追記:奄美産のヌマエビ類

奄美産のヌマエビ類

 某観賞魚店のウェブページで「奄美産の“ミゾレヌマエビ”を入荷」というのを見つけ,行ってみました。以前(別の店ですが)“リュウキュウミゾレヌマエビ”の名で本物のミゾレヌマエビが売られていたことがあったので,奄美産ならミゾレかも?と期待したのですが,残念ながらヌマエビのほうでした。琉球列島にもヌマエビ小卵型(南部群)がいるのですね。特に理由もなく,少ないんじゃないかと思ってました。ただし,今まで飼った小卵型に比べて斑点も大きく目立つ綺麗なエビで,これはこれで気に入りました。ヒメヌマエビも飼うのは久しぶり。

ヌマエビ小卵型(南部群)

 “ミゾレヌマエビ”の名で売られていましたが,これもヌマエビのほうでした。下の写真では,ヌマエビ属の特徴である発達した外肢(だと思われるもの,1%ほど自信なし)が,歩脚の付け根から出ているのがよくわかります。ちなみにさらに後ろから出て前に伸びているのは第一腹肢(腹から出て泳ぐ時に使う足)のようです。紛らわしいですが,出ている場所に注意すれば区別できるかと思います。

 脱皮殻より,眼上棘も確認できました。3cm近い大きめの個体なら,見慣れてくれば肉眼でも識別可能です。ヌマエビ属とヒメヌマエビ属(ミゾレヌマエビを含む)との区別点はこちらを参照のこと。
 →「ヌマエビ属とヒメヌマエビ属の区別点」

 以前買っていたヌマエビ小卵型(“ミゾレヌマエビ”として流通)に比べると黄色い斑点がより目立つような気がします。特に高知県物部川で採集した個体と比べると顕著です。

 なお今回入手した10匹の中に,抱卵個体や発達した卵巣を持った個体はいませんでした。今まで何回かヌマエビ小卵型を入手(購入または採集)したのですが,そういった雌個体を得たことがありません。どうしてでしょうか?

 裏から見ると,わりと普通のヌマエビですかねえ。水槽に入れて2週間後はこんな感じ。斑点が大きいせいか,他のヌマエビ類に比べて水槽内でもよく目立ちます。

 → ヌマエビ小卵型(南部群)

ヒメヌマエビ

 本州・四国では数が少ないですが,*1) 奄美以南ではまだまとまって採れるようです。縦ラインが入るタイプと横縞が入るタイプが半分ずつ。どれも体長1cmほど。卵を持っている個体はいませんでした。水草に掴まっていることが多いです。家に持ち帰った時点でほとんどの個体が水草に付いていました。

*1) 以前住んでいた高知県西南部でもたまに採れる程度でしたが,1カ所だけ足摺方面の河川で,そこに行けば必ず採れるという場所がありました(ただし10年以上前の話なので,今はどうなっているか...)。近所の人がたまに網で掬って食用にしていたようです。ちょっともったいないような気がしました。

 水槽に入れてからは赤が濃くなりました。昼間は隠れていることが多いような気もします。たまに表に出ている場合でも,たいていマツモか流木などに付いています。

 追記: 60cm水槽に他のヌマエビ類と一緒に入れていた個体は,いつのまにか姿が見えなくなってしまいました。同様に物陰の好きなトゲナシヌマエビとの競争に負けたのかもしれません。この種だけの単独飼育がよいようです。

 → ヒメヌマエビ

2007年8月10日作成,2008年1月16日追記

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