| 外法帖放遊記 |
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第伍話「刺客」 |
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飛鳥山で、珍しく遊山の龍閃組。 と、突然の雨に逃げ込んだ木陰にて、 つややかな黒髪を肩まで下げた、得体の知れぬ美男子に会う。 通り雨を「キツネの嫁入り」と評した彼は、雨が止むとともに、消え失せる。 竜泉寺に帰った一行の前に、「客人を案内した」という与助の姿が。 ロクに話もせず、騒いだだけで帰ってしまうが、 瓦版四号を落としていく。 えっ……まだ、参号を貰ってない……取りそびれか、ちくそー。 本堂には、忍び装束の、細身の美少女が。 幕府から人捜しの令が下りて、龍閃組にもソレは回ってきたという。 「涼浬」と名乗る彼女は、その関係でやって来たのだ。 その捜し人は、特に彼女に関係が深いらしく、 特徴は腕にキズのある若い男で、如月と名乗っている可能性がある、と。 如月といえば、如月骨董品店。 前回の日誌の初めで、「潤いがない」とバカにしたあの店が、いきなり焦点になるとは。 すぐにでも出かけんとする涼浬をなだめ、朝を待つ一行。 翌朝。 目覚めばな、「八丁堀のダンナ」こと御厨惣州が来襲。 幽霊寺に、腕の立つ若衆を集め、 外来の女人は禁制のはずの吉原を、女ばかりか僧侶連れで闊歩できるという、 異様な権力を持った、得体の知れない組織――。 「この寺は、何だ」 その詰問、ごもっとも。 しかし、答えてしまったら「隠密」ではない。 「江戸を護るための組織だ。その目的だけは、アンタと同じだ――」 それだけを伝えて、ムリヤリ納得させる。 で、やっと「出撃」。 珍しく、「百合ちゃん」(京梧の時諏佐先生の呼び方)」もいっしょ。 長屋に忍ぶ、円空上人に会いにいくのだそうな。 「龍閃組」の発起人である円空上人、 遼次郎を中心に、いろいろな訓話をたれ――いや、賜る。 その後、時諏佐先生は、犬神と会い、拒否されていた。 どうやら、龍閃組に協力を頼んでいるような感じであるが、その気はなさそうだ。 ソレを盗み聞きの京梧と一行は、ある女性に見咎められる。 彼女は「桧神美冬」と名乗った。 そう、臥龍館にその名も高い剣士、桧神とは、彼女のことらしい。 その自信に満ちた態度に、京梧はやっぱり反発、つっかかるが、桧神は相手にしない。 ともあれ、王子の如月骨董品店に向かう一行。 途中、飛鳥山にて、ならず者どもの「子供殺し強盗計画」を耳にする。 放って「任務」を果たさんとする涼浬と、 悪を目前に放っては置けぬ、とする京梧とが対立。 が、その騒ぎで、ならず者どもに気付かれ、結局は戦闘に――。 〜ならず者、ぶっちめ中〜 態度は硬いままの涼浬とともに、骨董品店に到着。 が、閉まっているため、店主が戻るのを待つという涼浬を置いて、 時間つぶしに茶屋へ。 そこで、あの飛鳥山で出会った総髪の美男子と再会。 ワイロ役人が殺された、という町人たちのウワサ話を肴に、幕府のワルクチをぶつ。 ……鬼道衆――? その彼の勧めもあって、王子稲荷へお参りに。 ならず者どもの話題にあったと思われる子供たちのお参り姿を目撃。 と、そこに壱話で出会った破戒僧、九桐登場。 いきりたつ京梧を無視して、去る。 再び骨董品店へ。 涼浬によると、店主は帰って来ているらしい。 店主に話を聞くと、彼女の捜しているような「如月」とは、無関係だという。 ――とても、そうは見えなかったが。 そして、お参りしていたあの子たちの、かわいそうな身の上話を始め、 その親が、ワケありらしい「役人斬り」の罪で極刑に遭う、 それも、今日だ――という話、 そして、その刑場の番所に忍びこむ、裏口のありかまでを教える。 怪し過ぎるジジイだ。 しかも、腕にキズがあるって――まさか、やっぱし? 処刑場へ。 裏口から忍びこんだ一行の見たものは、 自分たちの物欲のためだけに、あの子供たちの親である鍛冶屋を処刑せんとし、 あまつさえ、残った子供たちも、あのならず者どもを使って殺害、 鍛冶屋の残したはずの名刀を奪おうと画策していた、 くされ役人どもの姿だった。 徳川家の「正義」を信じたい涼浬はショックを受けるが、 「自分たちの意思で判断し、自分たちの意思で信じる。それが大事なんじゃねえか」 という京梧の言葉に、心を動かされる。 くされ役人どもをぶっちめようか、とする一行の耳に、「刑場に鬼が出た」の叫びが。 怪しい稲光のはためく刑場に待ち受けていたのは、一人の黒い影。 その忍者、「奈涸(ながれ)」は、涼浬の捜し人であり、 なんと、あの骨董品店の店主であるという。 頭巾から覗く双眸は、どうみても美青年――変装にも、程があるっていうか……(笑)。 そして、彼は、涼浬の兄でもあった。元、公儀隠密「飛水流」忍者。 しかし今は、里長を殺し、里と妹・涼浬を捨てた、 抜け忍にして、一匹の鬼――鬼道衆! 「真実は、己の手で勝ち取ってみよ――」……戦闘へ。 〜あーっ、遼次郎の一撃で、戦い終わっちゃった……〜 翌日――。 涼浬は報告のため、いったん里に帰るが、 その後、いっしょに「龍閃組」として戦ってくれるという! しかも、あの店も彼女が引き継ぐという。 う、潤いがーっ(喜)。 昨日の日誌が、うまいヒキになった形のオチだ。 昨日は昨日で書いたので、狙ったワケじゃありませんよーっ! やっぱり、ジジイじゃねえ……。 ――あの刑場で、トドメを刺されたかのように見えた奈涸は、実は生きていて、 飛鳥山から江戸を見下ろし、 龍閃組に、自分が見失った「未来への希望」をたくしつつ、 再び闇へと沈む――。 ところで、あのくされ役人どもは――、 「八丁堀のダンナ」こと御厨たちに、しょっぴかれていました。 子供たちの親の鍛冶屋は、脅されて「役人斬り」をやらされたらしく、 抒情酌量の上、微罪で済むとのこと。 めでたし、めでたし――? ところでこの話、どのあたりが「刺客」なの? |
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