海外移住情報 日本の永住権と国籍取得 在留特別許可、難民認定、子供の認知 |
日本の永住権 |
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○永住権の許可申請 <対象となる人> ◆正規の在留資格にて継続して10年以上日本に滞在している人。 (留学・就学にて入国した人は、10年の内、5年以上の就労資格所持が必要) ◆「日本人の配偶者等」の在留資格を所持し、3年以上日本に住んでいる人。 ◆「永住者の配偶者等」の在留資格を所持し、3年以上日本に住んでいる人。 ◆「定住者」の在留資格を所持し、5年以上日本に住んでいる人。 ◆上記条件の他に、素行が善良であること(前科などがない)や独立した生計を営める資産、ま たは技能を有すること、日本の国益に合致することなどがが必要とされます。但し、日本人や永 住者の配偶者、子供の場合は、この限りではありません。 ○ポイント制永住権 日本版ポイント制グリーンカード制度。2012年導入。 博士号、修士号などの学歴や職歴(実務経験)、年収、年齢などの項目ごとにポイントが付与。 計70ポイント以上の「高度専門職」に認定されると5年の滞在履歴で永住権が申請できる制度。 ※学術研究、専門・技術、経営・管理の3分野に分け、研究者の博士号取得者は30点、経営者 の年収3千万円以上は50点などのポイントを積算。 ■新改正制度/2017年3月開始 滞在履歴条件を3年に短縮。特に優秀な人(ポイントが80点以上の人)には世界最速となる1年 の滞在履歴で永住権を与えようという改正制度。優秀な人材を日本に呼び込むのが狙いとなっ ています。 ※大学ランキング上位校の卒業は10点、国内で経営している事業に1億円の投資は5点などの 新しいポイントが追加。 法務省/高度人材ポイント制による在留優遇ガイド ○永住権資格保持者 2008年現在、日本の永住権資格を保持する外国人総数は約87万人。永住権保持者の参政権 (選挙権)を与えるかどうかについては意見が分かれています。 |
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日本国籍取得 |
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○日本国籍の取得条件 ※日本国籍の取得は「帰化」と呼ばれ、永住権とは異なります。 日本の国籍取得の主な条件は、善良であり、現在日本に住み、かつ5年(日本人との婚姻の場 合は3年)以上日本に住所を有し、また引き続き1年以上日本に住所を有する人。 加えて自己または生計を共にする配偶者・親族の資産または技能によって充分な生計を営むこ とができること、となっています。申請は管轄の地方法務局で行い、担当官とのインタビューによ って要件を満たしている人にのみ申請書類と手引書が渡され、添付書類についての説明が行な われます。但し誰でも簡単に取得できるものではありません。 国際結婚による子供の国籍取得について/参照・国際結婚手続きマニュアル |
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在留特別許可 |
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○在留特別許可とは 強制退去に該当する不法滞在外国人に対して、特別に在留資格が与えられることをいいます。 在留許可を与えるかどうかについては、法務大臣の自由裁量に任されていますが、日本人の配 偶者または日本人の実子の養育者の場合や特殊な例(日本でしか治療できない難病、帰国する と生活が困難、他)のみ認められるのが現状です。 <問い合わせ先> 住所地を管轄する入国管理局の警備課 <申請許可状況> 2008年度数値では、在留特別許可を認められた人は7400人。却下され強制退去処分となった 人は約29000人。 ○オーバーステイしている外国人の婚姻ケース 超過滞在している外国人は、日本人と婚姻してもすぐに在留許可は得られません。 在留特別許可の申し立てを行うには、まず日本人配偶者と共に当局に出頭。この際、婚姻届の 受理証明を持参する事が求められます。自主出頭した場合は身柄の拘束はありません。 また、近年では入国管理局の手続きも簡素化され、審査期間も短縮化されてきています。 ○日本人との婚姻以外のケース 在留特別許可は入国管理局警備課が行う強制退去の手続きの一部。したがって、当局に逮捕、 または自主出頭した不法滞在者は、強制退去処分の異議申し立てを行うことが必要です。 このことによって、在留特別許可の手続きに入り、調査や審査、仮釈放などの措置が始まります が、市民団体や弁護士の支援が必要となります。 |
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子供の認知 |
