SANWA HONDA F190 cult |
ホンダ耕耘機F190 2009.07.22
「モーターで動く!!」「オールプラスチックモデル」のあおり文句でお馴染みサンワ(三和模型)製キットです。「ゴム」タイヤや「金属」ギヤボックスではなくオールプラスチックを強調するのは木製ソリッドモデルを意識したアピールでしょう。モーターは流石に耕耘爪は回しませんが、耕耘機が単体で走る姿はプラモ史上でも有数のシュールさを誇った事と思われます。パーツレベルの出来は当時としては割と良さげで、完成状態も下の白黒写真で見る限り良さそうです。なお、この写真の載った洋書では1/12と記されてますがキットにスケール表記は有りませんでした。
サンワはプラモデル創生期を代表するメーカーの一つですが、プラモの生産は1960~64年頃と意外な程の短命に終わっています。一方、ホンダF190は1961~68年に製造されているので、このキットが発売されたのは1961~64年の3年間のどこかに絞られます。「KIT
NO」は224で、200番台は「陸物」に付けられた通しナンバーとされる事から、車や戦車などに紛れて24番目に発売されたナンジャコリャ!?なアイテムという事になります。このアイテムがサンワの経営にプラスだったかマイナスだったかは知る術がありませんが、サンワから多くの製品を引き継いだ「東京プラモ」は再販していないと察します(苦笑)。
1959年、ホンダは初の耕運機F150を発売しました。その前年に革命的量産バイクのスーパーカブC100を市販し、この年からのマン島TTレースへ参戦する事が知られていた「あのホンダ」が、新たに農機も発売したのです。その計画が公表された時、当然のように業界は騒然となりました。ホンダの開発・生産能力が旧来の耕耘機メーカーを大きく上回る事は明らかで、実際、高性能エンジンも車体も自製できるホンダが一括設計したワンボディー耕耘機の発売は、汎用農用発動機をフレームに積んだ旧来の耕耘機を完全に時代遅れにしました(もっともライバル達は戦々恐々としすぎていたため、意外と真っ当な物が出てきて胸をなで下ろす気分もあったとか)。この初代ホンダ耕耘機F150は約2年の短い生産期間で後継機のF190へバトンタッチし、こちらは約7年間生産される成功作になりました。外見は初代とそっくりなので一部改良程度のマイナーチェンジだったのではないかと思います。写真は畑の隅で見つけたF190のフロント部です。
当初、『このキットが初代のF150だったらホンダファンには伝説的アイテムになったのに!』と、残念に思っていましたが、調べてみると形のソックリな直接の後継機種で、決して平凡な機種ではない事が分かりました。私はサンワがその短い生涯の中でよくぞこれをキット化してくれたと思わずには居れません。耕耘機のインジェクションキットはこの日本製プラモ創生期に作られた物が世界で唯一なのだから。
洋書 International Directory of Model Farm Tractors より |
後日追記:サンワのキット発売は1961年12月(380円)。ホンダのF190発売は同年6月との事。なお、私が入手したのは近年ですが5年以上は経っています。今ごろネタにした理由は特にないです(笑) |
マンホールにはまった。2009.07.13
実際にはまったら大変だ(笑)
何の変哲もない旅先なんかだと、旅情とマニアック心をくすぐるアイテムが「マンホールの蓋」だけという事があります。それが面白いデザインだったりカラーのマンホール蓋を見つけると得した気分になります。先般の市町村合併や企業の統廃合で消えていく蓋も有るでしょう。これからも下を向いて歩こうと思います。
という事で、以前に作ったデータの蔵出しです。
3:北海道夕張郡 由仁町
キタキツネ、りんご、タマネギ、稲穂、梅花と、沢山入れ込んでいるのも関わらず、逆に余計な模様が無くてシンプルです。題材自体はありがちですが可愛いくまとめて印象に残るデザインになってます。
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4:広島県 広島市
横川駅近くで偶然見つけたのですが有名な個体だった様です。青い空に白い鳩が舞うデザインと、何処となくクラシカルで鋳物らしいHIROSHIMA
CITYの文字。模様的な美しさが良いですね。
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5:北海道夕張郡 長沼町
稲穂とライラックを手前にあしらい、遠くに馬追(マオイ)丘陵を望む切り絵風のデザイン。場所は↑の由仁町に近いですが、デザインした人の年齢は離れてそうです。 |
6:北海道夕張郡 長沼町
←の無塗装バージョン。というかコチラがオリジナルでしょう(笑)単なる色無しではなく、凸凹反転なのがニクイ。外周部やバールを突っ込む穴が少々異なります |
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デジタル水準器機能は「マンホール・マニア」+「モデラー」を救う 2009.07.09
最近はデジタル水準器の付いたデジカメが増えて来ました。カメラの傾きを教えてくれるこの機能は、私のようにいつも写真が傾いているヘボには役立つ機能でして、実際、E-P1で使ってみると「んん?そんなに傾いてたか!」と水平感覚の鈍さを感じる事が多々ありました。
で、このデジタル水準器ですが、上下(俯仰角)と左右の傾きが分かるので、隠しワザ的にカメラを真下に向ける際に役立つ事が分かりました!まぁ、その必要性は普通の人には全く無いのでしょうが私には夢のような便利機能でした!
