海外移住情報


イギリス査証編
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

現地事情編




一般入国関連


○査証免除/Leave to Enter as a Visitor

入国時の空港審査で最長6ケ月までの滞在許可が可能。ただし許可期間は入国審査官が決定。入国
審査での滞在理由の説明や資料、出国用チケット、滞在旅費証明(クレジットカード、TC、現金など)の
提示なども考慮されます。また出国すると無効となり、再入国時には新たな審査となります。
■滞在延長・滞在資格変更
現地延長不可。ただし入国時の滞在許可が3ケ月の場合は出入国管理局て6ケ月まで延長可。また
6ケ月の滞在期間満了後に出国、期間を経ずに再入国する際は入国拒否される場合があります。
尚、査証免除滞在から他の滞在資格へ変更することはできません。
■商用ビジターの便宜措置
入国審査時に出張または出向勤務を証明する勤務先のレターを提出すれば、2年または5年間自由に
入出国(一回の滞在は6ケ月以内)できる数次入国許可が得られ、入国審査時に便宜が図られます。

○入国管理の緩和
2019年5月20日より日本を含む7ケ国の入国者は自動化ゲート(eパスポート・ゲート)の利用が可能。
また非EU加盟国者に義務付けられていた入国カードの記入提出は廃止。

○英国移民局
移民局業務は内務省(ホームオフィス)が管轄。2008年、移民局組織がIND(Immigration & Nationality
Directorate)から英国国境局BA(Border Agency)に改変しましたが、2013年廃止されました。
尚、規定は刻々と変更されるので最新情報は移民局の申請書課などでの確認が必要です。
UK Visa & Immigration /Home Office
内務省(ホームオフィス) 
<査証関連機関>
英国外務省
<在日機関>
英国大使館

○日本での査証申請
日本での査証申請は「英国査証申請センター/2008年開設」が窓口となります。
同センターは英国出入国管理局と英国大使館に委託された民間機関。オフィスは東京と大阪のみ。
VFS Global/英国査証申請センター 
<大阪申請について>
2015年9月より大阪センターでの申請に限り、ユーザーペイフィーとして52£が追加で課金。
また名称は「ユーザーペイズ査証申請センター」に変更。
変更案内ガイド

<査証申請書>

2011年1月より、日本での全ての申請は「オンライン申請用紙」を使用した申請のみ有効。
※オンラインで記入した申請書を印刷署名したうえで、本人が英国ビザ申請センターに提出。
※2014年4月より申請書提出時の来館予約もオンライン方式となりました。
<査証料金支払い>
2012年2月27日より、日本における査証申請料金の支払い方法は「オンライン決済のみ」に変更、
現金不可。決済方法はクレジットカード、またはVisaとMasterCardのロゴがあるデビットカード。

○査証問い合わせ
英国政府は2017年6月1日より査証の問い合わせを有料にするとともに民間に委託。料金は1件毎に
5.48ポンド(約800円)、クレジットカード払い。また日本語対応は不可。
Site UK Ltd

○バイオメトリクス在留許可カード
EUで導入促進されている「居住許可カード/Residence Permit Card」は、従来の査証ステッカーに
代わるもので、生体認証付き在留許可カード、バイオメトリクス在留許可証などとも呼ばれています。
英国では主に就労査証や学生査証などの延長滞在申請時に発給されていましたが、2015年からは
ワーキングホリデー申請も対象になりました。

