rain tree homeもくじ執筆者別もくじ詩人たち最新号もくじ最新号back number vol.1- もくじBackNumberback number6 もくじvol.6ふろくWhat's New閑月忙日rain tree から世界へリンク関富士子の詩集・エッセイなど詩集など
rain tree homeもくじ執筆者別もくじ詩人たち最新号もくじ最新号back number vol.1- もくじBackNumberback number6 もくじvol.6ふろくWhat's New閑月忙日rain tree から世界へリンク関富士子の詩集・エッセイなど詩集など
vol.6 「gui詩gui詩」一部始終




朗読会の感想をヤリタミサコさんに書いていただきました。ヤリタさんは、わたしがguiの同人になるずっと以前から、guiに共感をもってあたたかく見守ってくださっている方。どうもありがとうございました。


ヤリタミサコ


gui詩gui詩レポート

by ヤリタミサコ

あつーいキラー通りを、千駄ヶ谷に向かってえっさえっさ。「出る」(何がって?トンネルの上に墓場があるのだそうです)ので有名な、ビクタースタジオが見えるあたりに、’howl’the barがあります。土曜日で、あたりはほとんど人がいないのに、なにやらアヤシイ黒っぽいスポットが見える。店の前まで来たら、上です、といわれ、らせん階段をぐるぐる。

あ、遅くなりましたが、わたしはヤリタミサコという詩人です。思潮社海外詩文庫のカミングズ詩集にもちょっぴり参加しています。また、アレン・ギンズバーグのCDブックレットの訳詩をした関係 で、ビートジェネレーションのホームページにも若干の紹介があります(関さんのページにリンクがありますので)。guiは15年くらい前からのファンです。

3階の小部屋で関さんからワインを手渡され、ほっとひと息。まだ、聞き手は集まっていないよう。壁にはアレン・ギンズバーグのサイン入り写真やパネル、ポスターが一杯。うーん、ビートしてるなあ。

イキナリ奥成さん登場。「ご質問は?」などと、聴衆をケムにまいたと思うと、とたんに、A3版の白い紙を取り出して、「ハイ、ヤリタさんこれ」と手渡され、奥成さんと4人の参加者で、輪唱リーディングが始まった。わたしは突然のことで、漢字が読めなかったし、3番目の大村さんは、入るタイミングを逸して、朗読途中の奥成さんに「ハイ、そこ、読んで」と言われる始末。あとになってみれば、これも、チャンスオペレーションだし、ハプニングスだし、インプロビゼーションだし、ポエトリリーディングだったのです。ウーン、さすが、オクナリ。

飯田隆昭さんは、バロウズをリーディング。ビートに年季が入っています。ビートというと、若くして死んじゃったジャック・ケルアックやニール・キャサディのようなドラッグ中毒の不良のイメージが強いですが、それは、世間が彼らに貼り付けたレッテルです。バロウズもギンズバーグもスナイダーvol.6も、自分は自分らしくあろうと、それぞれがそれぞれのやり方で、詩を生きたのだ、とわたしは思っています。

四釜さんの製本談義はとても詩人の余芸ではなく、聞き手を引き込むものでした。山中さんの、空間全体を活用した体全体表現は、詩の世界を直接的に訴えるもの。また読み手ひとりひとりに、詩作品に対する作者としての態度が現れていて(人それぞれ微妙に違う)、興味深かった。でも、何といっても、森原さんのスゴーイ存在感。書かれた詩が音声で表現された、というよりも、一人の詩人の存在そのものが表出。圧倒されました。関さんは、ニホンゴの音の転がる楽しさを表現していて、青木さんは、目で読むとカゲキに見える詩を、ポップに遊んでいました。

ライトさんのリーディングは、耳から入ってくるエイゴはとても心地よい音。しかし、油断は禁物。テキストはかなり哲学的内容。水墨画の抽象画といった風情(もし違っていたらゴメンナサイ)。ラストのトリは、待ってました!!萩原健次郎さん登場。圧巻。さすが。ラジオのチューニングっぽい音声の出し方など、日本で唯一のボイスパフォーマー足立智美くんに迫るものがあった!!現実と非現実とを自在に浮遊するような詩の世界を、今度はノイズ的音と一緒に聞きたいと思います。

というのが、ヤリタミサコの参加した聞いた見たgui詩gui詩でした。が、最後に一番重要なこと。ジョン・ソルトさんが、登場してしてしまったのです。青ざめたわたし。そんな。もう10年以上も憧れの人が、ここに・・・。そんなことアリ?驚きを通り越して、他人にヤツアタリをしてしまいました。

というわけで、2時間の時間は足りないくらい。暑かった下界の空気とは全然違う空気に満ちた、’howl’the barでした。(マスターvol.6も下界離れしていました。また、場所を貸して下さいね。)




奥成達「ね、森原さん!」gui 20周年回顧譚 その1萩原健次郎「空疎小説」「虫鳴くうちに」
rain tree homeもくじ執筆者別もくじ詩人たち最新号もくじ最新号back number vol.1- もくじBackNumberback number6 もくじvol.6ふろくWhat's New閑月忙日rain tree から世界へリンク関富士子の詩集・エッセイなど詩集など
"rain tree" バックナンバーvol.6もくじへ"rain tree" 表紙へ"rain tree"最新号もくじへふろくへ