第五期創造期

姿は違えど、魂は変わらず。
アルカイよ、汝らが我と同じ悩みを持ちしとき。
助けとなるよう、これを送ろう。

原罪はすでに刻まれた。
故に、原罪の無い者を送ろう。

あらゆる物は失われた。
故に、無垢なる者を汝らに送ろう。

使徒クレアータは、汝らが創造するのだ。
我と同じように。
我と同じように…


 使徒クレアータは、使徒であって、使徒ではない。 未完成のまま、「大皆触」により打ち砕かれたからである。 それは、アーの意図するところである。何故ならば…  アーは全知全能であるからである。 クレアータ自身は魂のみの完成であった。仮初の体をもち、 その体ごと闇の鎖に打ち砕かれたのである

 クレアータ創造もまた、 アーの目的が隠されている。 人はいずれアーが何故創造を行ったか、どの様に創造を行ったかに興味を持つようになる。 そのとき、創造の真似事として人形を作ることを予見していたのだ。 故に、その人形に宿らせるために魂だけをつくり、闇の鎖により打ち砕かせたのだ。 また、これは使徒クレアータの意思でもある。 こうして、クレアータは降臨した。

 さて、とある神学家によると使徒クレアータは、 実はマーテルの前身であると言う。 なるほど、確かにクレアータには原罪は無い。 無垢である。この辺りからクレアータと言う名前の、 救世母を創造し、全てを導こうとしたと言うのも解らないでもない。同様に、 ここで創造の真っ最中に「大皆触」が起こり、 故にクレアータは未完成で、 その失敗を教訓としてマーテルを創造したと言う考え方も間違いではないだろう。

 いずれにせよ、クレアータは姿は異なれど、魂の次元では立派な使徒である。 故に聖痕は宿るのである。未完成でありながら、完成形である矛盾を含む使徒である。