○入国許可証/エントリー・クリアランス
2003年より6ケ月以上の全ての滞在には入国前にエントリー・クリアランスの取得が必要。有効期
間中の出入国は自由、パスポート上に貼付されます。発給料85ポンド。
また2008年より全外国人(EU市民を除く)に対して入国査証申請時の指紋採取が開始。2009年か
らは入国時に再度指紋を採取し、査証申請者と同一人物かどうかを検証するプロセスが追加。
■滞在延長と滞在資格変更
滞在延長や滞在資格変更は「出入国管理局Border Agency」での手続きが必要。Border Agencyで
取得する滞在許可証(Leave to remain)は査証免除入国時にパスポートにスタンプされる滞在許可
(Leave to enter)とは別のものです。
■エントリー・クリアランス一覧
◆トランジット(48時間以内の滞在、空港内での乗り換えのみ)◆短期ビジター(数次/6ケ月・1年・
2年・5年・10年)◆メディカル・トレーニング(病気治療用)◆学生◆船員・航空機の乗務員◆就労(6
ケ月未満/6ケ月以上)◆事業(起業準備)◆インディペンデント・ミーンズ(リタイアメント・年金生活
者用)◆投資家◆UKアンセストリー(英国で祖父母が生まれている人)◆ワーキングホリデー◆配偶
者◆婚約者(結婚)◆未婚バートナー(結婚しないパートナー)◆定住を目的とした子供(養子を含む)
◆高齢扶養者◆サーティフィケート オブ エンタイトルメント トゥ ライト オブ アボード◆ソールリプレゼ
ンタティブ(駐在員事務所開設)◆リターニング レジデント◆イギリス連邦諸国の国民◆統治国国民

イギリス・ワーキングホリデーガイド
2009年度プログラムより新制度に移行。滞在就労期間が2年間に伸長。

イギリス・リタイアメント査証ガイド 



就労関連


○イギリス就労公式サイト
出入国管理局/就労ガイド

○労働在留許可・ポイント制度(Points-Based System)
2008年開始の在留許可と労働許可を併せた制度。Tier(階層)1〜5に分類され就労者の制限と手
続きの簡素化がその目的。個別に設定された規定のポイント数の獲得が必要となります。

■Tier1/成長と生産性に貢献する高度技術移民や投資家・起業家なとが対象。5区分。

◆General/一般

高度技能移住プログラム(Highly Skilled Migrant Programme)、その他。5年以上の保有者は延長ま
たは永住権申請が可能。
◆Exceptional Talent/例外的有能者
2011年8月実施、枠数は年間1000。3年4カ月間の滞在が許可された後、2年間の延長が可能。
5年を超えれば永住権の申請が認められます。各分野の学術団体が最も優れた専門家として英
国移民局に推薦した人が対象となります。ちなみに科学(300枠)はThe Royal Society(王立協会)、
芸術は(300枠)はArts Council England、技術(200枠)は王立工学アカデミー、人文科学(200枠)は
The British Academy(英国アカデミー)が管轄指定。2013年、推薦書の承認依頼を英国移民局へ
申請し、承認の通知が届いた後に査証を申請する形に変更。
◆Investor/投資家(富裕層向け)
100万ポンド以上の個人資産を英国金融機関に預けられる人、または不動産を含む個人資産が200
万ポンド以上あり、100万ポンドを英国の金融機関から投資資金として借り入れすることができる人。
当初3年4ケ月の滞在許可が得られ、2年の滞在延長が認められます。また通常は5年目以降に永
住権申請が可能。ただし投資額や経営実態により滞在延長や永住権取得規定が異なります。
<永住権早期発給優遇制度/2011年3月開始>
・1000万ポンドの投資を行い維持した場合は2年後に永住権発給
・500万ポンドの投資を行い維持した場合は3年後に永住権発給
・高額投資を行った際に10以上の事業を起業した場は3年後に永住権発給
※いずれの場合も扶養家族(配偶者・子供)はイギリス居住5年目以降の永住権発給となります。
◆Entrepreneur/起業家
20万ポンド以上の資金、または政府・金融期間からの資金5万ポンド以上にて起業または事業買収
を行う経営者、最低2名のフルタイム雇用を行う人などが対象。3年後以降に永住権申請が可能です
が、投資額や経営実態により滞在延長や永住権取得規定が異なってきます。
◆Graduate Entrepreneur/大学卒業生起業家
英国教育機関の卒業生、英国貿易投資総省認定の海外高等教育機関卒業生の起業家が対象。
■Tier2/求人のある技能労働者(一般、企業内転勤)など4区分。
◆General/一般
大卒レベルの職務が対象。年収約15万ポンドを下回る場合は年間約2万人に制限。中級英語力要。
雇用主は英国移民局(UKBA)による身元引受人ライセンス(Sponsorship licence)の取得が必要。
また英国内に該当する人材が見つからない場合や欠員がある場合に限定されます。
◆ICT Intra-company transfer/企業内転勤
1年以上の派遣元企業での就労実績が必要。短期就労(最長1年)、長期就労(最長5年)、Graduate
Trainee(大卒研修生)、Skills Transfer(技術移転)の4つのカテゴリーがあります。
◆Sportsperson/英国のスポーツ産業の発展に貢献できる人が対象。
◆Minister of Religion/ 牧師、布教者、宗教団体関連者
■Tier3/低技能労働者が対象。
明確な労働力不足が認められる場合のみ運用されます。
■Tier4/学生が対象。成人学生、生徒の2区分。

