海外移住情報


日本人医師の
海外臨床研修、研究留学、海外医療免許




日本人医師の現地医師免許取得と臨床研修、研究留学


海外で医師として活動するには、日本の医師免許の海外適用ケースなどの例外を除き、その国
の医師免許取得が必要。
海外での医師免許取得は、一般学生として医科大学で学ぶ方法、日本の医師免許所持者が現
地の臨床研修や試験などを経て取得する方法があるが、 医師資格取得に臨床研修を必要とす
る国では、臨床研修ができなければ、事実上、現地医師免許を取得することはできない。

○日本人医師が臨床研修できる国々
アメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、スイス、
デンマーク、フィンランドなど、限られた国のみ。手続き方法、審査基準などは国によって異なる。
※ドイツの場合は雇用情勢が好調時に限り、例外として最長5年間を限度に許可を得られる。

○就労と臨床研修、研究留学
日本の医師免許所持者の海外留学には、臨床研修と研究留学の二通りがある。
生活できるだけの給与を支給されるのは臨床研修。研究留学の場合はさまざまで、支給給与の
みで生活できないは場合も多い。
国によって受け入れ規定や手続きは異なるものの、重要なのは、海外の医療機関や研究機関に
採用され、事実上就労している場合でも、立場はあくまで研修生・研究生。
自国で取得した医師免許所持者の医療技術向上を目的とする場合、またはその国の医師免許
取得を目的とするものであって、単純就労という考え方であってはならない。
■日本人医師が研究留学できる国々
臨床を伴わない研究留学の場合は、一般的な留学と同様に、受け入れ先があれば多くの国で可
能。医師資格に臨床研修を必要としない国では、資格試験のみにて現地医師免許を取得できる
場合がある。



主要国の医師免許と外国人の取得、臨床・研究留学


○オーストラリア
■医師免許
国内外にて規定の学問を履修した者のみ医師登録が可能。
■臨床研修.研究留学
オーストラリアで外国人医師が臨床研修するにはMedical Board of Australiaに登録が必要。
登録には主に2通りがありますが、学歴・臨床経験及び英語力条件を満たすことが必須となり
ます。臨床を行わない研究留学の場合は、留学先の確保のみ必要で試験などはありません。
◆Australia Medical Council試験の合格と臨床審査」が必要となる「Full registration」
◆研修先の確保のみで登録できる「Limited registration」がある。
■永住権制度の優遇措置
オーストラリア医師免許所持者(Full registration)は、永住権制度査定にて優遇措置があると
ともに、オーストラリア政府機関による海外医師の移住&求職支援制度もあります。
■公式機関
Australia Medical Council
Medical Board of Australia
Doctor Connect

○ニュージーランド
ニュージーランドで医療活動を行うには現地医師免許の取得と登録が必要です。
Medical Council of New Zealand 

○アメリカ
■コンラッド30プログラム
コンラッド30は外国の医学部を卒業した研修医が、J 査証の2年間本国居住義務を免除される
制度。病院や医師が少ない過疎地域での3年間の就労が条件となり、年間発給数の制限にか
かわらず就労査証( H-1B) 査証を申請可能。 
※当制度は2012年9月までの時限法となっていましたが、2015年9月30日まで延長されました。

■医師免許

アメリカの医師免許は州ごとに資格審査、試験を行ない、その地域で通用する医師免許証を発
行。通常2〜3年ごとに免許証は更新され、更新時には講習の受講が必要で、連邦政府の医師
免許証というものは存在しない。
■外国人の取得
外国人医師が医師免許証を取得するには、アメリカでの1〜2年の臨床研修が必要。
ただしアメリカは医師が過剰傾向にあり、外国人医師の臨床研修を制限する傾向があると共に、
アメリカで開業するには米国医師免許に加え、移民査証(永住権)の取得が必要。
■臨床研修.研究留学
臨床研修するためには定められた試験に合格することが必要。研究留学の場合は、留学先の
確保のみ必要で、試験などはなし。査証資格は就労が可能なJ査証またはH査証。
■医科大学
アメリカの医大は卒業するとDoctor of Medicine(M.D)、Doctor of Osteopathy(D.O)の称号が
もらえる。開業するにはUSMLE Step3に合格することが必要。
医科大学のレベルは高く、日本の大学院レベルに相当。
アメリカ医師会

○カナダ
■医師免許
医師免許は州ごとに資格審査、試験を行ない、その地域で通用する医師免許証を発行。
■外国人の取得
外国人への医師免許を制限している州もある。
■臨床研修.研究留学
外国人医師がカナダの医師免許を取得するには1年間の臨床研修が必要。
臨床研修するためには、定められた試験(Medical Council of Canada Evaluating Examination)
に合格することが必要。研究留学の場合は試験不要。

○イギリス
■医師免許
規定の学問を履修した者のみ医師登録が可能。
■臨床研修.研究留学
イギリスで外国人医師が臨床研修するにはlimited registrationが必要。
登録には2通りがあり、PLABテストへの合格と研修先を必要とする方法、ODTSと呼ばれる専門
医研修システムに参加する方法がある。
臨床を行わない研究留学の場合は、留学先の確保のみ必要で試験などはない。
■イギリス永住権制度の優遇措置
イギリスの医師免許所持者は、ポイント制永住権制度の査定にて50点が加算される。
参照/イギリス査証編

○ドイツ
■医師免許
ドイツの医師免許は医大卒業後、2年間の研修を経て州が発行。
■外国人の医師免許取得と臨床研修
原則として日本人がドイツの医師免許取得や臨床研修することはできません。但し雇用情勢が
好調時に限り、例外として最長5年間を限度に臨床研修の許可を得られる。
■研究留学
研究留学は、留学先が確保できれば自由に行え、試験はなし。但し、ドイツの病院からの受け入
れ承諾の証明書と滞在費用証明が必要。また臨床研究が含まれている場合は、留学先の病院
を通じて、州当局(Regierungspraesidium)の医師活動許可(Erlaubnis zur voruebergehenden
Ausuebung des aerztlichen Berufes gemaess/10 Bundesaerzteordnung)の取得が必要。
ドイツ医師会

○フランス
■医師免許
フランスの医師免許はインターンを含めて8年間の学習の後に発行。
■外国人の取得と臨床研修
日本人医師がフランスで診療活動や臨床研修を行うことは、例外を除き、原則的に認められない。
■研究留学
研究留学の場合は、フランス人医師同伴環境の場合を除き、診療許可のための試験合格が必要。

○アイスランド
日本での臨床研修を修了していない人は、アイスランド大学医学部・特別委員会に申請、臨床研
修の許可を得ます。日本の医師免許証を取得している人は、同様に申請し、労働局の審査を経て
臨床研修を行います。