<第4夜> 父の軌跡を追って

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ノアニール村 〜 エルフの隠れ里 〜 西の洞窟 〜 アッサラーム 〜 イシス 〜 ピラミッド


北辺地域の夏は短い。その短い夏の中、針葉樹林の林の間を縫って私達はノアニールの村へやって来た。 濃い緑の唐松が夏の日差しを照り返して心地よい風が吹く。 この穏やかな地域に本当にバラモス軍の手がかりがあるのだろうか。 私達は村に入るなり仰天した。 全ての村人達が、村のあちらこちらで眠りこけているのである。 揺すってみても起きる気配はない。アイリーナさんの覚醒魔法も役に立たない。 ミーシャ  「みんな、ミーシャよりおねぼうさんなんだから〜(^^)」 冗談を言っている場合ではない(;´Д`)。 私達は村のあちこちに声をかけて、起きている村人はいないか探し回った。 村の外れに一人だけ起きている人がいた。 彼はこの村の歴史を調べに10数年前にロマリアから来ていた学者だった。 村の外の遺跡を調べに行っていてこの村に帰ってきてみると、 村人がこの様な状態になったので驚いたらしい。 彼は独自で20年弱この原因を調べていた。 どうやら、ここから西に住むエルフの氏族がこの村に強力な魔力を及ぼしたらしい。 しかし、なぜエルフがこの村の人にこのような仕打ちをしなければいけないのか? 確かにエルフは人とは交わらないように暮らしているが、特段敵対的と言うわけではない。 いずれにせよ村人をこのまま放っておくわけにはいかない。 原因が見えてきたので、そのエルフ達に接触してみることにした。
森の中を進んで行くが、バラモス軍の手先か、エルフの守護者なのか、 強力な敵対生物が行く手を遮る。 「彷徨う鎧」などの重装甲の相手には相当手を焼かされる。 なんとかエルフの集落に辿り着く。 万が一のエルフの襲撃には緊張していたが、そういうこともなく集落に入ることには成功する。 そこにいた人間の老人にたまたま話を聞いてみると、 どうやらこの出来事は、人間の若者とエルフの族長の娘が種族を越えた恋に落ちたことが発端らしい。 私達はエルフの族長に拝謁を願い、面談することになった。 エルフの女族長に話を聞いてみるが、事情は複雑であった。 禁忌とも言うべき種族間を越えた恋愛。これだけなら最悪駆け落ち程度で済むのであるが、 なんとこの駆け落ちに、エルフの族長の娘が、 氏族の宝である宝石「夢見るルビー」を持って行ってしまったというのである。 族長は人間の若者がルビーを我がものにせんがため、娘を拐かしたと考え、 怒りのあまり人間への報復として若者の村に呪いをかけたのだと言う。 このことを聞けただけでも幸いであったかも知れない。 けんもほろろに追い出された私達は、若者と娘が籠もったらしい近くの洞窟へ行ってみることにした。 藁をもすがる気持ちである。
洞窟の中にも、土着の吸血屍鬼など手を焼かされる連中が住み着いていた。 なんとか追い払いながらも洞窟の最深部に到達したとき、そこには地底湖が広がっていた。 ここに若者と娘の痕跡が残っていた。 哀れな…… 若者と娘はこの世では許されぬ恋であることを悟り、心中の道を選んでしまったのである。 アンと署名されたエルフの娘の遺書を取り上げたとき、その傍らに転がる物があった。 「夢見るルビー」であった。 哀れな二人に必要だったものは、締め付けではなく許しだったのである。 族長に遺書とルビーを渡すと、彼女ははそのことを悟り大いに悔いた。 族長は公正な人柄であり、もはや人間への呪いは逆恨みであると納得してくれた。 私達に村の呪いを解くための魔法の粉を与えてくれたのである。 私達は早速ノアニールの村に戻り、村のあちこちに魔法の粉を撒いた。 粉は村人達に降りかかり、黄金の穏やかな光を纏う。 やがて人々は心地よい眠りより現世に呼び戻される。 呪いは解けたのだ。 10数年の歳月は人々の歴史に大いなギャップを残していた。 ここで私は驚くべき証言を聞いた。 父がこの村に来ていたというのである。 ほとんど覚えていない父の面影、それは私の胸に少なからぬ熱いものを込み上げさせた。 アイリーナさんが優しく私の背中に手を置いてくれていた。 しかしいつまでも感傷には浸ってはいられない。 父オルテガはバラモス軍本拠への近道を見つけ、その封印を解くための鍵を探していたというのである。 その鍵へはロマリアの東にある交易都市アッサラームに手がかりがあるらしい。 私達はノアニールで休ませてもらった後、アッサラームへと出発した。 この手がかりを逃すわけにはいかない。