2009年より学生査証はポイント制度に移行。
■Tier5/青少年交流、一時的労働者が対象。5区分。
最長1年間の滞在が認められます。

○労働許可を必要としない査証

いずれの場合も滞在期間は1年間、原則的に3年間の延長が可能。家族同伴の場合は同期間の滞
在と配偶者の就労が認められ、他の査証への切り替えも可能。入国前に就労用エントリー・クリアラ
ンスの取得が必要です。
■外国企業の単独駐在員査証
イギリスに支店や子会社、駐在員事務所を持たない企業の社員が、現地会社を設立するために駐
在する場合に限られ、イギリス国外の企業に国外で雇用された人であることが必要。また入国より
1年の間に子会社などを設立した場合に限り延長が可能となります。
■アーティスト査証
作家、作曲家、芸術家(イラストレーター・画家・彫刻家など)が対象。歌手や演奏家、デザイナー、
カメラマンは対象外。作品だけで生活できる証明と収入実績、出版・作品化の実績、芸術的評価が
必要となります。
■その他
外交官や国連職員など在英外国政府・国際機関職員用査証。



○高度技能移住プログラム Highly Skilled Migrant Programme/Tier1
2002年施行。高い技能と経験を有する人を対象としたポイント制度。
英国移民局/Highly Skilled Migrant Programme
<規定点数/100点>
2010年7月、95点から100点に引き上げられました。
<各種規定>
◆6つの査定分野の合計点数が規定点数に達すると申請可能。各分野の獲得点数や合格点数、
システム内容は、社会雇用情勢により変動します。
◆申請後に職務内容や職業資格、職務評価などが審査されます。
◆当初は2年間(次回は3年)の労働許可証が発給され、4年間を経ると永住権への切り替え取得
が可能となります。
◆英国在住者は移民局、日本居住の場合は在日公館に申請。
◆入国から1年間は仕事探しの期間として、就職など安定収入を得るための活動が認められます。
1年経過後に安定収入の確保を証明できれば、以降の滞在延長が認められ、将来的に永住権に切
り替えます。
■ポイント査定/2010年4月改定
1.英語能力 ◇規定の英語能力保持=10点 ※規定以下は申請不可 
2.資金 ◇2800ポンド以上の資金所持(過去3ケ月間)=10点 ※規定以下は申請不可 
3.年令 ◇29歳以下=20点、◇30歳〜34歳=10点、◇35歳〜39歳=5点、◇40歳以上=点数なし
4.学位 ◇認定されたMBA資格=80点、◇博士号=45点、◇修士号=35点、◇学士号=30点
5.過去の給与(年収)実績
◇15万ポンド以上=80点、◇75000ポンド以上=45点、◇65000ポンド以上=40点
◇55000ポンド以上=35点、◇50000ポンド以上=30点、◇40000ポンド以上=25点
◇35000ポンド以上=20点、◇30000ポンド以上=15点、◇25000ポンド以上=5点
6.ボーナスポイント ◇英国学位所持=5点、◇英国国内での25000ポンド以上の年収=5点

