初日 |
「住民登録表に記入をお願いします▼」
ハイハイ。
「性別は▼」
・・・とりあえずは、雄、と。
「出身は▼」
・・・東方より来たる、と。
「健康ですか▼」
・・・バリバリです(現実は逆だケド)、と。
「仕事は好きですか▼」
・・・大好きです(大ウソだケド)、と。
「早起きは得意ですか▼」
・・・苦手です、と。こんぐらいマイナスがあってもよかろ。
「運動は得意ですか▼」
・・・まかせとけっ、と。いや、「でぶ」猫でさえなければ、本当だよ。
「声は大きいですか▼」
・・・人並みです、と。ダミ声キライだカラ。
「人付き合いは上手ですか▼」
・・・そこそこです、と。カルイのもウジウジもイヤだカラ。
「名前を記入して下さい▼」
えーと、出てきたカオは・・・前髪長い、細身の美形。
ちょっと線が細くて色白で、神経質そうだケド、まあいいか。採用!
「トウマ・ヒビキ」
漢字で書くと、響・冬麻。魔人の主人公に使った名前だったり。
では、ゆけ! トウマ!! |
船から降りると、シャイアルさん(プルトの宰相様)のお出迎え。
「えー、まず確認を。トウマ・ヒビキ、7歳、男。ですね」
プルトでは、7歳で成人なのだ。
平均寿命は、30歳!
「では、ショルグ(武術)とウルグ(仕事)の選択を▼」
プルトでは、剣術・拳術・魔術の三つの武術と、
海・山・大地の三つの仕事が選択できる。
えーと、
コーク(剣術)と、リム(海の仕事)、と。
「あなたの家は、<リム区東>です▼」
らっき、仕事場が近いや。
家ももらって、いよいよプルト国内に足を踏み入れる! と、いきなり、
「今日は神殿で成人式があります▼」
などという標識が、頭上に浮かぶ。
むろん、真っ先に向かう。
なぜなら、そこで成人したヒトは、自分と同い年(正確には、いっこ下)だから。
プルトの住人の寿命は短い。
なるべく早く、しかも若い恋人を見つけるが吉なのだ。
しかし、自分より下は、まだ未成年で、最低でも1年は待たねばならず、
上は、早死にされる恐れが・・・。
なので、年齢的に理想なのは、成人したてのピチピチのコ♪
というわけで、神殿へ、ゴー!
と、その前に、自分のパラメータ確認。
「性格・・・きちょうめん」
ああ・・・やっぱりか(超納得)。
「速41・体31・心31」
まあまあ素早いケド、体力・気力は低い、と。
しかも、成長に必要なポイントが200〜300と、割と高め。
所持金も、1021プゥ(金の単位)と平均点。色男、金と力はなかりけり・・・か。 |
で、早速神殿へとダーッシュ!
なんだか、神殿へ向かう人数がスゴイ。
そうか、1年の初日は、「コーク杯」のチケット発売日だ。
コーク杯というのは、武術の大会のひとつで、剣術のポイントが高い大会。
そして、武術の大会は、ショルグでの「試合」とは違って、
庶民の娯楽でもあるので、賭けも行われているのであったりする。
ほぼ全国民が買いに走るので、スゴイ混雑。
トウマは、よさげな女のコがいないか、キョロキョロしながら走る。
お前は、「諸星あたる」か!
ビタン! とたんに、降ってきた雪に足を滑らせ、すっころんだ。
よりによって、この大勢の前で・・・。「ストレス」のバーが、ぐいっと上がる。
ちなみに、コレが上がったままでほっとくと、「病気」になります。
もうひとつ、「疲労」のバーもあって、コレが一杯になると、物も持てません。
走ってきてるので、かなり上がってます。
というわけで、神殿に入る前に、照れ隠しもかねて、スミにある泉で水を飲む。
この国の水は名水で、一口飲めば、疲労回復!
さて、元気になったトコロで、
成人したてピチピチの女のコ求めて(ルックスに似合わん行動原理だなあ・・・)、
神殿内へと、ゴー! |
はたして、そこでは成人式の真っ最中。
ご神体の大水晶の前に立つ3人は、
両脇が、宰相のシャイアルさんと、ギタの学舎の先生だ。
そして真中は、この国の評議会議長さん。今回は、「ギレルモ」という名札が頭上にある。
で、彼らに向かい合うカタチでならんでいるのが、今回の新・成人と、その親たち。
とりあえず、議長さんに挨拶、面通しをしたあと、
いよいよ、期待の新・成人たちに、どきどきの目を向ける・・・。
と・・・!
おーのー!
なんと、そこに並んでいた子供たちは、たったの二人。
しかも、ともにオトコ・・・。
ピチピチの女のコは・・・女のコは・・・。
夢、破れたトウマは、しかし己がルックスにかけて、ふさわしい行動をすべく、
希望に燃える若者たちに声をかけて、悠々と神殿を出た。
仕方ない。家も確認したいし、チケットでも買って、帰るとするか・・・。
しぱたたた、と発売窓口に走り、
倍率のなるべく高く、しかし勝てる目のありそうなヤツに賭ける。
では、急いで家のアイテム庫にぶちこんで、伴侶捜しを続けよう(あたるチックな思考)!
しぱたたた・・・走って神殿前広場を抜けようとした、そのとき!
ビタン! またしても雪に足を取られ、激しく転倒。
物を持っているときに転倒すると、それは地面に放り出されることになる。
当然、チケットは、前方の地面へと、転がった。
ひょい。
それは、たまたまそこに通りかかったおっさんに、
まるでパスをしたかのようなタイミングで拾われてしまった。
この国では、落としたモノはみんなのモノ、拾ったモノはその人のモノ、
という法律があったりする・・・。
おーのー!
わずか数10秒の間に、この叫びが2度も出ようとは・・・。
この人生、タダでは済みそうになし・・・。 |