
vol.2
present for you
ノイガンドレス1
宮野一世 雨垂れ石を穿つ
o
HoH
HoooH
HoooooH
HoooooooH
HoooooooooH
HoooooooooH
HoooooooooH
HoooooooooH
raindr ps
o
s t n e
o
今号の詩にはたくさんの O(オウ)を使いました。 ところで、 串田孫一氏はたわむれに
94051
とサインされることがあるそうです。 なぜかおわかりですね? でもぼくは、
9401
でもいいんじゃないかと思っているのですが・・・・。
0を( )( )( )と読めばいいんですから。
(詩誌NANO13号1997年より 宮野一世)
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もんだい
*( )( )( )にはいることばは?
おまけのもんだい
*この人たちの名前は?
160
(今年もやっぱり首位)
3460
(文豪ということばが懐かしい)
81080160
(息子も孫も政治家)
80807
(女の放火魔って珍しいよね。そうでもないか)
210B173
(お札になっているらしいがよく知らない)
26110
(この人の心理学は笑える)
481000
(四面楚歌の故事はいまだによく意味が?)
1000+9
(1000と9を「のり」でくっつけると?)
310A39
(ノーベル賞をもらった人らしい)
310B39
(A39氏とは他人)
<詩>「緊縛のよろこび解縛のくるしみ」へ
緊縛のよろこび解縛のくるしみ present for you
折り句の楽しみ3 by Fujiko Seki
野ぶどうの蔓にあまめに縛られる
ひ まくらのゆめ髪を引っぱる人
日暮 し雨ざらし野ざらし木枯らし
しらか の実は野生の豚のものに
水仙の蕾 撫でさする男
胸をノック ってどこにあるの
疼く千の古傷 千のキスを
午後三時みなみ にのる雨つぶ
野ぶどうのai蔓 先からほどく
蟻は牧場であぶらむ を飼うよ
レインドロップスはず 木のまわりに
ささげますつきもほしも も心も
もしもお退屈なら鳩でもい が?
さよならなかよしよなかなく きむし
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おまけの問題
草臥れて落ち葉の床に沈むまま(ofuji)
枯
れ
て
狐
の
飛
脚
通
り
け
り
(蕪村)
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問題:隠れている俳句は?
ヒント:江戸時代の天才の句
おまけの問題:定型を遊ぼう
ルール:緊縛のよろこび解縛のくるしみ
*一行17音でしばる
*折り句でしばる
*5・7・5音の句切れをほどく
*いかにも季語というのをほどく
おまけの問題 答案4 宮野一世
草臥れたふたつの目には
冬枯れの空に舞う新聞紙とトマトの太陽
よじれず重なり吹く風ふた筋
帽子とてぶくろ着けてやぶにらみ
凍雲を見狐の襟巻まくはエリック?さて時代は
トムソーヤの意志も失せそうや緑が丘よ地球よ
とおく山越す飛行機のふいに笑いだし
墜ちてゆくおお脚気の時代の門のほうへと
でもかれもただの通行人ガムをかみハミングし
言葉とボールにのめりこみ唯一
風吹く時代の裏門めがけて正しく迷う人だ
見えぬものを見て人ひねり化かす正確曖昧男だ
おまけの問題 答案3 関富士子
草を編みあざみの衣で旅立つ
霜枯れ畑に溜め池が光って
あはれ順三郎は野原をゆくか
ときにて深山のなめこそばを食す
おろかな狐はぶどうをあきらめず
ニワトリ頭の裸婦と再会する
絵皿の海豚は飛んで地中海へ
アポロンのみぎ脚が西へかたむく
オルガン針工場へ通うひとよ
なぜ田圃を線路は曲りくねるか
野も林も頬も耳も夕焼けて
青い水底を電車はひた走り
西脇順三郎とヘルマン・ヘッセ展(信濃デッサン館)を見る1997.12.9
草臥れて落ち葉の床に沈むまま(ofuji)
涙枯れて星集める帰り道
みだれ髪日溜まりにかんざし光り
尾長来て枝にぶら下がって飛び去る
ほこらの狐すましてる天気雨
葉落ちて龍の爪のこす曇天
縁に濡れて紙飛行機溶けて行く
夕焼けがながい脚だしている海
芭蕉投げいれれば通う松の風
指のさきから赤くなりゆく楓
けってもけってもカンけり蹴りやまず
旅の終わり池に黒鳥まじりて
草花の名は犬や鳥のあれこれ
夏枯れの井戸へと朝顔がのびる
やぶれかぶれは穴があいてて痒い
からめてはお城で家なら勝手口
でまえの狐うどんのうすいお揚げ
めいどまでのりあいで逝くタイタニック
タカと茄子が飛ぶ正月の正夢
嘘つきの虎の馬脚がトラウマか
手づくりのお札は通用しません
無農薬の虫喰いの毒りんご屋
昼間から出てくるおばけはこわがり
さいごにはんで終わるしりとりあそび
折り句の楽しみ3 折り句の答え「野ざらしの心に風のしむ身かな」芭蕉
反寓話
樋口 俊実
やぶれかぶれというのは
穴があいて痒い精神の状態である
やぶ蚊のぶれた写真とはあまり関係がない
うっかり
馬脚をあらわした虎
がトラウマに苦しんでいる間にも
手づくりのお札は実にしばしば
有効期限が切れている
悪い魔法使いが白雪姫にわたしたのが
毒夏みかんや
よこしまな西瓜
だったらまさか丸かじりはしなかったので
話がちがう
もちろん
おとぎ話は歴史ではないが
クレオパトラの鼻があと十センチ高ければ
天狗である
ふつうの
家には搦手がないように
お城を勝手口から攻め落としてはならない
武士道は江戸時代よりも昔なので
雨の日はぬかるむ
食べかけの
狐うどんに化かされるのが得難い経験だとしても
就職や結婚を考えると
ひとには話さないほうがいい
蛇足を恐れずにいえば
なすびが空を飛ぶお正月に
あらあらかしこのあとで
よって件の如し
と付け足すようなものである
敬具
<詩>「ピクニック」へ
<詩>「雨垂れ石を穿つ」(宮野一世)へ