このページでは私が使用しているお気に入りのタックル&フィッシングギアを紹介しています。
道具からはその人のフィッシングスタイルやフィッシング歴、性格がはっきりと伝わってくるものです。 そして道具と共に歩んできた人生さえも物語ってしまう、道具とはそういう物だと思います。 だから道具に対してこだわりを持ち、自分のお気に入りの道具たちに愛着を持って接するのだと思うのです。 使い込まれた道具は体の一部となり、そのうち何かを語りかけてくる・・・ 一緒に流れに立つ度に思い出が刻まれてゆく気がします。 私の道具たちはようやく私の体の一部になり始めたものばかりです。 ごゆっくりご覧ください。 |
ロッド | リール | アクセサリー | フィッシングギア | ロッドビルディング | |||||
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Cリールシート、コルクグリップ、トップガイドを接着します。
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接着の前にまず、リールシートとコルクグリップの成形や内径調整をします。
今回購入したのはウッドブロックといって一切加工されていない単なる円筒形の棒なので、そこからリールシートの形に成形しました。 スリップリングやエンドキャップの内径に合うように旋盤を使って外側を削ります。 そしてリールフットがのる部分は彫刻刀で削り、持っているリールすべてに合うように成形しました。 最後に紙ヤスリを使って表面を滑らかし、木目をはっきりと際だたせます。 紙ヤスリ掛けは丁寧に行い、#400→#600→#800→#1200と徐々に目を細かくしていきます。 一応今回購入したウッドブロックは防水樹脂を染み込ませる防水処理が施されていましたが、表面を艶消しにしたい!そして保険の意味も込めてニス塗装をしました。 木目もよりいっそう際立ち、艶消しのいい感じに仕上がったのですが一つ問題が発生しました。 ニスを薄めて何度も重ね塗りをしたので、スリップリングやエンドキャップ、フィニッシィングリングが入らなくなってしまったのです。 今度は表面のニスを紙ヤスリで磨くハメになってしまいました。 一応確認しながらやったのですが・・・ 最後にスリップリングをリールシートに通し、エンドキャップ、フィニッシィングリングをエポキシ接着剤で接着します。 次に内径調整ですが、リールシートはブランクの外径ギリギリかほんの少しだけゆるめ、そしてコルクグリップは少しきつめにすると完成時の使用感が上がります。 特にコルクグリップの内径が大きすぎるとグリップ上部に隙間ができてしまい、グリップからブランクが斜めに延びるという悲しい状態になってしまいます。 多少のゆるみはタコ糸を巻いてスペーサー代わりにすることで対処できます。 内径調整のついでにコルクグリップのエンド面を内径よりも少し大きめに浅く凹型に削って(穴を開ける)おくと、リールシートとコルクグリップ間の接着剤の液溜まりになるので接着剤を拭き取る手間が省けてきれいに仕上がります。 ワインディングチェックを付ける場合は、ここでコルクグリップの先端部をヤスリで平らに削っておきます。 あまり削りすぎると見た目が悪くなるので、チェックを通して確認しながら作業を進めると良いです。 内径調整が終わったら接着です。 接着の前にコルクグリップの先端部の位置をブランクにマーキングしておきます。 こうすることで過度の接着剤のはみ出しを防止できます。 エポキシ接着剤の2液は等分量でしっかり混ぜ、グリップとなる部分にたっぷりとそれでいて多すぎないように塗布します。 まずリールシートをバットエンドの方から入れ、上下に擦って内部に接着剤が行き渡るようにします。 固定する際にはブランクのガイド取り付け面とリールシートのリールフット面が一直線になるように合わせます。 次にコルクグリップをティップの方から入れ、同様に上下に擦って接着剤をまんべんなくなじませた後固定します。 はみ出した接着剤を布やペーパータオルで拭き取ります。 場合によってはノンシモンやジッポーオイル等の溶剤を使って接着剤をきれいに落とします。 溶剤を使うとブランク表面の塗装が剥げたり、メーカーロゴが消えたりするので注意しましょう! 以下にリールシートの種類とグリップの種類を簡単にまとめてみました。 リールシートの種類について
ワインディングチェックを取り付ける場合も同様です。 ロッドとコルクグリップの先端部との間に隙間ができているようであればエポキシ接着剤で埋め、ブランクに付いた接着剤をきれいに拭き取った後、ワインディングチェックのグリップと接する面に接着剤を着けて張り付けます。 |