アッサラームへの途上では、バラモス軍の憲兵隊の攻勢が激しくなってきた。 隠密理に身分を隠しながらの旅ではあるが、完全に身分を隠し通すことは難しい。 特に怪力を誇る「暴れ猿」を中心に編成されている密林突撃隊との戦闘は閉口させられた。 アッサラームは流石は「文明の交差点」と呼ばれているだけあり、エキゾチックな活気のある大都市である。 ミーシャちゃんはあちこちくるくる、見る物全てに目を奪われている。 この街では多くの商売が時価で為されており、素人は痛い目を見やすいとの評判もある。 夜は「眠らぬ都」とも仇名されており、繁華街では独特の煽情的な民族舞踏が街のあちこちで行われていた。 この街で父の軌跡について聞き込みをしてみると、 ここから南西にある砂漠に父は向かったらしいということが分かった。 アッサラームでの滞在もそこそこに私達は大砂漠に旅だった。
砂漠の畔、沼地の中の祠に住む老人に泊めてもらった時の事だった。 その老人は10数年前、やはり父をこの祠に迎えたのだと言う。 父オルテガは、砂漠の中の古代墳墓にある鍵を求めていた。 しかし一人旅のオルテガ、残念ながら鍵を手に入れるには地力が足りず、 他の回り道を経てバラモス軍を追ったのだそうだ。 老人は、私達で墳墓から鍵を得ることが出来れば オルテガより早く調査を進めることができると保証してくれた。 私達は老人より教えてもらって、砂漠の古代王国であるイシスの女王に協力を仰ぐべく、 イシスの都に向かった。 まるで海が如き巨大な砂漠の中のオアシス、イシス湖のほとりにその古代都市は佇んでいた。 数千年もの古より歴史を育んできた文明の発祥地、それがイシスである。 私達は現在のイシスの統治者である女王に拝謁すべく、荘厳なる作りの宮殿を訪問した。 その美しさが詩にも詠われているイシス女王は、快く私達を迎えてくれた。 女王自身バラモス軍の脅威を十分に感じており、 情報収集の協力と古代墳墓の調査を許してくれたのである。 早速私達は古代墳墓であるピラミッドへと向かった。 女王は「ピラミッドは古代よりかなり盗掘が為されているが、 鍵が最深部に収められているなら、まだ残っているであろう。」と教えてくれていた。 そして、未だ墳墓の守護者達もすでに失われてしまった埋葬品を侵入者から守っていることも…… 私達は砂漠の熱い空気を一回深呼吸してピラミッドに踏み込んだ。
ピラミッド侵入時のパーティーステータスです。 前衛2人はそろそろ重装歩兵と呼んでも恥ずかしくない装備になってきました。 (砂漠でこんなもん着てたらぶっ倒れますけどね(^^;。)  相変わらずのバレンシア。  素早さは「星降る腕輪」にて上がっています。 「星降る腕輪」を手に入れるには、  イシス宮殿に入って建物に入らず、中庭を左側に進んでみて下さい。  能力値のベースも上がってきたシルヴィア。 「ガーターベルト」で「セクシーギャル」になっているのが笑えます(笑)。  可も無く不可も無いコメントのしにくいアイリーナ。  モーニングスターは、シナイ半島のスゴロクハウスでGetした逸品です。  温和なアイリーナさんが巨大な鉄球をブンブンと振り回している姿を想像すると、  かなりの違和感がありますが……   ミーシャはこの装備の他に「魔封じの杖」も持っています。 「地獄の鋏」あたりを「毒針」でプスっと殺ってくれればいいんですけど、  なかなかそうは上手くいきませんね。 「ロマンチスト」なのは「銀のロザリオ」の効果です。  少女漫画なお目目のミーシャも笑えますが(笑)。
荘厳なピラミッドの中は、やはり歴史の息吹をのんびりと堪能しているわけにはいかなかった。 盗掘され尽くした埋葬品、棺に擬態した食人生物、魔力の封じられる領域、そして強力な不死の守護者。 これら全てが鍵を求める私達の前に立ちふさがる。 それでも私達は一致団結し、ピラミッドの最深部へと到達した。 しかしこの最深部の巨大な扉は、まともに押しても引いてもまったく動く気配が無かった…… 途方に暮れて私達は一旦休憩を取ることにした。 簡単に食事を用意している間、 アイリーナさんがイシスの宮殿で子供達に教えてもらった童歌を口ずさんでいた。 ……! このフロアの謎の4つのボタン、童歌がひょっとしてボタンの機動順を示唆しているものだとしたら…… 東側の左ボタン、西側の右ボタン、西側の左ボタン、東側の右ボタンの順にボタンを押してみる。 ピラミッドに微かに重々しい揺れが生じた…… 最深部への封印の扉は開かれていた…… やはり童歌は古代墳墓の封印を解く暗号だったのだ! そして私達は父が手に入れることの出来なかった鍵を手に入れたのである。
ロマリアの西にはこの鍵で解くことの出来る封印があった。 その裏道を通れば、大貿易港ポルトガへ短時間で行けるのだという。 ポルトガに関しては、ロマリアで次のような噂を聞いたことがあった。 ポルトガには、アリアハンでは失われてしまった外洋航海船の技術があるのだ! 外洋航海船に乗ることが出来れば、バラモス軍を調査するための旅もぐっと行動範囲が広がるに違いない。 私達はポルトガへの封印を解いた。 まだ見ぬ地方への緊張感が私の身体に漲った。

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