではありませんか」
とうとう郭がそう訴えると、女は笑って、
「あなたはやはり欲望の多い俗界の人でいらっしゃいますね。仙界のようすを下界の人に知られてしまうので、灯りはつけられないのです。手探りでも美醜はわかるではありませんか」
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と答えるのでした。
何日かたつうちに郭(かく)はこんな暮らしに我慢できなくなり、家に帰してくれるように女に頼んだのでした。
「では、明日の夜、天界の宮で宴を開いて、それでお別れといたしましょう」
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