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vol.10
present for you   詩りとり詩 3


           関富士子×木村信子

 みみずのせぼね


 猫にぐらいじゃれつかせてよ
 Yo-Yoのひもぶっちぎれ
 レンガのへいのそと
 通りがかりのNorraばばあ
 青婆があたふたよけながら
 がらの悪い胴間声
 縁があったが因果のはじまり
 魔力のひみつを盗んじゃう
 うろおぼえの道うねりうねうね
 根っからおつむが曲がり角
 門付けなどして世をしのぶ
 ブリキの椀に散りぬるをわかよ誰
 れんめんと連夜みみずののたくり
 繰り言たわごと空言ひがごと
 戸をたてて耳たててたぶんあいつも
 もの笑いの種ぶくろあらいざらい
 いっそこのまま行方知れずに
 憎まれっ子の置きみやげ何だ
 黙って追い抜いてゆく蟻のような行列
 つんのめってみみず干からびた
 ただ風が吹いているだけの木の下闇



「詩りとり詩」第3弾、NORRA'S PAGE Epilogue木村信子さんとの「みみずのせぼね」は無事完成しました。最後の行の最後の音「み」は、タイトルの「み」につながります。

(木村信子さんからひとこと)
 途中で気が付いたのですが、この詩は輪のように丸くつながる形になっているので、どの行をタイトルにして読んでもいいのではないでしょうか。タイトルを変えて読んでみると、また別のちがった感じの詩になっておもしろいです。


 詩りとり詩
行の終わりの言葉を次の行のはじめに使って、1行ずつ交代で詩を書こう
しりとりする部分の音の数は自由

"rain tree" back number vol.9 詩りとり詩1・2
<詩>約束/贈り物(関富士子)へ
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