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愛犬フランの葬儀と供養



愛犬の供養について

犬の埋葬跡は、古くは縄文時代のものがある。古来から人間は犬に愛情を注ぎ、心を込めて葬り、祈りを捧げてきた。では現代ではどのように供養すればいいのか、いろいろと調べてみた。

■供養とは心を捧げること。心が伴っていなければどんな供養も意味をもたない。最高の供養とは、形式にとらわれず、「あの子にしてあげたい」と思うことをすること。人間の供養は宗教・宗派によってさまざまだが、ペットの供養は決まった供養方法もなく、「形式的にこれを行えばいい」というものではない。ペットの死を受け入れ、「今まで楽しい時間をありがとう。天国でゆっくり休んでね、幸せになってね」と祈ることで成仏できる。また魂の平安に加えて、良い転生・良い来世を願うことも大切。生前好きだったドッグフードやおやつは、何年たっても封を切ってお供えするのがいい。愛犬はその風味を感じ、自分が貰っていることを喜び楽しむ。
■仏教では命は平等、動物用のお経はない。動物の供養には「馬頭観音の真言」が一般的で相応しい。ただし読経やお線香、写真がなくても、手を合わせ心を込めて冥福を祈るだけで十分。また納骨しないと成仏しない、ということはない。遺骨は手元に置いておいても良い。ただし、生きるものは土から生まれて土に還るので、いつかは土に還したほうがよい。


亡き愛犬フランの場合


参照/運営者と愛犬の近況 (供養などを記述)     参照/犬の精神世界 (死後の魂などを記述)

