海外移住情報


アメリカ永住権
一般永住権の申請条件と優先順位






アメリカ永住権には、抽選プログラムの他に、一般永住権があります。
一般永住権は <投資永住権/家族スポンサー/雇用主スポンサー> の3つがあり、家族と雇用主
スポンサー枠には、条件によって優先順位が設定されています。
永住権の維持規定については アメリカ査証編 
<年間発給数について>
下記各カテゴリーの年間発給数は社会情勢により変動します。また国別の複雑な割り当て制度が
あるため、申請者が多い国では優先順位に該当していても長期間待たされる場合があります。
<国別割り当ての撤廃と引き上げ>
雇用ベースにによる永住権申請の国別割り当ては2012年より段階的に縮小、2015年には撤廃される
ことが見込まれています。一方で家族ベース永住権での国別割り当て率は引き上げられる予定。
<申請時の面接>
2017年10月よりあらゆる申請者は例外なく面接を受けることが義務付けされました。



一般永住権 <家族スポンサー>


○最優先枠

・アメリカ市民の配偶者/アメリカ市民の21歳未満の未婚の子供
・アメリカ市民の両親(アメリカ市民とは成人者のみ。現地出産した20歳未満の子供は対象外)
○第一優先枠 (年間発給数は23400)
・アメリカ市民の21歳以上の未婚の子供
○第二優先枠 (年間発給級数は114200)
・グリーンカード保持者(永住権)の配偶者と未婚の子供
○第三優先枠 (年間発給数は23400)
・アメリカ市民の21歳以上の既婚の子供
○第四優先枠(年間発給数は65000)
・アメリカ市民の21歳以上の兄弟姉妹



一般永住権 <雇用主スポンサー>


○第一優先枠/EB-1 (年間発給数は40000)

プライオリティ−ワーカーの発給枠。
科学、教育、芸術スポーツ、ビジネスなどの特定分野において特別な能力を持つ人物、大学教授・研
究者、多国籍企業の役員・管理職、L1-A査証(役員・管理職用)の所持者(渡米直前3年間の内、1年
間以上日本の親会社・関連会社で役員職・管理職をしていた人)が対象となります。
○第二優先枠/EB-2 (年間発給数は40000)
第一優先枠に入らないものの準じた能力を有する人物、大学院卒業の学歴を持つ専門識者など。
<国益免除制度/National Interest Waiver>
労働認定証(レーバー・サティフィケーション)とスポンサー企業などが免除となる特別申請制度。卓越
した能力を持ち、米国に多大な貢献ができ、米国にとって有益であると判断された場合に限られます。
○第三優先枠/EB-3 (年間の発給数は40000)
スキルドワーカーの発給枠。ある分野において専門的な能力を持つ人物が対象。
スポンサードする企業に勤務することが条件となり、学歴・職歴など細かい条件も求められます。H1-B
ビザ(専門的技能を持つ就労査証)を所持するほとんどの申請者はこの枠に該当。申請から発給まで
通常数年前後を要します。またスキルドワーカー枠に該当しなくてもスポンサーになってくれる雇用主が
いれば申請できるものの、優先順位はかなり低くなります。
尚、年間発給数が上限に達した際、永住権の審査と発給が翌年以降にずれこむ場合があります。この
ことをリトログレッションといい、申請者の多いEB-3の特有現象にもなっていますが、リトログレッション
となった場合、H1-B査証の更新条件が緩和されます。
○第四優先枠/EB-4 (年間の発給数は10000)
宗教関係者。牧師、神父など。

○第五優先枠/EB-5 (年間の発給数は10000)

投資永住権に該当(下記参照)。

■労働認定証申請・PERM
雇用カテゴリーによる永住権申請に先ず必要となるのが労働認定証(レーバー・サティフィケーション)。
労働認定証の新しい申請システム・PERMは2005年にスタートし、オンライン化することで発給所要期
間は数ケ月に短縮。2007年には規定が変更。永住権申請は労働認定証の有効期間内(6ケ月間)に行
うことが必要となり、労働認定証申請に関わる費用は全て雇用主が負担。該当する人材がが米国市民
や永住権所持者の中で見つからないことが必要となるため、求人募集結果なども必要条件となります。

■RIR制度
RIRは永住権の申請に要する期間を短縮するために設けられた連邦労働省の特別制度。人材が不足
している職種に従事している人が対象になります。また最低2年間の職務経験があれば、年齢、学歴
を問わずに申請が可能となっています。



一般永住権 <投資永住権>


○投資永住権/EB-5

一般永住権・雇用主スポンサーの第五優先枠(上記)に該当。毎年1万人が投資によって永住権を取
得でき、内3千人はアメリカの地方に投資した外国人が対象となります。投資は新規事業の開設の他、
既存事業への投資なども含まれます。
投資額は50万ドルから300万ドル、分野や地域によって金額は異なりますが、通常100万ドルが目安
とされています。加えて、2年以内に最低10人のアメリカ人を雇用することが条件となります。
但し、地方(米国平均失業率の150%を超える地域や移民局が定めた指定地域など)への投資は地域
センターを通じての投資となり、この場合、50万ドルと10人以上の雇用(投資効果による間接雇用可)が
条件となります。
■移民局動向
中国人富裕層の投資増加によって、2010年以降は中国人に人気の永住権獲得手段となっています。
このため2013年の取得者数は規定の1万人の内、中国人が85%を占めています。
またこの制度を悪用した虚偽の申請が多いため、厳しい発給審査がよりいっそう厳格になっているとと
もに、承認手続きには約2年間を要する環境となっています。
尚、移民局では投資永住権EB-5をさらに身近で分かりやすく、運用を明確化したものにするために、
一般からの意見を取り入れた改善策に取り組んでいます。