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馬はよく道を知っており、疲れを知らずに歩くので半月ほどで家に帰ることができたのでした。
名月の夜に仙人と一緒に昇天してしまったとばかり思っていた家の者は、主人の顔を見ておおいに喜びました。
彭(ほう)も喜んだものの、丘(きゅう)の家になんと言い訳したものかと困っていると、馬小屋にその丘がつながれていると家人が知らせてきました。
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行ってみると、なるほど首に手綱をつけた丘がぼんやり座り込んでいるのです。
何を言っても通じないふうでしたが、そのうちにぼろぼろと馬糞をしたと思ったら、やっと正気に返りました。
「あの客の男にいきなり首筋をたたかれたと思ったら、もう馬になっていたのだ。こんなことが人に知れたら僕の体面は丸つぶれだ。どうかこのことは内密にたのむ」
と言うと、丘はこそこそと家に逃げ帰ったのでした。
それから三年ほどして、彭は、揚州で府知事の補佐官をしている姉の夫を訪問することになりました。
同じ所に梁(りょう)公子という人がいて、父親の代から親しい間柄でしたから、宴会を開いて招待してくれました。
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