はじめに
この文書は、枯草章吉さん制作のRPG「Ruina -廃都の物語-」の感想です。ネタバレになりそうな記述は避けているので、未プレイの方が読んでも問題はありません。……たぶん。
感想
探索の各場面が雰囲気のある文章で描写され、気持ちよく物語に入りこめます。特に終盤の展開には背筋がぞくぞくしました。神話や叙事詩、小説など(というか、それらを元にしたゲームブック?)のモチーフをうまくアレンジして物語に取りこんでおり、そのへんも楽しめます。「指輪物語」は好きですか? あと、トゥルーエンドには泣いた。
シナリオの本筋が重苦しく暗いイメージである一方、脇道にそれた部分はいろいろと腹筋がやばいです。世界観が崩壊するんじゃないかってぐらい、ぶっとんだ場面も多々あり。なんでこんなに変なのが多いんだ(笑)。長く探索を続けてると閉塞感で息苦しくなってくるので、よいガス抜きになってる感じですね。
グラフィックは高品質。セピア調の絵柄が作品の雰囲気によく合っています。キャラクターの顔グラフィックもいい感じですね。男性は渋く、女性はかわいいです。
BGMの選曲も見事。ただ、料理をすると状況に関係なく呑気な音楽が流れるのはやめてほしかったなと。
ダンジョンの探索ではSPをまとめて稼ぐため、事前のパーティー編成をよく考えた上で消耗を抑えつつ進む、というのが楽しいです。回復アイテムを多めに用意すると、ほとんどペース配分を考える必要がなくなってしまいますが……。要領がわかっておらず、アイテムも揃っていない序盤が、もっとも難易度の高い時期という気がします。
ボス戦は、こちらが与えるダメージが能力強化や耐性低下で跳ね上がるのに対し、ボスのHPが不釣り合いなほど低いので、ほとんど瞬殺です。無駄に長引くのも退屈ですが、これはちょっと拍子抜けでした。戦っていて怖さを感じたのは、書物などで事前情報を得られないボスのうち何体か、といったところ。あまり警戒していなかった敵から、いきなり大ダメージを受けたときが一番怖いです(というか死ぬ)。
仲間になるキャラクターは、ほとんど全員に好感が持てました。最初は興味のなかったキャラクターも、実際に仲間に加えて会話してみると、どんどん愛着が湧いてきます。特定の組み合わせでしか見れない会話もあって、これがまたおもしろいです。意外な人同士が仲良しさんだったりして笑えます。あと、エンダかわいいよエンダ。
「Ruina -廃都の物語-」の基本データ
- タイトル
- Ruina -廃都の物語-
- 対応OS
- Windows 98/98SE/Me/2000/XP
- ジャンル
- ロールプレイング
- 価格
- 無料
- ファイルサイズ(展開前)
- 12,915,572 Bytes
- 制作
- 枯草章吉
- 公式サイト
- http://blackhat.a.la9.jp/ftotfr/game.htm
- 制作ツール
- RPGツクール2000VALUE!
- 動作に必要なソフトウェア
- RPGツクール2000 RTP
- ダウンロード
- http://www.freem.ne.jp/game/win/sdg02037.html