読書ノート 目次

by よんひゃん

被差別部落の青春 心の砕ける音 人権を疑え! 「弱者」という呪縛

心の砕ける音

トマス・H.クック/著 村松潔/訳
購入日  不明
読了日  2001/10/31
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感想
生涯にただひとつの恋を夢見るロマンチストの弟、恋愛など不要とばかり、娼婦のもとに通う現実主義者の兄。だが、この兄弟は、互いに深く愛し合っている。そして、ひとりの女性が現れることで、この兄弟のバランスが崩れ、悲劇が始まる。

ファム・ファタールにされてしまう女性は、やはり不幸なのかもしれない。なぞめいた行動は、好き好んでしているわけではなく、身を守るためのせいいっぱいの擬態なのだ。だが、そこにかえってひきつけられてしまう男性がいる。

過去と現在を行き来して、じわじわと真実をあぶりだしていく手法は、多少かったるい気もするが、ミステリの醍醐味を味あわせてくれる一冊である。


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