第六期創造期

神の娘マーテル。
最愛にして、全ての問い。
使徒にして、人。

アルカイは姿を消し、人へと移る。
人故にアー。
アー故に人。

故にマーテルは人である。
人であるが故に、使徒なのだ。

マーテルを崇めよ。
人の歴史は、ここから始まるのだ。
アルカイの巣立ちは、ここから始まるのだ。


 第六期創造期。アルカナの最後の創造である。 この創造は、母たるアーが、全てを子供達に委ねる事の仕上げの証拠である。 Mater マーテルの創造により、人は方向を定める事となる。 すなわち、神話から英雄へと歴史の中心は動くのである。

 Mater マーテルを崇める事により、全ての人はある一つの下に集まる事を可能にした。 真教教会の発生は、ある意味においてEl アーの仕組んだ事である。 だが、アーの計画はここまでである。 ここから先の発展は全て人に、アルカイに委ねられた。

 人が、人としての独自の技術を持ち、神の奇跡に頼らず創造を行う。 その為に、マーテルは人として降臨し、人としての奇跡を示した。 使徒としてではない。人として、全ての者をまとめようとしたのだ。 人として奇跡を行ったのは、時代の移り変わりを示すためである。 自身が、最後の使徒である事を示すためである。

 救世母マーテルが降臨したとき、 すでにアルカイアルカイとしては存在せず、 様々な種族に分かれていた。その中でも、最も弱く、かつ自由な意思を受け継いだ者達。 弱さ故に様々な事柄に興味を持ち、定命であり寿命も短い故に、最も努力した者達。 なによりも、アーの姿を写したアルカイの姿を、 最も色濃く受け継いだ者達。すなわち、人間の時代へと移っていた。人間こそが、 最もアーの祝福を多く受けた者だったのだ。 故に、マーテルは人の姿をとった。人間の姿をとったのである。

 以上で、アルカナ創世記第二部は一区切りとする。続いて第三部では、アルカイの末裔に焦点を合わせたい。