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○認知手続き 認知とは婚姻関係のない男女間にできた子供を、父または母が実子であることを認め、法律上 の親子関係を発生させることをいいます。市町村窓口に認知届けなど必要書類を提出すると 戸籍謄本に認知事項が記載されます。尚、戸籍謄本に認知事実を記載しないためには、一端、 本籍地を他に移した後に認知申請を行い認知手続き終了後に本籍地を元に戻すと、戸籍謄本 の認知記載を取り消すことができます。これは本籍を移す際に戸籍が書き換えられため。詳細 は市町村窓口で確認を。 ○子供が認知された場合の日本滞在資格 海外で生まれた子供を日本人が親として法的に認知(戸籍謄本に記載)した場合、例えば母親 である外国人女性は、子供を扶養するための「定住者」の滞在資格が与えられます。 <子供の日本国籍取得> 認知された子供の国籍は2009年1月の改正国籍法施行によって「日本国籍」が与えられます。 また虚偽の届出を行った場合の新たな刑罰が設けられました。 認知時の国籍取得の申請は住所地を管轄する法務局、または在外日本国大使館となります。 法務省・民事局/改正国籍法について |
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難民認定 |
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○難民条約 難民は、「人種、宗教、国籍、政治的意見や特定の社会集団に属することを理由に、自国に いると迫害を受ける十分な恐れがあるために他国に逃れた人々」と定義され、戦争や内戦に よって自国から逃れた人々も難民と認定されます。現在140ケ国が難民条約に加わっている ものの、多くの国では危機の発生直後に難民の一時的な受け入れには同意をしても、難民 のために毎年恒常的に定住枠を設けている国は10ケ国前後にすぎません。 ○難民申請について 難民申請者は入国から60日以内、または滞在中に難民となる理由が生じた日から60日以内 に入国管理局本部に申請することが必要。申請には弁護士や支援団体のサポートがなけれ ば事実上困難となっていますが、日本には独立した難民認定機関は皆無。アムネスティイン ターナショナル、難民支援協会、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などが支援団体とし て活動。尚、難民保護を最重要任務とするUNHCRの年間予算は約10億ドル。世界120ケ国 277ケ所に事務所を設置し、職員数は約5200人、内4400人が現地事務所に勤務。 <難民支援機関> UNHCR JAPAN UNHCR 本部 難民支援協会 アムネスティ・インターナショナル・ジャパン ○日本の難民認定の衝撃 2005年1月、国連難民高等弁務官事務所・UNHCRから難民認定を受けているクルド人が、 日本に逃れてきたにもかかわらず移民局によって強制送還。UNHCRの方針を無視した暴挙 に非難が集中しました。不法滞在外国人を野放しにしながら、迫害の恐れのある外国人を 強制送還する入国管理局の対応には絶句・・・。 ○難民認定の国際比較 日本は難民の受け入れには極めて消極的で、世界から非難を受けることもたびたび。難民 受入数は先進主要国内で最低の数値となっています。また、この背景には「外国籍の人間 を極力受け入れたくない」という日本の姿勢があるものの、一方では難民申請数が異常なま でに少なく、難民サイドから日本が国際的な国として見られていない現実を表しています。 <2003年度/各国の難民申請数と認定数> ◆アメリカ 60700人(28420人 ) ◆ノルウェー 16000人(1630人) ◆スウェーデン 31300人(940人) ◆オランダ 13400人(170人) ◆カナダ 31900人(10730人) ◆日本 336人(10人) ○出入国管理法の緩和、日本での難民申請者の増加 2004年12月、出入国管理法緩和の施行が開始。難民対応の改善を目的に、「仮滞在許可 制度」の新設と「不服申し立て制度」が見直されました。 また日本での難民申請数は2006年より例年の2倍以上となり、2008年には始めて1000人 を突破しましたが、急増の原因として年々長期化する審査期間があげられ、少なくとも20ケ 月の期間を要する環境となっています。 <2009年度 日本の難民申請数・認定数・人道配慮数と年度別推移> ◆難民申請数/1388人 2005年384人→2006年954人→2007年816人→2008年1599人 ◆難民認定数/30人 2005年46人→2006年34人→2007年41人→2008年57人 ◆人道配慮数/501人 2005年97人→2006年53人→2007年88人→2008年360人 ※人道配慮とは難民認定なしの在留許可。2009年度501人の内、478人はミャンマー人。 法務省入国管理局・難民認定報道資料 (2010.2) |