霊 魂 と 交 信 す る 技 術 

1.霊との交流2.霊魂通信3.霊媒を使うには|4.霊魂交信の難しさ|5.審神者(サニワ)


4.霊 魂 交 信 の 難 し さ


 霊魂からの通信は基本的には優秀な霊媒を用いることによって成り立ちます。ところが、人間は、本来、霊媒には向いていないのです。そのため、大勢の人が自在に霊媒になるということはなく、特殊な人だけが霊媒になります。

 霊媒次第で霊魂からの通信の内容は変わってしまいます。
 そのため、通信を送る側の霊魂は大変な努力が必要となります。簡単に人間にメッセージを送れる訳ではないのです。

 たとえば、西洋で有名になった、霊魂による通信が日本でも紹介されました。これらの翻訳は日本でも大変に売れたようで、発売元の出版社の人は、「あるシリーズは初版で5万部刷った」と言っておられました。
 この種の本としては大変な人気でした。ところが、人気があるからといって、ミスがないレベルの高い通信とは限りません。ここが難しいところなのです。

 霊魂というものは、高級になればなるほど、人間に対して自分の思想を表現することが難しくなります。それは、霊魂の使う身体が地上の物質とは違うために、その思想も物質の脳には収まらないという問題があるからなのです。

 私達は肉体という身体を用いています。そして、脳を使って記憶し、感情を表現し、思考しています。その思想は脳によって表現されています。ところが、人間が霊魂となり、肉体の脳と決別してしまうと、異なる身体の脳を使用して思考するようになるそうです。その場合、地上を離れてからの時間が長ければ長い程、そして、霊魂として進歩していればいる程、物質の脳とは異なる形態で思想を表現している、ということになります。

 結果として、高級と言われる霊魂の思想を表現することは、普通の霊媒ではまず無理なのです。それが可能なのは、長い間に渡り、不可能を可能にするための訓練をした霊媒だけなのです。
 そのため、たとえば、それほど高級とも言えない霊魂が、高級な霊魂の代理として霊媒を使用したとしても、やはり、高級な霊魂の思想そのものを表現することはできません。
 それは、大人の思想を幼児が代弁したような差があるからなのです。

 したがいまして、西洋の霊界通信のように、訓練のない霊媒を使っても、通信を送りうる霊魂は、それほど意識の高い方の霊魂ではなく、真実が表現されていることは少ないのです。むしろ、こうした霊魂からの通信は、「いずれ、本物が出るための過渡期に出現する役割がある」と言えましょう。

 ましてや、生まれ変わりのように、高級な霊魂しか知らない事柄を、さも分かったように書いた霊界通信は、まるで信憑性がない、といっても過言ではありません。
 つまり、実際の生まれ変わりは、人間という複雑で巨大な霊魂に関わる問題なので、たとえばグループソールなどというような、単純な考えで説明できるようなものではないとのことです。(『霊魂学を知るために』参照。)


 物質の脳を持ちながら、幽体の意識、霊体の意識、といった複合的な意識を持った人間という魂は、まさに神秘そのものなのです。


 それでも、かつての霊媒達、そして霊魂達の苦労は大変なものでした。一時期を作った偉人達に敬意を表したいと思います。

 ある霊魂がこう言いました。

 「私よりも上位の霊魂が人間を霊媒として使用する時は、まず、人間の幽体を調査しなければならない。なぜなら、肉体に脳があり意識があるように、肉体とダブっている幽体にも幽体の脳があり意識がある。その意識が強くなると、霊魂の思想が変化して出てしまう。そのために調査をする。ところが、幽体を調整する訓練は地上にも先生がいないと難しい。よって、東洋のような修行の伝統のない西洋では、良い通信は送りにくい。

 また、実際には霊媒の表面の意識や幽体から発するオーラが霊魂に影響を与えることもあり、そこでも通信に間違いが起きる。そればかりか、霊媒の幽体の質によっても、霊魂は通信が難しくなったりもする。

 高級霊魂は様々な条件がそろわないと正確な通信は送れない。

 ましてや、水波師が霊媒の場合は、霊言の最中に霊言の内容に指示を出される場合があり、霊魂も集団でないと対処出来ない。」

 とのことでした。

 高級霊魂からの通信は、未熟な霊魂の場合とは比べ物にならない程に難しい技術なのでした。


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