温度、湿度に無神経でいるとひどいことになります。高温多湿はカビと虫をさそい、湿気をすった板は鳴りが悪くなります。極端な高温は変型、分解をまねくので注意。ストーブのそばでひいたりエアコンの風を直接あてる、晴れた日に車に放置するなど論外の事と思って下さい。外にいるときケースに入っていても夏なんかはなるべく直射日光はさけましょう。暑い季節は、あまり見かけ無いですが光を吸収しにくいケースを使うのがいいと思います。私は沖縄に住んでいるということもあって外出時はまっ黄色のケースに入れて持ち歩きます。ヴァイオリンのケースには見えないですがね。
楽器の事2を見て下さい。
どんな弦でも寿命があります。初心者の場合スチール弦かナイロンガットを使う事が多いでしょう。どちらもそれなりに長もちしますが巻きのほぐれなどは弓の毛や指板を傷めたりしますので、ギリギリまで放っておかずとっとと替えましょう。また、古くなると鳴りが悪くなり、力みの原因になりかねないので見た目にきれいでも長く使っている弦は替えた方が良いでしょう。
げんの張り替え時は全部かえるつもりでもかならず取り替える弦だけをはずすこと。全部一度にはずすと表板にかかる圧力が無くなり、魂柱がずれたり倒れたりする事があります。又、E線のアジャスタが表板を傷つけるおそれもあるので注意。
私の生徒でもおそろしく無神経な者もいて弓をゆるめずになおす者がいます。弓は必ずゆるめてなおさないと張りっぱなしではすぐに張力が弱くなり、使い物にならなくなります。こういうあつかい方をしたものを修理してくれるお人好しはめったにいないでしょう。せいぜいヴァイオリンやめろと言われるのがオチなので新しく買った方がまし。しかしこういう不精な人でもグラスファイバーなどの弓ならある程度大丈夫です。少々のラフプレイにも耐えられるものがあるのでお勧めです。
弓の毛は長く使うと摩擦が減り、松やにがのらなくなります。こうなると弦にひっかからくなって音がなりにくくなり、結果よけいな力みの原因になります。毛のキューティクルに引っ掛けて音を出すためそれがはがれてだんだんツルツルになって行くわけです。毛が減ったから替えると思わないように。替える頻度はその人の弾く時間量で違います。又、替えた人の替え方でもかわってきます。例えば張り替えのときクシをいれすぎると見た目はきれいなかわり傷みが早いというようなこともあり、定期的な交換ではなく状態をみてかえましょう。
初心者だからどんな安物でもいいという考え方には賛成できません。出回っている楽器のなかにはヴァイオリンの形をしているだけという粗悪なものもあり、それを使っていることは悲劇としかいえません。そういうものはどう調整してもまともな音は鳴りませんし、ひけばひく程耳を悪くします。最初から良い楽器を使うことはスキルアップにモロに影響するのでくれぐれも粗悪な安物を買ってしまわないように。良い音は技術だけでなんとかなるものではなく、楽器に依存する部分がかなり大きい。良い楽器は自分の技術の向上をしっかり反映してくれるので練習意欲などもわいてきます。粗悪な楽器で出す音は非常にストレスになり、また耳に悪い影響をあたえることで可能性をどんどん下げることにもつながります。最初から長く続けるつもりで少しでも良い楽器を持つようにしましょう。
当サイト内、楽器の事1、fiddle、を参考に以下の事に注意
長く使うつもりなら表板のプレスものはやめる。付属的な部分、ブリッジや指板は交換はたやすいがなるべく基本的なマテリアルがのぞましい。サイレントヴァイオリンはおもちゃ程度に考える事。これでうまくなろうとは思わないように。量産品でも1本1本違いがあるのでひいてみる。弾けないなら弾ける人に弾いてもらうか少なくとも弦をはじくなどして音を出してみる。それをさせない楽器屋なんかで買ってはダメ。なるべく後々のメンテの事や調整された楽器を選ぶ必要があるので専門の楽器屋を探しましょう。量産の中古なんかでいいのがみつかることもあります。
メーカーとしては国産、ヨーロッパの量産メーカーが無難といえば無難。絶対大丈夫なわけではないので結局現物を触ることが大事。最低ラインとして新品で7、8万から10万ぐらいは出して欲しいところ。中古で5、6万というところですか。何十万と出せるならそれに超したことは無いですが。私の生徒なんかには知り合いから2万ぐらいで買ったスズキやヘフナーの古いのがすごく良かったりという事もあります。それではがんばって探して下さい。関西、沖縄なら紹介できる楽器屋があります。
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