あわてた老婆は手をすりあわせて命乞いをしますから、 「おのれは何者だ! 何をしているのだ!」 盗人が聞くと、老婆は 「わたしの仕えていたご主人が亡くなったのでございますが、葬式をしてくれる身寄りもおらぬので、ここに運んできて置きました。髪の毛が背丈よりも長いので、カツラにしようと思って抜いていましたのぢゃ。見逃してくだされ」 と言いました。