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「人格高潔な人たちがどんな語らいをされるのか見たかったのですよ」
怒った顧の問に、少年はにやにやと笑いながら答えるのでした。
「この人は、いやらしい人ではないのですね」
少年にそう言われて、顔を朱に染め眉をつり上げた娘は、上着のすそを跳ね上げ、腰から取りだした短刀のさやを払いました。
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あわてて逃げ出す少年の後を追って庭に出た娘は、闇の空に向かって短刀を投げつけます。
頭上でバサッと音がして、ふたつの白い物が庭に落ちて転がりました。
顧(こ)が近寄って見ると、頭と胴が切り離された白い狐が転がっているのでした。
「これがあなたのお友だちです」
娘は冷然としてそう言うのでした。
その夜は気分をこわされたというので、翌日の夜あらためて娘がおとずれ、二度目の楽しい夜をすごしたのです。
これで娘が好意を持ったと思った顧は、またまた娘を誘ったのですが、
「必要があれば、わたくしの方からまいります」
とヒジテツをくらってしまい、お稚児さんは死んでしまうし、これっていったいどーなってるの?と首をかしげるばかりなのです。
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