十七箇条協定とは
歴史上、チベットと中国の政府当局がとりかわした二つのとりきめのうちのひとつで、1951年に締結。
このとりきめにいう「西藏和平解放」とは、「西藏および西藏人民」を「国民党反動政府および帝国主義侵略勢力」から平和的に「解放」することをいう。
821年の「長慶の会盟」におけるとりきめが対等・平等の二カ国間条約の形式であるのに対し、本協定は中国によるチベット併合の正当化、中国当局とチベット当局の間の絶対的な上下関係などが特徴的である。

 cf. とりきめの締結主体に対する呼称が「中央人民政府」と「西藏地方政府」

本協議締結にいたるまでの「西藏和平解放」全般の流れはこちら)を参照。

底本の特徴
従来から、本協定の原本にはチベット語本、中国語本の2本があることが知られていたが、西藏自治区档案館編纂の『西藏歴史档案薈粹』には、両本の全ページが非常に鮮明な写真によって収録されている。以下に収録した原文テキストは、この写真を底本として活字に起こしたものである。
また、和訳については、『新華月報』所収の中国語文を底本とする木村肥佐生氏の訳文を許可をえて掲載しているが、現在、原文テキストからの拙訳も準備中である。
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原文テキスト
底本
編者:西藏自治区档案館
書名:西藏歴史档案薈粹
出版:文物出版社(1995)
掲載:文件番号100

各種資料集に収録されている中国語テキストには、チベット側「全権」代表名が漢字で記されているが、原本には、チベット語本、中国語本とも、署名はチベット文字のみで行われている。

凡例

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和訳

和訳としては、従来から木村肥佐生氏の翻訳を掲載してきたが、あわせてチベット語本からの逐語直訳を掲載する。

※木村肥佐生氏の和訳は、ダライラマ十四世の自伝(下記参照)に収録され、従来からよく知られてきたものである。
  ・収 録
著者:ダライ・ラマ
書名:チベットわが祖国
出版:亜細亜大学アジア研究所(1986)
掲載:pp.307-310(上記書の付録)
翻訳:木村肥佐生
備考:この自伝の翻訳は中央公論社の中公文庫にも収録されている。
木村肥佐生氏の訳文テキストの転載の申請について

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