聊斎志異より 「寒月芙きょ」 2/5

道人は何か術を教えようと言うのですが、「だまされるのでは」と疑った男は着物を返しません。

すると着物を巻いていたヒモがとけて男の首に巻き付いたのです。
ヒモはいつの間にか太い蛇に変わっており、口を開いて男の顔にかみつこうとしますから、男はふるえ上がってあやまったのでした。
道人が受け取った着物を着て蛇を腰に巻いたときには、それはいつもの黄色のヒモに変わっていたのです。
ただ、一匹の蛇が町の城門の方へはって行くのが見えたのでした。

 
そんなことから評判は高まって、町の役人や金持ちたちは、道人を宴会に招待するようになったのでした。
それがたび重なると、道人の方でもお返しの宴会を開くことになりました。
町の名士たちの机の上に招待状が置かれていたのですが、それがいつ届いたのか誰も知らなかったのです。