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センター試験解説
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東進ハイスクール地学の解説(1/20ごろ公表)は、このページを元に書き直したものです。

●第1問

問1
 星は、寿命の大部分を主系列星として過ごす。寿命の末期に赤色巨星となり、さらにその後、白色わい星になったり、超新星爆発をおこして中性子星やブラックホールになる。
 種族Iは比較的若い(新しくできた)星の集団で、HR図をつくると大部分の星が左上から右下に並ぶ。種族IIは古い星の集団で、大質量・短寿命の星が赤色巨星になっているため、HR図は左上に星がない。
 銀河系のようなうずまき銀河では、円盤の部分で次々に新しい星が生まれている。中心のバルジの部分や、球状星団では新しい星は生まれていない。
→正解は3
問2
 太陽の光球部分は高温のため、連続スペクトルの光を出している。その光が観測者に届くまでのあいだに一部が吸収されるため暗線(吸収線)が観測される。さて、太陽の内部では水素がヘリウムに変わる核反応がおきているだけであり、ナトリウムなどは生産されていない。また、太陽風の吹き出しのため、外の宇宙空間からの新たな物質の供給はない。
→正解は4
問3
 赤色巨星になるんだ。
→正解は2

問4
 中性子星の直径は10kmぐらい。という知識問題としてやっつけるのも悪くはない。
 白色わい星は、太陽程度の質量のもので地球程度の直径。中性子星はもっと小さく、高密度。ってことでまず4ではない。数百分の1秒の周期で自転となると、かなり小さくないと無理がありそうだな、ってことで1を選ぶ。というのも悪くはない。
 でもよく見れば、問題文の中に数字があるじゃん。これで素直に計算しよう。(2×1030)÷(1017)=(2×1013)m3つまり2×104km3。で、直径10kmの球の体積はざっと5×102km3、100kmならその1000倍の5×105km3。迷ってしまうところだが、「密度が1017以上」というのだから、2はないな、と判断できる。
→正解は1
問5
 ケプラーの第3法則の応用。惑星の質量は考えなくてよいので、惑わされないように。公転周期の2乗と平均距離の3乗の比は等しいよということで、(0.363)/(662)=(R3)/(992)という式が立つ。これを、左辺にRがくるように変形する。
→正解は1
問6
 1は「分子雲」というヤツだね。2は核反応が始まる前の星のことだね。3は逆に紫外線だね。熱いものが出す光は、熱ければ熱いほどピークの波長が短くなって、可視光線の領域では青(紫)っぽく、逆にぬるいものは赤っぽく光るんだったね。もちろん、うんと熱かったりうんとぬるかったりすると可視光線の範囲から出てしまうわけだ。
→正解は3


●第2問

問1
 二酸化炭素などの温室効果ガスが吸収するのは赤外線。温室効果ガスにはほかに水蒸気、メタン、フロン(クロロフルオロカーボン)などがある。ちなみに紫外線を吸収するのはオゾンで、オゾンを破壊するのはフロン。フロンは両方で大活躍。(活躍じゃないってば)
→正解は5
問2
 対流圏では平均して100m上るごとに0.6℃の割合で気温が下がるんだったね。
→正解は1
問3
 5.5kmごとに半分ってことは、11kmでは4分の1。気圧ってのは、それより上にある空気の重さなわけだから、つまり11kmから上には、4分の1しか空気がないよってことになる。
→正解は4

問4
 月に近い部分は月の引力を強く受けるので海面がもりあがる。反対側は、月の引力による引きつけが弱いので、遠心力の影響が強く出て海面が盛り上がる。
→正解は5
問5
 1は正しい。もし月が近くにあればその引力の影響が大きくなるのは当然。
 2は間違い。地球が西から東に(北極上空から見て反時計回りに)自転しているのだから、その地球を基準にすれば、東から西へ移動することになる。
 3は正しい。
 4も正しい。もし地球と月の位置関係が変わらないなら、潮汐の周期は地球の自転周期のみで決まり、正確に12時間ごとになるはずである。実際には月と地球の位置関係が変化するのでそれにしたがって満潮・干潮の位置が変化する。
→正解は2
問6
 1について。引力(万有引力)は、双方の質量の積に比例し、距離に反比例する。月は確かに小さいが、近くにあるので、潮汐への影響は太陽よりもむしろ大きい。
 2〜4について。月の影響で海面が盛り上がる部分と太陽の影響で海面が盛り上がる部分が一致したとき大潮になり、打ち消し合う関係になったとき小潮になる。
→正解は4