右の写真は、小樽で撮った一枚(明暗強調してます)。この様にマンホールのデザインを正確に記録するにはデジタル水準器は必須の機能と思いました。カメラを真下に向け、ファンダーとマンホールの中心を出来るだけ合わせ、歪みの少ないレンズを使う事で、拓本に近い正確さでデザイン・マンホールを記録できると思います・・・って、拓本を採る程の正確性なんて何の役に立つのか(笑)
いやね、一時期デザイン・マンホールがとても気になっていて、いくつか3Dデータに起こして遊んでいた事がありまして、非常に苦労したんです。
(・・・あわよくば、マシン切削かエッチングで再現してやろうという気概でやってたんですが)
1:山形県上山市
もっとも好きなデザインの一つ。でも平面的すぎて雨の日にバイクで踏みたくない! |
2:北海道雨竜郡北竜町
名物のひまわり。模様も線の太さもフリーハンド調で鋳物らしいデザイン。
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これが、資料といえば旅先でスナップ的に撮った写真がメインになるので、必ず訳の分からない歪みや、不鮮明な部分が出てきて非常に難儀しました。マンホール趣味のサイトも参考にしますが、画像が小さいし歪みだって私と同じような物です。
画像をアレコレ処理してベジェ曲線化していく作業は、元画像が適していればソフトで処理出来る部分も多いのですが、元もと歪んでたり不鮮明だったりすると、ほとんで手作業でバカみたいな手間と時間が掛かってしまいます。しかも手間が掛かったわりに正確性には疑問符が付くという・・・。
そんな苦い経験が、デジタル水準器に革命的な利便性を感じさせてくれるのです。
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話題のカメラが届いた・・・。2009.07.03
「オリンパス・ペン・E-P1」。本日7月3日の発売日当日にめでたく届きました!半月も前の製品発表日に予約してしまったという、電気製品は新製品に興味が無く中古品を壊れるまで使うタイプ私(註1)としては、超異例の入れ込み具合でした(笑)
なにせコレまでにないカテゴリーのカメラなので話題性は十分、予約状況も好調だったようです。いや、そもそもデジタルカメラが一眼レフとコンパクトの2種類しか無かった(と言って良い)状態が異常だったんです!
そういう意味でこのカメラ、現在の所「ヒエラルキーの外」にあるのがいいですね。何々の上位だの下位だのといった卑屈さがなくて(註2)。
基本、デジイチ+コンデジの良いとこどりとは思っていましたが、外装のデザインや質感が昔のカメラみたいに良質だった事はチョットした驚きでした。でも、届いてみるとステンレスの外皮はピカピカしていて、勝手にデロリアン(ガサガサ?)風をイメージしていた私は違和感を感じました(笑)。
このカメラはアダプターを介すと古今東西の大半のMFレンズが使えるし、手ぶれ補正が全てのレンズで効くという裏技的な魅力があります。そんな訳で、カメラの横に写ってる変なロシア製レンズがありますが、こんな昔のレンズでも付けたら似合うかなとか妄想したりしてます。銀色のライカMアダプターが出たら試そうかなと思ってるんですが、今は黒しかない様なので出るのを待ってます。
ちょっと小樽に行って試し撮り。運河の夜景もちゃんと撮れたし、何だか分からないオブジェもポップアート・フィルターでいい感じでした(というか普通に見えますが・・・曇り+夕暮れ+フラッシュ無しなんです)。
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註1:壊れるまで使う・・・しかもソ○ー製品は買わないので結構な長期になる(笑)
註2:ヒエラルキーの外・・・かつて「いつかはクラウン」なんてCMがありました。トヨタ的には「貧乏人はヴィッツ、カローラ、コロナの類にでも乗ってろ」と(笑) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続報 とほほほ・・・E-P1のボロ隠し |
John Deere Model B (?) |
久々に大発見したど~!2009.06.08