○Tier2 ポイント制度
企業に就職する一般的な場合。ポイント制度が実施され、50点(2009年度)を獲得することが必要。
1.雇用先
◇雇用先での職務が職業指定リストに該当=50点
◇雇用主が英国人採用のための労働市場調査を実施=30点
2.学位
◇博士号=15点 ◇学士号・修士号=10点 ◇学士号以下の学位=5点 ◇上記以外=点数なし
3.予定給与(年間)
◇24000ポンド以上=20点 ◇22000ポンド以上=15点 ◇20000ポンド以上=10点
◇17000ポンド以上=5点  ◇17000ポンド以下=点数なし
4.英語能力
◇規定の英語能力を保持=10点
5.資金
◇800ポンド以上の資金所持(過去3ケ月間)=10点



就学関連


○イギリス就学公式サイト
出入国管理局/就学ガイド

○短期就学
6ケ月以内の短期留学の場合はビジター扱いとなるため学生査証取得は不要。配偶者の同伴不可。
■査証免除資格での通学

観光目的と同様に入国審査官によって滞在日数が決定されますので、 通学校が決まっていない場
合は、人によって滞在許可期間が異なることがよくあります。学校資料や滞在費証明などを提示し
て説明すると希望滞在期間が得やすくなります。滞在延長不可。
■短期留学生資格(Short Term Student)での通学
査証免除にて入国。入国審査官に学校の入学許可書・授業料の受領書・滞在費証明(英文預金残
高証明書など)、出国用航空券を提示することで、Short Term Student (短期留学生)として6ケ月内
希望期間の滞在が許可されます。アルバイトは不可。また、滞在延長申請ができ、ホームオフィスに
て手続きします。審査中に滞在期間が失効しても結果が出るまでは滞在できますが、待機中に出国
した場合は無効となります。
※DFES(Department for Education and Skills Register of Education and Training Providers)に登
録されている教育機関であることが必要です。

○学生査証/Tier4
2009年4月より学生査証はTier4と呼ばれるポイント制度に移行。6ケ月以上、週15時間以上のフルタ
イム受講が対象。入国前に学生用エントリークリアランスの取得が必要。滞在期間は1年〜5年(大
学正規留学lower levelは最長3年、higher levelは最長5年)。滞在期限満了時は1年毎の延長申請が
必要。また正規留学新卒者は「雇用就労査証 Tier2」の申請が可能。また現地大学で学士号以上を
取得した場合は職探しのため卒業後2年間の滞在許可と1年間の就労許可を得ることができます。
■ポイントシステム ※合計40点の獲得が必要
◆30点
イギリス移民局の認可校にて週15時間以上のフルタイムコースに参加する場合は30点が取得。
◆10点
資金力が審査され、以下の場合10点が取得。
○ロンドンにて9ケ月未満滞在の場合は通学授業費+月800ポンドの滞在費、9ケ月以上の場合は
初年度の通学授業費+初年度7200ポンドの滞在費。
○ロンドン郊外にて9ケ月未満滞在の場合は通学授業費+月600ポンドの滞在費、9ケ月以上の場
合は初年度の通学授業費+初年度5400ポンドの滞在費。
■必要書類
申請用紙/写真2枚/移民局認可校の入学許可書とコピー/規定英語力の証明書とコピー/
他、要求される書類
※2011年4月、移民局は日本を含む指定国の審査簡素化を発表。2011年7月より、銀行残高証明、
学歴証明は不要となりました。
■英語力規定
2010年3月より、学生査証取得には「IELTS4.5点以上」の英語力が必要。英語力が規定レベルに満
たない場合はビジター資格での6ケ月未満の短期留学のみに限られます。また2011年7月より学位
レベルの留学生は「upper intermediate/B2レベル」の英語力が求められます。

