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関富士子未刊詩篇より
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まつぶがあき缶にかんからかんかんかん



めだかもくちぼそもまだ獲れないのに

がっこう帰りの静かなあやめ池のほとり

ふいに重たい風があっちの杉林から渡ってきて

つがいのかいつむりの巣にあわだつ雨しぶき

てんとう虫が目の前を一直線に飛んで

きえたっきり見えない真っ白の世界に

ただずぶぬれで立っていたんだ

よしきりのかんだかい喜びの歌を聞きながら




関富士子 折り句の楽しみ2

んじょう日おめでとう



どんな運命あるいは誰のいたずら?

しんじられる?わたしたちが

昨日きょうにかけて生まれた

正真しょうめいの双子だってこと

16732日も出会わなかった

まぬけな姉とおとうと

似てないけどためいきつかないで

きっと覚えているでしょう

からめ合っていた指と指がほどけて

誕生と別れとがとうとうやってきた時のあの絶望を


折り句 1「あめがふってきたよ」 2「たんじょうびおめでとう」
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