札幌から車で1時間ほどの某所、以前から気になっていた農機具倉庫のシャッターが開いていたので覗いてみると(←相当怪しい奴だ!)期待以上の珍品を発見しました。
タダでさえ日本では珍しいジョンディア(JD)のフロントナローのトラクターなのですが、驚くべきはラジエターがむき出しで所謂「グリル」がない事。
これは、JDが時流に沿ったデザインをしていたならば、1930年代以前のモデルである事を意味しているのです。
簡単に調べてみると、どうやらコレは「B型」と呼ばれるタイプの様です。
B型は1935年から1952年まで生産されていますが、グリルが付くのは1939年以降との事。「styled」と呼ばれるそのデザインは、当時クレトラックやIHC社が打ち抜きスリットのプレスグリルで流線型化、格好良くなったのに対抗したのでしょう。
そのB型、実は、山梨県清里高原にあるJDコレクションにも保存されて、 現役当時に輸入された物としては国内における最古のジョンディアとされています(同所のA型は後年の輸入らしい)。 ところが、それは1951年に輸入された物で、既に「styled」モデルであるばかりか、生産終了前年という末期モデルなのでした。 つまり同じJDのB型なのですが、今回発見の物は最古と思われた個体より更に10数年も古い型という事になるのです。
世界で一人と思われる「日本の戦前のトラクター捜索(笑)」を趣味としている私にとっては大スクープですが、この個体が「程度が良すぎ」に見える事や、素性が分からない点は非常に残念です。 つまり、戦後に中古品で輸入したのかも知れないし、近年になってマニアックな誰かが趣味で持ち込んだ物かもしれません。 であれば清里高原の方が日本に「長期滞在」している個体でしょう。
ただ、近所の滝川種羊場では最初のJD「ウォータールー・ボーイ」が導入された事が確実で、終戦時にもまだ存在していたとか。 戦前のこのあたりではJDに強い輸入業者でもあったのだろうか?と無理に結びつけて考えたくなります。
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帯広に行きました。2009.05.09
まぁ、釧路、根室、等々の道東を走り回ったんですけど。オジロワシを見れたくらいで収穫少なし(笑)
という事で、以前一度見て気になっていた奴を撮り直してきました。
久々に「サビ車」に追加しました。例によって私自身何も分かってないブツですが、珍発見って「分からない事を分かってる」から出来るし面白いんですよね。
もし、「三ツ瀬・オールファーマーズ」を検索していてウチに来られた方で、「ウチの納屋に有るぞ」とか、「○○誌に資料が載っているぞ」とかいう方は何か教えてくださいませ。喜びますから(笑)
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釧路に行きました。2009.03.12
釧路川に野生のラッコ「くーちゃん」が現れて約1月。いついなくなっても不思議ではないので見に行きました。
想像以上に自由気ままな面白い奴でした。タマタマ運が良かったらしくタップリ見ることが出来て大満足。リアル行動展示(笑)これは貴重です。
また、この時期は、SL「冬の湿原号」が釧路~標茶間で1日1往復運行されています。1往復ですが、条件が良ければ車で先回りして数回遭遇出来たりします(笑) 撮影ポイントでは大砲を構えた(もと)カメラ小僧がいましたが、何せ雄大な釧路湿原沿いを走るので絶景の撮影ポイントは無数にある様です。毎年行ってるマニアもいるんだろうなぁ。私、鉄道は良く分かりませんがC11ってナカナカ格好良い機関車でした。
往路の終点の一つ前になる茅沼駅は最高でした。なんとここはタンチョウ鶴が間近で観れるんです!それだけでもスゴイのに、そこへ蒸気機関車が入ってくるのだからたまりません。生きてる蒸気機関車と丹頂鶴を同時にフレームに納められる場所なんて間違いなく日本で唯一の場所でしょう。ここ茅沼には何も無いけれど温泉ホテルは有って、私は車で釧路に行くと途中(遠矢)にある洋食屋とともに必ず行く場所でもあります。
まあ、ラッコは難しいかも知れませんが、今からもう来年も行きたいと思っています。ラッコの替わりに野鳥観察も出来そうですしね。
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