■延長申請

移民局にパスポート、写真、出席率が記された在学証明、成績証明書、滞在費証明などを提出。
■アルバイト就労
学士号以下の留学時の学期中就労は週10時間まで(2010年3月、20時間から変更)、休暇期間は
時間制限なしのアルバイトが認められています。但しアルバイトを前提とした留学は認められてい
ないため、入国時に発覚すると入国拒否となることもあります。
尚、同伴配偶者の就労は原則不可。但し、1年間の滞在許可を得た場合など、特定条件下におい
て配偶者の就労が認められる場合があります。
■扶養家族の同伴
2011年7月より大学院生、政府スポンサーの学生のみ、扶養家族の同伴が認められます。
■学生査証認定語学学校など
英国移民局/認定校一覧


○就学以外
インターンシップの場合、就労期間は最長3ケ月間、延長は不可。対象は大学または専門学校のフル
タイム学生のみ。カリキュラムにインターンシップが含まれていることが必要。専攻分野に関連した職
種に限定されます。2004年から始まった「ギャップ・イヤー・エントランツ」は18〜19歳で、日本の高校
を卒業後、日本の大学に入学するまでの1年未満の就労が許可。ただし、帰国時の大学進学が決まっ
ていることと英国の学校から教員アシスタントの要請があることが必要です。



永住権関連


○永住権/無期限滞在許可証 indefinite leave to remain (ILR)

10年毎(子供は5年)の更新が必要。無制限の滞在と自由な入出国、職業労働の自由が約束され、
配偶者と18歳未満の子供にも永住権が与えられます。申請は移民局に書類一式とパスポートを提出。
審査期間は通常約2〜3ケ月。個人での直接申請の他、弁護士委任も可能です。
■主な対象者
◆労働在留許可ポイント制度において個別に定められた永住権申請資格を保有している人
◆イギリス国籍または永住権所持者との婚姻査証を取得し、結婚生活を2年以上続けている人
◆学生査証を保持するなどして、合法的に10年間の継続滞在をしている人
◆合法・非合法を問わず、継続して14年を超える滞在をしている人
◆労働許可を必要としない職業を有する人、またはリタイアメント査証取得者で4年間の連続滞在実
績がある人。ただし、いずれも過去4年間、年間2万5千ポンド以上の消費実績を証明することが必要。
<一般常識テスト>
永住権の申請者とそのご家族は「Life in the UK」(一般常識テスト)を受ける必要があるとともに、十分
な英語力があることの証明が必要です。
■失効
2年以上イギリスを離れていたり、主な居住地が英国外の場合は永住権を剥奪される場合もあります。
2年以上イギリスを離れていた場合、理由と状況によっては<Uターン定住者.returning redident>と
して再入国し永住することが可能です。
■バイオメトリックカード(永住権カード)
以前はパスポートに貼る査証シール式でしたが、現在は免許証サイズの「バイオメトリック・カード」
が発行され、これが永住権所持の証となります。出国時はカードとパスポートの両方の携行が必要。
■親族呼び寄せ
両親や祖父母、親戚などを呼び寄せる場合、その理由と状況によって入国して1年が経てば永住権を
申請できますが、審査はかなり厳しい状況で必ず永住権を取得できるとは限りません。但し65歳以上
の両親、祖父母の呼び寄せについては優遇措置が図られます。

○市民権(国籍/British citizenship)の取得
過去5年間(英国人の配偶者の場合は3年)合法的に継続居住し、英国永住権取得後1年以上経て
いる人が対象。英語・ウェールズ語、スコットランド語の十分な知識も要求されますが、英国人の配
偶者の場合は不問。ホームオフィスでの審査は早くて6ケ月、何年もかかる場合も多く、実際の取得
は狭き門。



