『これに隠したな』と思った主人は、年配の侍を呼び、 「これから祇園の寺に行き、これをお布施に差し上げて祈祷をして貰ってくれ」と依頼の書状を渡しました。
侍は下人ふたりにこれを担がせて出てゆきましたから、奥方や仕える女房どもは、おろおろ心配するものの、あきれて何も言えません。