感想 やっと読み終わりました。いや、決しておもしろくないとか、読みにくいとかいうわけじゃないんだけど、なんか当たり前のことをいやに力を入れて書いてるなー、という感じで、ちょっとのりにくかったのは事実。
「人権」というものが、18世紀ヨーロッパの発明物で、べつに普遍的なものじゃないとか、憲法で保障されている「人権」が国家に好きなようにされない権利、という意味で、私人同士の間にはふつう適用しない(もちろん、例外はある)とか、そんなの当然でしょう、というようなことが、世間では大きく誤解されていて、この本の著者たちは、そのあたりにとてもいらだちを感じているらしい。
しかし、山口宏という人はいわゆる「人権派」の弁護士さんだと思ってたので、著者のひとりに名を連ねているのを見て「あれ?」と思ったのだけれど、やっぱりこの中ではひとり異質であった。彼のこの論考を読むだけでも、この本を買った価値はあったというものである。 |