関連情報


○イギリスのEU離脱について
2016年6月、国民投票によってEU離脱が決定しましたが実際に脱退するのはEU手続きを経てからの
数年後以降。といってもイギリスはもともと通貨も自国のポンドを使用。入出国規定もシェンゲン協定
には加盟しないで英国単独での査証規定を採用していることから、EU離脱による経済的波及は大き
いものの、査証や滞在に関係する影響は少ないものと思われます。ただし離脱要因のひとつがEU圏
からの移民労働者でもあるため、労働規制がEU圏外の外国人にもおよぶ可能性があります。


○入国審査時の健康診断書
長期滞在予定者が入国する際、健康診断書(Medical Examination)の提示を求められた場合は、
空港内で医師の診断を受けることができます。数時間待たされるのが嫌な場合は、日本で作成した
胸部レントゲン検査を含んだ英文健康診断書を提出することもできます。


○英語力認定

英国の査証取得には一定以上の英語力が求められる場合があり、移民局の英語力認定に基づい
たレベルが要求されます。
英国移民局/英語力認定リスト

○査証審査期間の迅速化
2010年4月より英国移民局は査証審査のスピード化を実施。移住査証を除く約9割の査証審査期間
は3週間以内、1割の査証審査は12週間以内に行われます。

■スーパープレミアムサービス
2010年4月新実施。24時間以内に審査を行う制度。高額な費用(15000ポンド)の支払いが必要です。

○外国人登録
1998年より日本人は対象外となったため外国人登録は不要。尚、対象となる国の長期滞在者の旅
券には「The holder is required to register at once with the police」というスタンプが押され、入国
から7日以内に居住地の警察にて登録手続きを行います。


○不法滞在・不法就労の罰則

不法滞在時は10年間のイギリス入国禁止措置などがあります。また不法就労が発覚すると雇用主
と雇用者の双方が罰せられ最大5000ポンドの罰金も徴収。不法就労取り締まりは年々厳しくなって
いる状況。

○査証手続代行業者について
移民新法施行によって、2001年4月より移民監督局(Immigration Services Commissioner)に正式
登録していない弁護士またはエージェントは、査証に関する相談や手続きを行うことができません。
尚、悪質な被害の未然防止を目的に、未登録業者などに相談依頼した外国人も罰せられることに
なっていますので、依頼する場合は登録業者であるかどうかの確認が先ず必要です。
また代行費用の目安は、弁護士の場合、労働許可証の新規取得が750〜1000ポンド、同延長手続
きが500〜800ポンド。永住権申請は800ポンドが目安となっています。
弁護士以外のエージェントや会計事務所の場合の料金は交渉次第です。

イギリス移民監督局/ISC

○イギリス連邦国の査証業務縮小
イギリス、カナダ、ニュージーランドといったイギリス連邦国は2010年頃より在日大使館での査証業
務を段階的に廃止。2013年5月には、在日オーストラリア大使館の査証業務が韓国・ソウル大使館
に移管されました。

○日本人バックパッカーの入国拒否背景
片道航空券で入国しようとするバックパッカーが急増。所持金や支払能力証明などの検査が実施さ
れ、その結果入国拒否されるケースも増えています。
■入国拒否された人の入国方法
入国審査時にどんな誤解があって入国できなかったかをイギリス大使館・領事館に説明し、エントリ
ー・サ−フィケートを取得すれば問題なく入国できます。基本的に入国拒否されると記録に残るため、
通常の入国方法では再度入国拒否される場合がありますので注意を。

○オーぺア制度の今
オーペアは英語を母国語としない外国人女性が、イギリス人宅で住込のハウスキーパーやベビーシ
ッターなどによって報酬を得ながら学校に通学できる制度。但し現在ではオーペアとして査証を取得
できるのは東欧の一部の国に限定されています。また日本の留学業者の中には、日本人には適用
されないオーペアを装った<偽りの高額プラン>を販売している場合がありますのでご注意ください。



現地での結婚


○英国での婚姻方法

イギリスでの結婚は次の2つの方法があります。
◆英国教会をはじめとする教会にて宗教上の結婚式を挙げる。
宗教によっては役所での手続きも必要となります。
◆役所(市町村の結婚登記所 marriage registrar)で届け出結婚を行なう。
この場合も儀式が必要で、儀式は役所職員の結婚登記官が行ないます。
また1995年より登記所以外の役所が認可したレストラン、ホテル、集会所などでの結婚式も可能に
なり、この場合結婚登記官2名が出張派遣されます。