Dガイド、フックキーパーを削って整形します。
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市販されているガイド類はガイドフットを荒く平らに削っただけのものがほとんどです。
このままブランクにラッピングできないことはありませんが見た目に美しくなく、ラッピング作業がしづらくなってしまいます。
ラッピングを美しく、効率よく仕上げるためにはガイドフット先端部を加工してテーパーを付けておく必要があります。
まずニッパーを使ってガイドを上から見た時の先端部の角を落としておおまかなテーパーを付けます。 テーパーを付けた部分をヤスリで削って形を整えた後、今度は横から見た時の先端部の段差をなくすようにヤスリでテーパーを付けます。 これはラッピングの時にブランクとガイドの段差をなくし、ワインディングスレッドをガイドに載りやすくすることで密にきれいに巻き上げるための下準備です。 ※低番手ロッドのティップ側に近いガイドは取り付ける部分のブランクも細いので、普通よりも細く、薄目にテーパーを付けると段差が目立たなくなりよりきれいに仕上げることができます。 ただし削りすぎには注意しましょう。 またガイドの裏面にもバリがでます。 このままですと大事なブランクに傷を付けてしまうので裏面もヤスリがけしてバリを取っておきます。 また先端部が尖った状態だと同様にブランクを痛めてしまう可能性があるので丸めておいた方がいいと思います。 (ここまでの作業は「ヤスリを使って・・・」と書きましたが、ガイドは結構硬質な素材でできているので実際にはかなり面倒です。 グラインダーやリューターが使える環境があればそちらの方が断然楽で早くできます。 私も会社の工作機器を多用させてもらいました。) 最後にダイヤモンドシャープナーなどの仕上げ用ヤスリを使って表面及び裏面を滑らかにします。 次にガイドの調整です。 上から見たときにガイドフットの両端が一直線になるように、そしてガイドを平らな場所に置いたときにガイドフットと平面との間に隙間ができないようにペンチ等で修正を加えます。 |
Eガイド、フックキーパーをワインディングスレッドで巻き止めます。
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まず上で仮止めしたガイドの位置と向きを再確認します。ラッピング後に微調整できるのでだいたいでいいと思います。
これからスレッドを巻こうとする側の仮止めしたマスキングテープを剥がします。
そして物差しやノギスを使ってラッピングスレッドの巻き幅を決め、巻き始め位置をマスキングテープでマーキングしておきます。
巻き幅は好みで決めて構いませんがいろいろなロッドを見ると、一般的にはガイドの先端部から約5mm程度を巻き始め位置にするようです。
ここからいよいよラッピングに入りますが、私の場合ガイドのラッピングにも飾り巻きを施したのでその過程も紹介します。 ラッピング作業にはラッピングベンチというブランクを乗せる台があると便利ですがいくらでも代用品があります。 私はミカンの空き箱にV型の切れ目を入れた台とホームセンターでDIYした簡易ラッピングベンチを使いました。 以下、飾り巻きのやり方です。
巻き数が少なくラッピングしたスレッド自体にテンションが掛かっていないため、ちょっとしたことでスレッドがほつれてしまいます。 慎重に後の本巻きを行いましょう。 次に本巻きのやり方です。 基本的には飾り巻きと同じです。
私はここで「ほんの少し妥協」してしまったため、後でえらい目に遭うことになってしまいました。 とにかく失敗したと思ったら何回でもやり直すこと、これがロッドをきれいに、そして余計な手間を掛けずに仕上げるための近道だと思います。 すべてのガイドを巻き止めたら、トップガイドを基準にしてガイドのズレを修正します。 最後に、ボトキンなどの太い金属の棒でスレッドの表面を軽く擦ります。 こうするとスレッドが平らにつぶれてスレッド間の隙間が目立たなくなります。 |
F巻き止めたスレッドにエポキシコーティング処理を施します。
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コーティングの前にまずカラープリザーバーを塗るかどうかを決めます。
