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翌日、妻を伴って屋敷を訪れると嬌娜も来ていて、みなで再会を喜び合ったのでした。
孔が以前の治療の礼をいうと、嬌娜は
「あればかりのこと、いつまでも憶えていてくださって光栄です」と笑うのでした。
何日か滞在するうちに、公子が暗い顔をして近々災難に遭うことになったとうち明け、
「助けていただけるでしょうか」
と言うので、孔は事情も聞かず、二つ返事でうけあったのでした。
公子は一族をみな集めて孔の前に土下座させましたから、孔は驚いて
「これは何のまねです。私たちは生死も共にする間柄ではありませんか」
「お気づきかも知れませんが、私たちは狐なのです。今度天命によって落雷を受けることになったのですが、あなたが助けてくだされば災難をのがれられます。しかし、危険なことですから、お嫌でしたらすぐにご家族でここから立ち退いてください」
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孔がどうすれば助けることができるのかを聞くと
「刀を持って入口の前に立っていてくださればいいのです。雷が落ちても動いてはいけません」
ということです。
剣を持って門を出ると、厚い雲が空を覆って夜のように暗い中、閃光が走り雷鳴がとどろくと山林の大木が火柱を上げて倒れるというすさまじいありさまです。
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