===== バラは、難しい? いいえ、愛する気持ちがあれば大丈夫。 =====
<<初心者のためのバラ栽培のコツ>>
はじめに
土・植床づくり
植え込み
開花前
2番花前後
シュートの処理
さし木
夏の剪定
台風対策
秋の花前後
冬の剪定
施肥
消毒・病害虫への対策
挿し木の実際
接ぎ木のいろいろ
薔薇を種から育てる
はじめに
バラを育てるためには、日照、土質、温度、排水、通気の5条件が大切です。
まず、日照は1日5時間以上は必要です。そしてなるべく午前中の日当たりが重要です。土質は、粘土と砂が交じり合った団粒構造が理想的で、pHも6.5(弱酸性)がもっとも良いとされています。温度は18〜25℃が最適で排水の良い土を好みます。風通しも悪ければ病気の原因になり、良すぎれば、風で幹や枝をいためてしまいます。
こう言うと、結構大変で面倒なように思えますが、決してそんなことは、ありません。要は、バラが好きになることです。そして、こまめに枝や葉などを観察することです。そうしていれば、どのようなことにも早め早めに対処できるので、何があっても怖くありません。
そのうちきっとバラの気持ちがわかるようになることでしょう。
土・植床づくり
土質は、粘土と砂が半々で有機質を含んだ団粒構造が理想的です。そのため、腐りにくい荒いピートモス、砕いた木片などをくわえたり、掘り起こしたりします。
酸性の強いところは、消石灰を鋤きこんで弱酸性(pH6.5)まで中和します。
また、排水の悪いところは、必ず排水溝をつくりましょう。
・冬の間ほりあげたままで寒にさらしておく。
・良い土を客土する。
・天地返しをする。
・有機質(ピートモス、パーク堆肥など)をいれる。
・濃い肥料をかためていれない。
・発酵しやすいものを大量にいれない。
・排水の悪い土は使わない。
植え込み
バラの植え込みは、それほど難しくありません。次のことに気をつければ問題ないでしょう。
・時期は、11月下旬から3月中旬まで(新苗は、4・5月)、もっとも良いのは12月。
・根が乾燥すると再生しないので、植える前に乾燥させないこと。接ぎ口を必ず地表から出すこと。
・植えたときにたっぷり潅水すること。2・3日後にもう一度潅水すること。
・株間は、大輪で70〜100cmぐらいが適当。
鉢ものを花壇におろすのであれば、いつでもOKです。ただし、土をつけたままで植え付けてください。
開花前
施肥
春先は、肥料を多く、開花時期が近づいたら肥料を抜くことが大切です。
芽かき・間引き
バラは、1ケ所に3個芽があるので、中心のものを残して残りをかきとります。また、良い花の望めない細枝や、混んで日当たりの悪い枝は間引きます。
脇蕾摘み
大輪系は、早めに脇蕾を摘んで花を大きくし、房咲き系は、中央の蕾を摘んで開花時期をそろえましょう。
2番花前後
花後の整理
花が終わりに近づいたらば、散る前に切り取りましょう。その方がきれいですし、花を地面に落とすと病気のもとになります。また、次の花に備えて肥料を与えましょう。化成肥料で十分です。
雨も多い季節になるので、必ず消毒(最低月2回程度)と除草をしましょう。
この時期の手入れが良いとバラは、次の花で応えてくれます。
シュートの処理
シュート(根際から出る太い芽)が出たら、蕾の見えないうちに先から5cmぐらいで切り取って2番枝を出し、これに花をつけさせます。
シュートが出なくなった古い株でも、かたくなってしまった芽の上部にキズをつけるとシュートが出やすくなります。そうしてシュートが出たら古い幹と変えてしまいます。
さし木
バラは、さし木で簡単に増やせます。適季は、6〜9月で、花が終わって次の芽が動き出す前の枝が最適です。良く水揚げした枝の中ほどを15cm前後に切り、挿し口を良く切れるナイフで鋭角に切り取って挿します。直接挿さずに、割り箸などで穴をあけてその穴に挿すようにします。
さし床は、鹿沼土か川砂・パーライトが良く、半日陰においてあまり多湿にしないのがコツです。1・2ケ月で発根して芽が伸びだし、移植することになり
ますが、これを丁寧にしないと失敗します。ま、つるバラ・ミニバラで2分の1、大輪・中輪系で4分の1ぐらい成功すれば良いと割り切れば問題ないでしょう。
挿し木の実際
ただし、バラの新品種は、育成者の権利が種苗登録として保護されています。登録された品種は、登録されてから25年間育成者の許諾なしに業として(単に営業という意味ではない。)増殖することは認められていません。
それは又、バラの新種開発における関係者の努力の証でもあります。多分、誇りでもあるでしょう
バラを愛する私たちは、こんなにも私たちを魅了するバラに関わっている一人ひとりへの(特に、観賞用バラの世界をここまで発展させてくれた、それこそ心血を注いでバラと向き合っている育成者への)感謝の気持ちを忘れたくありません。
ですから、挿し木での繁殖は、登録期限の切れたものを対象にしましょう。!