カラープリザーバーはスレッドの色をできるだけそのまま出したい場合に、コーティングの前処理としてスレッドに塗るものです。 カラープリザーバーを塗らないとコーティング剤がスレッドに染み込んで思った以上に色が濃くなり、半透明になります。 最近はこの半透明がはやりだそうで、私もカラープリザーバーは塗らないことにしました。 そしてカラープリザーバーは基本的に接着力の強いコーティング剤ではないので、最初にスレッドに塗ってしまうと強度的に問題がある云々という話があるようですがあまり気にしなくても良いようです。 コーティング塗料にはエポキシ系とポリウレタン系があり、それぞれ一液性と二液性があります。 一般的にはエポキシ系を使うようですが、初めて使うにはニス感覚でコーティングできる一液性のポリウレタン系の方が手間がかからず、乾きが早く扱いやすいようです。 今回は佐々野釣具店の店員さんの勧めで、二液性エポキシ系のフレックスコート社のライト・フォーミュラースーパーキットを使うことにしました。 「塗装膜の美しさと優れた耐久性」がウリだそうです。 「ロッドメーキングツール一覧」にも書きましたがスーパーキットには注射器2個、ミキシングカップ、攪拌棒、ナイロンブラシが付いていてお買得です。 A・基液と B・硬化剤をそれぞれ注射器で正確に等量取り分け、ミキシングカップに1:1で混合します。 多すぎてももったいないし、少なすぎると足りなくなる可能性があるので注射器の1/2を目安に取り分けるといいと思います。 B液が少しぐらい多くても時間がたてば硬化しますが、A液が多いのは絶対に避けましょう。 硬化するどころか、いつまで経ってもベタベタのままです。 さらにエポキシ薄め液を加えてゆるゆるの状態にします。 こうすることで一回目のコーティングでコーティング塗料がスレッドにしっかり浸透するそうです。 混合したは攪拌棒を使って気泡ができないようにゆっくりと静かに十分攪拌します(3分ぐらい)。 それでも気泡ができてしまうと思うので5分から10分ぐらい、気泡がなくなるまで待ちます。 あまり待ちすぎると今度は硬化して粘りが出てきてしまうので注意してください。 もし作業中に硬化が進んでしまったらドライヤーなどでカップの下から熱を加えるとすぐに柔らかくなります。 しかし熱を加えると硬化がより促進してしまいますので最終手段にしたほうがいいです。 いよいよ塗装です。 まず周辺環境を整えましょう。
一回目のコーティングが終わったら、シールの剥離紙(シール等を剥がした後の紙)のツルツルした面でロッドを回しながらコーティングした部分を平らにならし、余分な塗料をできる限り取り除きます。 こうすることで塗料を薄くきれいに重ね塗りできるそうです。 この作業は塗装後30分以内に行ってください。 それ以上経ってから作業をする塗料が偏ったり、シワが寄ったりしてしまいます。 この後、30分ぐらいロッドをゆっくりと回転させ、片寄るのを防ぎます。 私はフライのビデオを見ながら手で回転させましたが、ロッドモータがあればこの作業は非常に楽になります。 それから15分に一回程度、45°ぐらいずつロッドを回転させ、様子を見ます。 3〜4時間するとほぼ硬化するので、後は放置してしっかり乾燥させます。(夏期なら1日、冬期なら2日程度) 一度目のコーティングが完全に乾いたら二度目を塗る前にスレッドの細かい残り毛やほこりなどが付着していないかチェックします。 もしそれらが付着していたら完全に取り除きましょう。 二度目のコーティング塗料にはエポキシ薄め液を加える必要はありませんが、私は重ね塗りで薄くきれいなコーティング皮膜を作りたかったので二度目以降も少し薄めて塗装しました。 二度目以降のコーティングで失敗したらエポキシ薄め液やラッカー系シンナーで乾燥前の塗料を取り除くことができます。 今回のロッドビルディングで最も悔やまれるミスをしたのはこの段階でした。 ガイドをラッピングし、スレッドを最後にカットしたときの残り毛がコーティングによって想像以上に目立ってしまったので、残り毛の出っ張りをある程度ナイフでカットしてコーティング塗料の重ね塗りでごまかそうとしました。 でも、その「ある程度」の適当さが原因で最後まで出っ張りの影響が残ってしまいました。 おまけにどうしても出っ張りがうまく取り除けないラッピング箇所があったのでエポキシ剥離剤で塗料を落として再度ラッピング&コーティングしようとしましたが、なんと剥離時間を取りすぎてブランクの塗装まで剥離させてしまったのです。 剥離した部分がちょうどティップセクションのスリップオーバーフェルール位置にあるガイドフットの間の部分だったので、フェルール部の強化も兼ねて(というかごまかして)ガイドフットの間もコーティングしてしまいました。 性能には影響はないとは思いますが、さすがに焦りました(^_^;)。 お粗末な限りで反省しています。 やはり「ラッピングの段階で納得のいく出来の仕上げること」が美しいロッドに仕上げるために最も重要なことだと思います。 結局塗装も4回行い、皮膜が少しだけ厚くなってしまいましたが、まあまあの出来に仕上がりました。 |