通夜
私の腕の中で逝ったフランを布団に寝かせ、タオルをたたんで枕にし体をきれいに拭いた。そして鼻の穴などに脱脂綿を詰めた。最も体液が出てきたのは鼻の穴。何度も何度も取り替えた。あとはひたすら「ありがとう」と感謝の言葉をかけ続けた。フランの身体は5時間ほど経つと冷たくなりはじめ、死後硬直も始まってきた。目が少し開いていていたので、硬直が始まる前にテープで目が閉じるようした。死後24時間ほどは腐敗がはじまらないようなのでドライアイスなどは用意しなかった。
施設手配
フランの場合は余命宣告を受けていたので、もしもの場合に備えて24時間対応の施設を調べておいた。沖縄の場合は火葬も行える葬儀施設が一般的。電話すると翌朝の時間帯のみが空いていたので予約。もっとフランの傍にいたかったが、翌朝が空いていてくれてよかったのかもしれない。何故なら、空いていなければ冷凍保存してくれるが、それはどうしても避けたかったからだ。また予約した葬儀施設の決め手は、骨をパウダー化することができること。高温多湿の沖縄、とくに私の場合は海の真ん前に住んでいるため、パウダー化しないと骨にカビが付着してしまう。これはできる施設とできない施設があり、分骨用のかわいい容器を揃えていない施設もある。尚、火葬には個別葬と合同葬がある。合同葬は火葬の日程などすべて施設まかせ。遺体を冷凍保存して合同で火葬するため、その分、費用は安い。フランはもちろん個別葬でお願いした。
火葬
フランの体を大きなタオルで包み、車に乗せて葬儀場へ。途中、フランが遊んだ公園など思い出の場所を立ち寄りながら行った。また念のために、24時間営業のスーパーで献花用の花を用意した。葬儀施設ではフランをかごに横たえて献花。お経が流れる中、セレモニーを行った。ひたすら「フラン、ありがとう。天国でゆっくり休んでね」と、感謝の言葉をかけ続けた。
お骨
約3時間後、フランは身体の形をした骨となって戻ってきた。すべての骨を箸で拾い、容器に入れて、パウダー化をお願いした。約30分後にパウダー化された骨は、待ち時間に選んでおいた骨壺と分骨容器(カプセルや専用装飾容器)に分けて入れてもらった。パウダー化する意味は、分骨しやすいことと室内管理時のかび対策にある。沖縄は高温多湿のために、骨に「かび」がついてしまう。また将来、散骨のことも考えてパウダー化した。
納骨
容器に入れた分骨は家に持ち帰り、骨壺は施設内の供養棚(年間契約)にて供養することにした。供養棚は「霊廟」のようなもの。棚の区切られたスペースが「ひとつのお墓」という考えとなっている。どのスペースも写真や名札、水とフードにおやつ、おもちゃ、ぬいぐるみ、花などで飾られ、飼い主さんの個性と愛情があふれる供養棚ばかり。フランも同様に、後日、寂しくないような飾りを施した。ちなみに私は供養棚としたが、家に骨壺を持ち帰ったり、ペット墓地にお墓を設けたり、施設内の合同墓に納骨したり、と人それぞれ。私はいずれ沖縄を離れるつもりなので、骨壺を移せる必要があったため供養棚を契約したが、他の理由もある。月一回の慰霊祭時、棚の前で個別に読経してもらえる。また多くのペットたちが葬儀施設らしい雰囲気の中で眠っているので、安らぎが得られ、寂しくもない。尚、供養棚をいつまで利用するかの決まりはなく、人それぞれ。2年を超えて3回忌まで、という説もある。
届け出
愛犬亡き後の手続きは、市役所に出向いて死亡届を提出するのみ。提出時に「鑑札」を返還することなっているが、申し出れば遺品として持っておくこともできる。ちなみに火葬か土葬かを聞かれた。自分の敷地内であっても、衛生面から土葬は問題があるようだった。尚、鑑札と分骨カプセルはナッツの散歩バッグに取りつけ、写真も入れている。
家の祭壇
沖縄でもペットの供養用具店があるほど需要はあるが、ペットに仏壇はいらないという人もいて、考え方は人それぞれ。私の場合は、常にフランを感じていたいので、適した棚を買ってきて、写真とかわいい容器に入った分骨を置くための祭壇を設けた。他にお花・おもちゃ・フード・おやつ・お水・鈴。棚の下には遺品箱なども置いている。毎朝毎夕にお供え物をして、写真のフランと話すことが私の日課となっているので、私にとって祭壇は必要不可欠なもの。
<祭壇とは>
神や霊に祈りを捧げる場。仏像などを用いた仏式、他に十字架を用いたキリスト教式、神式、その他宗教・宗派による形態がある。もちろん形式にとらわれず、写真とお花、お供え物といった形でも問題ない。要は気持ちの問題なので、とくにペットの場合は「ペットが喜ぶだろう」と考えることが一番。お花は「切り花」でも「鉢植えのお花」でも大丈夫。ただし「切り花は面倒…鉢植えのほうが楽」と思ってはダメ。愛犬の場合だと「大好きだった土の香りをかがせてあげたい」、「散歩気分でお花をクンクンしてもらいたい」、といったことで鉢植を選択することが大事。
儀式
儀式には人間同様に初七日、四十九日、100か日、一周忌、3回忌、7回忌などがある。人間と同じ儀式が必要かどうかは、飼い主の想い次第。人間同様、最も重要とされるのが四十九日。私の場合、初七日は、葬儀施設にお線香をあげに行ったが、四十九日だけはきちっとしようと考えた。フランが天に還る日とされ、無事に成仏してもらうのが私の使命でもあるから。なので施設専属の住職を個別で招いて、フランのための四十九日法要をお願いすることにした。尚、通常は火葬した後、骨壺を家で保管。その後、骨壺を四十九日以降の慰霊祭に持参して四十九日の供養を合同で行う。ちなみに住職の亡き愛猫もこの施設に納骨しているとか。
貢献
フランを亡くしたことで、犬たちのために私ができることは何か、を考えてみた。人間のためには年3回の献血を欠かさずに行っている。ワンコたちのために私にできることといえば、保護犬の里親さんが決まるまでの間、一時預かりをして愛情を注ぐことぐらい。ナッツを看取った後に実行したい。フランもナッツもきっと喜んでくれるだろう。また殺処分前の保護犬を引き取り里親さんを探すなどする動物保護団体に、僅かながらでも寄付していくことにした。
永遠に
私が死んだ場合、愛犬たちのお骨はどうすべきか。もし私が沖縄で逝ってしまった場合、私の骨とともに沖縄の海に散骨してもらおうと考えている。昨今、沖縄散骨が注目されているため、散骨業者も増えてきている。また関西に戻ってから死んだ場合、沖縄にはペットと共に入れるお墓はないが、関西圏にはいくつかの永代供養霊園があるため、愛犬たちと一緒のお墓に入ろうかな、とも考えている。もちろん、関西に戻ったとしても愛犬たちが暮らした沖縄に散骨するのもいいだろう。いずれにしても、私が死んだ後も愛犬たちと永遠に一緒にいたい…。



上/家の祭壇     下/葬儀施設と供養棚