●第3問

問1
 極半径の方がbになってる教科書が多いかもね。ま、単純な知識問題。
→正解は2
問2
 「平均海水面とその延長面」がジオイドの定義。ただし、実際の平均海水面は海流が原因で海面が盛り上がっているが、これは差し引いて考える。「ほとんど」の一言はこの部分のことである。
→正解は3
問3
 静水の水面は常に重力に直交する。海は巨大な水たまりであるから、その平均水面であるジオイドは、当然重力に直交する。
→正解は4

 ハワイと天皇海山列だね。ちょっとアレンジしてあるけど。
問4
 チムニーは、中央海嶺などにある熱水噴出口。溶岩ドームは、粘性が大きいマグマの噴出でできる地形。カルデラは、火山の噴出後に陥没してできる地形。
→正解は4
問5
 落ちついて考える。
 4000万年前、◎地点でb火山が噴火し、4000万年かかって現在の位置に移動した。よろしいね。
 4000万年前、c火山はどこにあったんだろう?b火山の北1000kmの位置だ。では、5000万年まえから4000万年前までの間、c火山はどのように移動して行ったのだろうか。
 (落ちついて考える。なんて書くまでもないんだが、以前某高校の期末試験にこれそっくりの問題を出したら全滅に近かったことがあるもんで)
→正解は2
問6
 海洋底の深さは、中央海嶺付近で浅く、中央海嶺から離れるに従って深くなる。これはプレートが冷えるにしたがって密度が大きくなり、また裏側にアセノスフェアのカンラン岩が付着する事によって重くなるためである。
 火山島の頂部は、海面上にある時は風雨による浸食を受けるし、水没直後は波による浸食を受ける。しかしその後はほとんど浸食されることがないので1を選ぶのは適当でない。また、選択肢4のような崩壊は、海溝に沈み込む直前に発生することがある。
→正解は3

●第4問
 図(b)(地形の東西断面)に惑わされがちだけど、南北断面を想像して考える問題。
問1
 褶曲は、上の面が向かい合う形のが「向斜」、上の面がそっぽを向いているのが「背斜」。
→正解は4
問2
 断層の東西とも砂岩層が2カ所に表れていて、その距離は東西で同じであると読みとれる。したがって、断層は上下方向には動いていないと判断できる。
→正解は4
問3
 第三紀と三畳紀を間違えないように(んなヤツぁいないか)。
 三葉虫とフズリナは古生代、アンモナイトは中生代の生物。
→正解は1
問4
 95ページの余白をつかって南北の断面図を描いてみること(その際、水平方向と垂直方向の縮尺を必ず同じにすること)。A・B両地点は砂岩層に近く、泥岩層の厚さ(「図1aの範囲内で各地層の厚さは変化しない」と書いてある)を考えると、そこに凝灰岩層はないと判断できる。
→正解は3
問5
 鍵層って何?という基本的な知識問題。
→正解は1
問6
 岩脈は断層で切られているから、断層より岩脈が先。岩脈は褶曲で曲がっていないから、岩脈より褶曲が先。
→正解は5

●第5問

問1
 上部地殻は花崗岩質、下部地殻は玄武岩質。マントルはカンラン岩質。カンラン岩が部分溶融すると玄武岩質マグマができる。
→正解は2
問2
 中央海嶺では、プレートが割れているためその下の岩石にかかる圧力が低下する(地下の岩石にかかる圧力ってのは、つまりその上に乗っている岩石の重さだからね)。そのため、条件が図の左へ向かって変化することになり(細かいことをいうと、図の左へ進むと同時にやや下へ進むことになるのだが)、部分溶融を起こすことになる。
→正解は3
問3
 海溝に近いところはどこだろう。
→正解は3

 図をよく見て、よく考えろって問題だね。落ちついて考えるべし。
問4
 カリウムが5%以上の地域は、ほとんどが花崗岩地域だね。花崗岩地域以外にも少しあるけど。
 せっかくだから、「地殻熱流量」のところで、「大陸地域は花崗岩に含まれるカリウムが放射性壊変を起こして発熱するので…」なんてのが出てきたことも思い出してもらいたかったんだが、どうだろう。
→正解は1
問5
 ウランも花崗岩地域に多いことが読みとれるね。しかも花崗岩体の中心付近に多いようだ。地下の岩体は周囲から冷えてゆくから、ウランはなかなか結晶に取り込まれず最後までマグマ(液体部分)の中に残っていたことがうかがわれるよね。
 この花崗岩質マグマが結晶分化作用でできたものか、地殻物質の部分溶融でできたものかはこの図から判断できないけれども、もし1だったら玄武岩質の部分にこそ濃集していないとおかしいよね。
→正解は2
問6
 こんどは玄武岩質の部分に多い元素。つまり有色鉱物に多い元素。
→正解は4