Gネームを入れます。
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ネーム入れにはレタリングペンセットとホルベイン・ドローイング・インク(白)を使いました。
ブランクの表面はツルツルしているのでそのままペンを入れてもインクがはじいてうまく書けません。 まず、ネームを入れたい範囲を残すようにマスキングテープでマスキングし、その部分を#1200以降の紙ヤスリでブランク表面を軽くこすって傷を付け、インクをのりやすくします。 混ぜたままのインクだと非常に薄く、下のブランクが透けて見えてしまいます。 そこでインクを十分かき混ぜ、新聞紙の上に垂らして余分な水分を吸収させます。 こうすることでいくらかインクが濃くなりブランクに書いても透けなくなります。 また必要な量だけインクをペン先に付けて書くことができます。 失敗してしまったら濡らしたタオルでふき取るときれいになります。 紙に納得がいくまで練習して、うまく書けるようになったらブランクにネームを入れましょう。 でも紙は平面でブランクは曲面、紙に書いたようにうまくは書けません。 そして思ったようにブランクにインクがのってくれません なかなかブランクにインクがのらないからと言って、ペン先をブランクに押しつけるとブランクに傷が付いてしまいますので注意しましょう。 今回はラミグラスのロゴが少し削れてしまい格好悪かったので、すべてジッポーオイルで消して書き直しました。 私の場合、次のようにネームを入れました。 「Lamiglas 6' 6" #3 line最後にネームの幅に合わせてマスキングテープを巻き、ゆるめにしたエポキシ塗料でコーティングして完成です。 ネームを入れると「世界で1本だけの自分だけのロッド」という意識が芽生えてきてとても愛着が湧いてきました。 これでロッドは完成です。あとは保険の意味も込めて一週間ほどしっかりと乾燥させましょう。 |
使用感、感想など
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ラインをのせて早速試し振りしました。
初めてのグラスロッドは今まで使用してきたカーボンロッドと違いスローなアクションですが、ただ柔らかいという感じではありませんでした。
粘りがあり、結構トルクがあります。
ワイドループにしてバット部でラインを運ぶようなイメージで振ると結構ラインが出てくれます。
振り方にも問題があるでしょうが、ラインが伸びきるまでしっかり待ってやりワイドループにしないとライン同士がぶつかってしまいます。
カーボン振りに慣れてしっまっているとなかなか思うように振れません。
ちゃんと練習しないといけませんね(^_^;)
実釣キャスティングレンジはだいたい15m以内というところです。 先日、初めてこのロッドで魚を掛けました。 約20cmのヤマメだったのですが、ロッドの曲がりのすごいこと!! たった20cmのヤマメなのにコルクグリップの根本からロッドが弓なりにしなっているといった感じです。 これが30cm〜40cmクラスだったらと思うとワクワクする反面、不安になってしまいます。 釣り味・魚とのやりとりは最高なのですが、取り込みに無駄な時間がかかってしまうのはちょっと悩みの種です。 でも、自分で作ったロッドで魚を掛ける、これは何とも言えない喜びがあります。 初めて自分でタイイングしたフライで魚を釣ったとき以上に興奮しました。 初めてのロッドビルディングにしてはなかなかの出来だと思っています。 今回は勉強のつもりでわざと手間を掛けて、難しいことにも挑戦してみました。 リールシートの加工から飾り巻きを含めたガイドラッピング、ネーム入れとほとんどの作業を自分でやったので結構慣れました。 でもやっぱり飾り巻きとエポキシコーティングは難しいかったです。 今度作るときは今回のロッドビルディングを応用してもう少しやり方を改良し、よりきれいにそして簡単にできるようにしたいです。 道具もちゃんと揃えたいですしね。(ロッドモーターがあればもう少し楽にきれいに仕上がったりするんだろうな、きっと) また新たなフライフィッシングの世界にはまりそうな予感です。 さあ、次はどのブランクでロッドを作ろうかな(^_^) |
こんな感じに仕上がりました
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