>>モドル
 

毎年この時期(6月下旬)に、ワンゲル部では、”新人錬成”って合宿が滋賀県の湖西にある比良山系である。男は30〜40キロ、頑張る人は50キロくらいの荷物を背負って1000メートルくらいの標高差を歩き、また1回生がテント生活の練習したりする、まぁ本番の夏合宿の練習みたいな合宿である。(因みに私は1回の時41キロ、2回の時53キロ、3回の時45キロくらい背負った。ちょい自慢。おかげで、背がちじんだ。

ということで、ある1回生に頑張れメールを送ったところ、”比良山であいましょう!”とか返ってきた。そういや、前に氷ノ山ではむっちゃ見事なタイミングですれ違えなかった。そのときのパーティーにもいた子で、¥と都合さえあえば日本中どこでも行くことの出来る行動力のある俺に対しての挑戦みたいなメールだ。毎年こうやって思いもかけない場所に突然現れて現役部員を驚かすことは1,2度成功してるが、(東北ツーリング北海道東北ツーリング参照)今年は2回実行して2回とも失敗している。今度こそ成功さしたろうということで、一番天気の良さげな月曜日に行くことにした。(俺は基本的には火水金以外は休みで、そこに適当にバイトを詰めている。たまたまバイトがなかったのでちょうどよかった。)

6月25日

この日にどんなコースで歩いているかは知らないので、知ってる奴にメールで問い合わせたところ、ガリバー青少年旅行村〜寒風峠〜鵜川越〜近江高島駅。というコースらしい。地図見ると、バイクで行ける鵜川越まで行って、そこから寒風峠まで歩くといつかは出会うことになりそう。鵜川越は地図上では未舗装と舗装が混在してる林道なんで、舗装が途切れるところまで行ってそこから歩くことにする。

朝(?)1時50分に起床し、パッキングをする。今回の差し入れはパイナップルである。パイナップルとトレッキングシューズ、コンタクトセット、デジカメなどを35リットルザックに詰めリアシートに載せ3時30分出発。2号線、171号線と京都方面向かうときのいつものコース。渋滞なんてあり得ないので快適に走行。一度高槻のコンビニで休憩し、4時半頃京都市内は東寺に到着。

京都。東寺五重塔と大門。朝4時40分。

京都市内の1号線を快調に走り、いつも疑問を感じる東山五条(日本一事故の多い交差点)のオーバーパスは相変わらず二輪通行止めで、ちょっと峠越えで山科。そして161号線BPへ。有料道路になる手前で降りると大津市堅田。そのまま161号線を走り続ける。トラックばっかりだ。富山とか秋田とか遠いところからのも走ってる。湖東走るよりも圧倒的に早いのでさりげに日本の大動脈だ。

琵琶湖と松と161号線。志賀町。朝6時

高島町に入ってすぐに前記の林道へ。ところが走ってみると全面舗装されたばっかりの様で、鵜川越まで登れてしまった。かなり得した気分。落石や落ち葉、小枝が多いので走る方はあまり楽しめなかった。

この時6時半。着替えて速攻入山。まさかもう既に鵜川越過ぎてるとは考えにくいので寒風峠方面へ。地図(昭文社山と高原地図)に(迷)ブッシュと書いてあるところで本当に道に迷ってしまったが7時30分には寒風峠着。コースタイム1時間半らしいが1時間かからずに着く。とりあえづ証拠写真を撮っておく。

寒風峠で。朝7時30分。柄悪〜〜。タンクトップは失敗。虫さされまくり。

ここでしばらく待つとする。前回(氷ノ山)の失敗は帰るのが早すぎた事(後で聞いたところ、計画と逆コースで廻ってて、俺の帰った2時間後に山頂着だったらしい。)なんで、待つという行為が苦手な俺だが2時間半も粘ってみたが、人間は誰一人として来なかった。来た道の蜘蛛の巣の張り具合からして、俺が今日一番の到着者っぽい。どうやら何かが起こったか、教えてもらったコースが違うかのようだ。どうやら今年3回目の失敗だ。やはり、何故パイナップルを持って歩いたのかを考えると空しいモノがあった。この待っていた間聞こえた音は風と鳥と虫の音だけ。湿っているが涼しくてきれいな空気で快適だった。見渡す限り知性のある生命は自分だけ。OBになって一人でこうして山に入ってみて、現役のころには気づけなかった山の良さみたいなのを味わえて幸せではあった。

わざわざ120キロ離れた滋賀県は比良山系まで来て、行ったところが景色何もない寒風峠というのはあまりに寒いので、釈迦岳(1060m)まで行ってみることにする。ヤケ山までは軽い登りで、次のヤケオ山までは一気に300メートル近く登る急坂。両足とも攣ってしまい、動けなくなって”俺帰れんやん!!”とあせるが、ほっといたら治った。まだまだ若い23歳。天気予報は晴れだったのに、晴れるどころか雨降って来てめちゃくちゃ腹立ってくる。ヤケオ山から釈迦岳まではほぼ水平移動で11時過ぎ到着。コースタイム1時間50分のほぼ半分。なかなか頑張った。しかし、飲み物(500ペット一本だけ持っていた。)飲み尽くしたのでここからさらに先の比良ロッジに行けばあるだろうと30分程歩くが、比良ロッジは閉まっていて自販機もなかった。往復1時間を凄く無駄にしてしまった。

ヤケオ山。ガスと木しか見えません。

釈迦岳。この時はこういう気分だった。

比良山系の最高峰武奈ヶ岳。

比良ロッジから琵琶湖遠望

来た道をひたすら戻っていく。登りにさしかかる度に足が攣る。苦しい。しかし、頑張るほかにはあり得ないからただ頑張って歩く。そして、喉が渇き腹が減ってくる。でも、飲み物は持っていない。しかし、パイナップルを持っていることを思い出す。ちょうどナイフも持っていたので食べれる!もちろん食べる。ヤケ山のてっぺんで一つ全部食べてやった。ガスが晴れていい景色の中食べるパイナップルは最初3口くらいまでは最高に美味かった。しかし、食べるにつれ酸味や渋みで口が痺れるわ、繊維が歯につっかかるわで、一つ全部食べるのは苦痛であった。おまけにゴミになる部分から染み出てくる汁でザックは甘い香りになるし、手はベトベトになるし、散々だった。靴擦れが出来てきつい下りに苦しむがどうにか寒風峠に戻り、近くの沢で手や顔やらを洗う。さらに引き返し14時半ようやく鵜川越まで戻る。そして疲れたので道路に寝ころび昼寝。しかし、雨が降ってきて目が覚める。ちょうど15時だし出発する。

林道から琵琶湖

161号線に戻りひたすら流れのままに走る。堅田からはひたすら続く渋滞にウンザリする。気温は31度らしい。動かないと革メッシュなのでとろけそうな暑さ。山の上はガスやら雨だったのに、下界は晴れてて熱いのがすごく腹立つ。このまま京都に行って1号線で戻るも171号線で戻るも大渋滞は目に見えるので、京都東から名神に乗る。1600円で渋滞の苦しみから抜けれると思えば安いものだ。桂川PAで休憩しただけで110前後の流れに乗る。それでも下道に比べれば恐ろしいほどの速さで西宮に着く。高速降りた後はいつも何故かやたらエンジンの調子が良くて気持ちいい。山科で17時だったのに18時には既に帰宅していたのだった。

走行距離236.3キロ

↑概念図