○結婚には正式儀式の他にライセンスが必要
ライセンスは結婚前に英国国教会の神父または結婚登記官から与えられ、ライセンスを取得するに
は婚式前に連続3週にわたって日曜日に<結婚予告>を行ない異議の有無を問う必要があります。
結婚予告は18世紀から続く慣習で、これを嫌って教会で婚式しない若者が増加。
また教区の住人でない外国人の場合は<結婚予告>に代わって<宣誓供述書>を提出することで
ライセンスを取得することができます。

○婚姻手続きと婚姻証明書
教会または結婚登記所のいずれの場合も結婚の証人として2名の立会いとサインが必要です。
宣誓とサインが終わって結婚の登記が終了すると、登記所から婚姻証明書(marriage certicate)が
発行可能となります。
また日本大使館・領事館にて婚姻証明書と共に日本の結婚届を提出します。

○日本の婚姻手続き
日本人とイギリス人のカップルの場合、イギリス法による婚姻が成立する前に日本大使館へ婚姻
届を提出しても受理されません。この場合は日本の市町村窓口への直接提出となります。
また日本人が戸籍上の姓をイギリス人配偶者姓に変更したい場合は、婚姻より6ケ月以内に行ない
ます。それ以降の場合は家庭裁判所の許可が必要。
<日本公館への提出書類>
◆日本公館所定の婚姻届 2通
◆イギリスの婚姻証明書(marriage certificate)と和訳(日本公館所定の書式のもの).各2通
◆日本人の戸籍謄本または抄本 2通
◆イギリス人の出生証明書(birth certificate)と和訳 2通
◆パスポートコピーとオリジナル



現地での離婚


○離婚について
結婚してから1年以上経たなければ離婚できません。
また2人の関係が修復できないという証明<irretrievably broken down>が必要。
家出や暴力などの理由の場合は離婚理由に該当しますが、カップルが2人共離婚に同意している
場合は別居が2年に及んでいることが必要で、どちらか一方が離婚を希望している場合は5年の別
居期間が必要となります。
現実には弁護士を介する場合が殆どで、財産や生活補助を求めない場合に限り弁護士なしでの離
婚が認められます。

○イギリスの離婚手続き
法廷の判決がなければ離婚は成立しません。
法廷は先ず条件付判決(decree nisi)を出した後、6週間後に最終判決(decree absolute)を申請
し、判決後ようやく離婚成立となります。
またこの後に地方裁判所または離婚登記所(divorce registry)にて離婚証明書の発行が可能とな
ります。

○日本の離婚手続き
離婚の届け出は離婚成立の日から3ケ月以内に届ける必要があり、これ以降に届け出る場合は遅
延理由書の提出が必要です。また外国人配偶者姓から元に戻す場合は、離婚成立日より3ケ月以
内であれば届け出用紙の提出のみで変更可能です。それ以降の場合は家庭裁判所の許可が必要。
<日本公館への提出書類>
◆日本公館所定の離婚届.2通
◆イギリスの離婚判決文(divorce certificate) 2通
◆戸籍謄本 2通
◆申述書(日本公館作成の用紙に記入) 2通



婚姻査証と関連情報


○未婚パートナー査証/unmarried partner
婚姻を伴わない同居が対象の入国査証。同性愛者も含まれます。
同居相手は英国国籍者または永住資格所持者に限られ、同居相手が現在英国内に居住しているか、
または申請者と同時に英国入国することが必要。加えて、婚姻関係と同様の状態で2年間同居し、こ
れからも永久的に同居する意志があること。住居があり、公的な資金援助に頼ることなく生活を維持
できることが必要です。滞在許可の有効期間は2年間、就労が認められています。配偶者査証と同等
の権利が得られ、永住権申請も可能。

