| 外法帖放遊記 |
| 陽……壱話 弐話 参話 四話 |
第参話「白蛇抄」 |
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結局、竜泉寺に泊まることとなった一行(自宅のある藍は除く)。 雄慶の早起きに付合わされた京梧は、彼をクソ坊主呼ばわりし、怒った雄慶と大喧嘩。 あきれて傍観する遼次郎の前で、 現れた時諏佐に、いたずら猫のように叱られる。 いやあ「魔人」だなあ(笑)! その後、召集を掛けられた本堂に時諏佐の姿はなく、 もともとやる気のない京梧は、このスキとばかりに寺を抜け出す。 残った雄慶と遼次郎は、犬神という男への文を届ける任務を請け負う。 その家だと教わった長屋の前で、瓦版屋の女に出会う。 遠野杏花と名乗った彼女は、例の御伽草子な読み売りの製作者だ。 予想通り、突飛な性格で、 今も、江戸を騒がす「蛇紋の奇病」を追って、「取材」中とのこと。 「鬼」がからむらしいと聞いて、興味を持つふたりだが、 とりあえずは、彼女に犬神の居場所を聞き、そちらへと向かう。 家の前にて「犬神の好物」と設定された饅頭を拾ったのは笑った。 その犬神、聞きしにまさる偏屈の人間嫌い。 時諏佐とは知り合いのようで、文の内容は見当が付くし、請け負う気もない、と、 読みもせずに突っ返される。 さらに追い出された二人は、そこで、逃げ出したはずの京梧に会う。 瓦版屋の杏花に、自身の経験談を話してしまったらしい彼にアキレる二人。 と、突然の爆発音。 すわ、鬼関係の事件か――! と思って駆け付けた長屋から出てきたのは、からくり師を名乗る、 「支奴酒門」というけったいな男。 爆発は、実験の失敗だったらしい――。 しかし、シドって……まさか……某Fの付く大作からっ(爆)!? カレに、「式神システム」の種と思われるモノを貰って、いったん竜泉寺へ。 寺に戻って出迎えてくれたのは、藍。 そして、その知り合いらしい、赤毛のムスメ――「桜井小鈴」を紹介される。 ずいぶんしょぼんとしているので、なにか事件かと思いきや―― 「なんだ、この辛気臭え餓鬼は」 「――うるさいんだよ、このへっぽこ浪人!」 バキッ! 鳴り響く拳の音。 豹変した小鈴に、ぶっ飛ばされる京梧。 いわく、「初対面だから、おとなしくしてた」だけ、なんだそうな。 ただの町娘なれど、弓の腕は一流――ということで、 時諏佐が龍閃組に「スカウト」してきたのだった。 藍の持ちこんだ話も、瓦版屋の杏花と同じ―― 蛇の紋の浮き出る熱病の流行、 大蛇の呪いではないかというウワサ話、 そして――患者が、「鬼が来る」の一言を発するというものだった。 どこかに、この「奇病」を操る黒幕が居るのだ。 それも、「鬼」がからむとあっては、「鬼退治の特務機関」は、黙っていられない。 時諏佐が叫ぶ。 「龍閃組、出動!」 いいね、時代劇してるね! 思わず、親指立てて「イェイ!」(by J9)。 小鈴の初陣であり、遼次郎たち他の4人にとっても、 「龍閃組」としては、初活動である! 「大蛇の呪い」の伝説のある、古い大名屋敷に来た龍閃組。 そこで、不気味な「生肉の祭壇」を発見する。 それを見咎めた鬼道衆を蹴散らしたところ、 現れたのは、「御神槌」と名乗る――切支丹の神父であった。 「真実を知る勇気があるのなら、小石川の療養所へ行け」 とだけ言い残して、稲光とともに消える。 その療養所で知った「真実」――それは――。 幕府の切支丹狩り――の名を借りて、 人間をいたぶる悪鬼の所業に喜びを見出した者たちが居たということ。 そして彼は、弾圧どころか嬲り殺された信者たちの、 その復讐のためだけに、 あえて自ら信じる教えに反してまでも、倒幕の戦いを行っていること。 そして、今再び、 弱者――病人たちを狙った、非道な「人間狩り」が行われているということだった! 小石川療養所にて、驚愕の情報を得た龍閃組は、 現地・井上重久邸へと急ぐ。 「この江戸に棲む龍の双眸は、どんな悪も見逃しはしない!」 雄慶の啖呵が、これまた時代劇していてイイ! すっかり「龍閃組」に、乗り気だねっ!? 首謀者の重久を討った彼らは、命までは奪おうとせず(京梧は渋ったが)、 番屋へと突き出さんとする。 しかし、そこに襲いかかる雷撃が、重久の身体を焼き尽くした! 御神槌の仕業であった。 あくまでも幕府と、現代の人心そのものに、不信と絶望を持つ御神槌と、 信じられる者もいるはずだ、という「龍閃組」とは衝突。 そして、鬼道衆の頭目「九角」に貰ったという珠により、 「鬼」へと「変生」した御神槌と、戦闘に。 「復讐なんて、過去に縛られてつまらねえ。 俺たちは今、護りたいものを護るためにだけ、戦うんだ」 という京梧の言葉に代表される「龍閃組」の精神。 そして、世上の汚れは知った上で、なお希望を捨てない遼次郎の強い瞳に、 「珠」を砕かれ、退却する御神槌。 「次に会うときは、こうはいかないよ。次は……」 死ぬまで決着をつける時だ、なのか。 それとも――もっと、わかりあえることもあるかもしれない――なのだろうか。 こうして、「龍閃組」の初陣は終わった。 「蛇の呪い」の祭壇は暴いたし、悪鬼の所業を行っていた頭目は征伐した。 だが、肝心の敵である鬼道衆の幹部どころとは、 徹底的に世界観・価値観の違いを明らかにしただけであり、 勝利でも成功でもない、まだ始まったばかりなのだ。 わかりあえる可能性も、わずかにだがあることを、見つけられたかも知れない―― それだけが、希望の光なのだが。 |
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