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<雨の木の下で>関 富士子
「歴程web」 2007.4.10 このたび、関の所属する同人誌、「歴程」のウエブサイト「歴程web」を立ち上げました。
まだまだ不備の点が多々ありますが、いろいろご教示ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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「歴程web」http://rekitei.com
「歴程web」は、創刊70周年の歴史をもつ同人誌「歴程」同人が製作・運営する、
歴程の公式サイトです。
「歴程」に集まる詩人たちの現在と新しい活動をリアルタイムでお知らせします。
また、創刊同人から始まる詩人たちの詩作品紹介や、
500号を超える歴程誌のアーカイブを作成していきます。
contents
「理念と歴史」−詩誌「歴程」の紹介、歴程賞受賞作品一覧。
「同人たち」−創刊詩人草野心平の紹介。詩作品を縦書きpdfで掲載。
「同人誌「歴程」」−新刊案内、
1935年「歴程」創刊号から順次歴程誌画像をpdfで掲載。
「イベントのご案内」−歴程初夏の朗読フェスティバル(6月3日(日)開催予定)
の最新情報を掲載中。
ほかに、歴程夏のセミナーの案内や同人の個人活動も随時更新。
「Infomation」−歴程に関係するリンク集。
ブログでのInfomationにコメントをどうぞ。
運営・管理は、歴程同人の関富士子が担当しています。
製作には、芦田みゆき、北爪満喜が協力しています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
「歴程web」
url http://rekitei.com
e-mail info@rekitei.com
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「歴程web」
http://rekitei.com
運営・管理・製作
関<歴程
水橋晋個人詩誌「巡」が教えてくれたこと 2006.11.23 「巡」が終刊する。発行者の水橋晋氏が2月に亡くなられた。胃を悪くされて、ユーモラスなピロリ菌の詩を書かれたりなさっていたのは知っていたが、突然の脳内出血だったそうだ。毎回の寄稿者の佐藤恵美子さんが、終刊追悼号を送ってくださった。
水橋晋さんは、わたしが1991年に『飼育記』を出版したとき、版元のあざみ書房の藤富保男さん作製の名簿を元に詩集をお送りして、ていねいなご感想をいただき、92年に水橋さんが創刊した個人詩誌「巡」に原稿を依頼してくださった。
その水橋晋という詩人が、「三田詩人」から始まり、江森国友、堀川正美、三木卓などと同人誌「氾」を出していた著名な詩人だと知ったのはこれからあとのこと。「巡」で書き継がれた長編詩「大梟を夫にもった曾祖母」は、神話的なスケールで時間を遡行する、たいへん魅惑的な愛の物語であった。
わたしは「巡」での水橋さんの詩を楽しみに待つようにして、毎号わくわくして読ませていただいた。その仕事ぶりを拝見することで、個人詩誌の可能性を知らされたと言っていい。その詩集で水橋さんが現代詩人賞を受賞されたときにお祝いに出かけたが、それを加えても二度しかお目にかかっていない。
しかし、水橋さんの詩の書き方に促されるようにして、わたしが個人詩誌"rain tree"を始めたときも励ましてくださり、お友達がアメリカで撮ったレインツリーと呼ばれる巨木の写真を送ってくださった。「雨の木RainTreeのしずく」"rain tree"vol.7
拙詩集『女ー友ー達』収録「もしあたしがまんびきしたらママに言う」、『音の梯子』収録の「蟹を売る男」は、水橋さんのおかげで書くことができた。もし依頼がなかったらきっと書くことはなかった詩なのだ。書けなくて苦しんだあげく、わたしの心の古井戸からやっとくみ上げてきたものなのである。そのようにして書かれる詩はあるのだ。今は「歴程」の新藤凉子さんがわたしに詩を書けと尻をたたいてくださる。ありがたいことである。
(「巡」は水橋さんの個人詩誌だと思っていたが、追悼号を改めて読むと、同人誌だったらしいです。確かに佐藤恵美子さんと安部壽子さん、打越美知さんは常連で、それぞれいい詩を書いていらした。数人が執筆していても、一人が発行の権限を持ち、費用を負担して執筆者に原稿依頼をする形のものは個人誌といいます。わたしは水橋さんに依頼を受けて書きました。奥付に水橋さんの住所しか書いていなかったので、個人誌と思いこんでいた。それとも途中から同人制になったのかも。2006.11.24)
今を書くこと 2006.9.29 インターネット版の"rain tree"に、「小岩井農場」全編を、手持ちのちくま文庫『宮沢賢治全集』Tから転載した。こんなことが勝手にできるのは、賢治が死んでから既に五十年以上経ち、著作権が切れているから。彼の詩は後世の読者が自由に使用できる共有財産である。今年は生誕百十年だそうで、宮沢賢治に関する本はあふれている。ネットでも紹介サイトはたくさんあるが、作品の文字データに誤字、脱字が多いのが気になる。異稿も含めて、公式サイトでの精確なデータ管理が望まれる。
詩人のなかには、自分は今は無名でも、百年後に価値が見い出されるのだと言う人がけっこういる。そうでも思わなければ詩など書いていられない気持ちもわかるが、生きている間は著名な詩人でも、その作品は一般の人にはたいして読まれない。死んでしまうとさらに読まれず、忘れられる。
賢治はもちろん、長いスパンで時間をとらえ、百年後の見知らぬだれかに向けて書くことのできた詩人だが、その彼でさえ、同時代の読者を得たい、理解されたいと願って苦しんだではないか。
わたしはというと死んだあとの評価などどうでもいい。今現在、自分が生きているそのことを書きたい。そして、今を生きている人にリアルタイムで読まれたいのだ。
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