○関連機関
英国出入国管理局/General Register Office

○婚姻関連査証の取得条件に「英語力試験」が追加
2010年11月29日より婚姻関連査証(婚約者査証、配偶者査証、パートナー査証など)の取得には、
規定の英語力証明が必要となる予定。対象となるのは日本人を含む「欧州エリア外」の全外国人。
求められる英語力は「Common European Framework of Reference」という英語規定にてA1レベル
以上。TOEICでは「聴解力及び読解力 120点以上/会話力及び筆記力 80点以上」、英検では3級
以上が該当します。


○イギリスでの出産と子供の国籍

子供を出産すると退院前に必要な書類を病院に提出すると共に、6週間以内に<出生・死亡・結婚
登記所Register of Births, Death and Marriages>に出生届を提出すると、イギリス政府より出生
証明書が発行されます。これを日本公館に持参し出生届を提出します。
また子供の国籍は1983年までは自動的に英国国籍を取得できましたが、現在では両親のいずれ
かが英国の国籍または永住権を所持していない限り国籍・永住権を取得することはできません。
該当する場合は子供が22歳になるまでに日英いずれかの国籍を選択する必要があります。
尚イギリスは二重国籍を認めていますが、日本は認めていないので英国国籍を選択した場合は日
本国籍を放棄する必要もあります。

○イギリス滞在者の婚姻

英国滞在中の長期滞在者が英国国籍者と婚姻する場合は、
Home Officeでの「Certificate of approval」の申請が2005年より必要。取得できるのは、6ケ月以上
の入国査証で入国し、滞在許可の残存期間が3ケ月以上ある人に限られます。査証免除滞在での
婚姻と滞在資格変更は認められていません。

○イギリスの婚約者査証

イギリス国籍・永住権所持者との婚約の場合は、在日公館にて婚約者用エントリー・クリアランスの
申請取得が必要。査証の有効期間は6ケ月。申請は入国後6ケ月以内に結婚を予定していることが
前提となり、婚姻後、現地にて配偶者査証に切り替えることが必要です。就労不可。
<必要書類>
パスポート、婚約者の大使館宛の陳述書、英国で生活を営める経済的証明、英国での住居に関す
る証明、婚姻相手との関係継続を証明する書類、戸籍謄本、写真2枚など。申請料260ポンド。

○イギリスの配偶者査証

英国外で結婚し英国居住する場合、在日大使間にて配偶者用のエントリー・クリアランスを申請。
有効期間は2年間。2年間英国に配偶者と共に住んだ後、永住許可(indefinite leave to remain)
の申請が必要。また、英国を継続して2年以上離れた場合は、この資格は無効となります。
尚、既に4年間の婚姻実績と生活実績を要する場合は永住権申請のための2年間の猶予期間が
免除される場合があります。
<必要書類>
パスポート、結婚証明書、英国で生活を営める経済的証明、英国での住居に関する証明、婚姻相
手との関係継続を証明する書類など。申請料260ポンド。
◆配偶者就労
国際結婚して英国国籍者の配偶者となった場合は就労が認められています。

○同性同士の婚姻を認める「シビル・パートナーシップ法」の施行
2005年12月より、シビル・パートナーシップ法が施行され、同性同士の結婚が認められています。
尚、イギリスは世界有数の同性愛先進国といわれています。

○高齢扶養家族の呼び寄せについて
国際結婚後、永住権または英国国籍を取得した人が、いずれかが65歳以上の親・祖父母などの
親族をイギリスに呼び寄せる場合は、生活を支えることができる資金の所持を条件に家族査証の
対象となります。


○偽造結婚対策

偽装結婚の増加に伴い、イギリスでは婚姻後1年間、毎月1回、移民局に呼び、夫婦別々にインタ
ビュー調査するという方法を行なう場合があります。インタビューで疑いが生じた場合は、本格的な
調査となり、摘発されることになります。