期限の切れた品種でも良いものは、本当にたくさんあります(無限と考えても良いでしょう。)。そして、古いものはあまり売られていないということもあります。
挿し木で増やす価値も喜びも一層高いものといえます。
夏の剪定
夏は、少しでも木を育てることが大切です。そのため、剪定もできるだけ葉を残し、弱い枝を整理するつもりで切ります。時期は、8月下旬から9月上旬が良いでしょう。日当たりと風通しを意識して行います。
台風対策
バラは、台風に弱いと考えてください。枝や幹が傷つくだけでなく根がやられたり、病気の原因になったりします。
支柱をつけたりして、風対策を施すだけでなく、傷ついた部分を切り捨てたり消毒する必要があります。
秋の花前後
台風や、秋雨で病気が入りやすくなっているので消毒に力を入れるとともに9月いっぱい速効性の高い液肥などで追肥します。
秋の花は、春のものより花持ちが良く、手もかかりませんが、冬に向かって養分を蓄える時期なので、できるだけ葉を多く残しましょう。
冬の剪定
仮剪定
12月に入ると徐々に落葉するようになるので、残った葉を全て取り去り、細枝を切り落とします。併せて、月に1回の割で石灰硫黄合剤を満遍なく散布します。
冬剪定
2月に入ると芽が動き出します。良い芽が見分けられるようになった時が剪定の適期です。細枝、未熟枝から徐々に太い枝まで前年の枝を残すように切って行きます。古枝は、鋸で根元から切り落とし、キャンター(枝枯病)で色の変わったものは、健全なところまで思い切って切り下げます。
切る位置は、外側を向いた芽の上5〜10mmの所を斜めに鋏をいれます。込み合ったところは、間引くなど全体の樹形を考えて切ることがポイントです。
施肥
バラは、肥料食いといわれます。肥料をうまく与えれば、花は大きくなり、また花保ちも良くなります。特に花の終わったあとの施肥が大切です。これを怠るとバラは、弱々しく花も貧弱になってしいます。
元肥には、有機質のものや熔成燐肥などを鋤き込みます。また、秋には、木をかたくするために、苦土石灰や珪酸カリ(海藻灰)を使います。その他は、あまり悩まずに化成肥料や液肥で十分です。
なお、化成肥料も、6・7月以外は、窒素分が少なく、燐酸やカリ分の多いものが良いでしょう。
1月 上旬元肥 : (堆肥、牛糞、骨粉、油粕、熔燐)
3月 追肥2・3回 : (骨粉、化成肥料)
4月 追肥上旬に1回 : (化成肥料、骨粉)
5月 花の終わりに追肥 : (石灰、リン・カリ)
6月 追肥2・3回 : (化成肥料、硫安、窒素)
7月 花の終わりに追肥 : (化成肥料、苦土石灰)
8月 剪定前に追肥 : (牛糞、熔燐、骨粉、化成肥料)
9月 追肥上旬に1回 : (骨粉、化成肥料、リン・カリ)
10月 下旬にお礼肥 : (化成肥料、苦土石灰)
11月 カリ分の多いものを2・3回 : (草木灰、海藻灰、珪カル)
12月 元肥 : (堆肥、牛糞、骨粉、油粕、熔燐、珪カル、苦土石灰+ピートモス)
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