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gui20周年フェスタ Poetry Reading |
親愛なるアレンへ
なにがこわいんだ。なにを恐れているんだ。見よ、聞け。
イメージのもたらすきみの意識は正常な意識よりまともな
ものなんだ。なぜ頼るようなことを望む。なぜ、わたしに
怯える。きみはわたしの通った道をたどっている。わたし
はきみのたどる道をあらかじめ知っている。わたしはきみ
より体験している。何度もきみに知らせようとした。でき
る限り。きみは耳を貸そうとしなかったじゃないか。そう
することができなかったのだ。だれであれ、見たことのな
いものを、他者に示すことはできないというわけか。ブリ
オン・ガイシンとハッサン・サバーの関係。いまこそ耳を
傾ける時ではないのか。この手紙に同封した原稿を取り
出してくれ。
そして、この原稿の一行一行を切り離せ。第一の部分を
第三の部分に入れ替えてみよ。大声をあげて読め。聞こえ
るだろう、わたしの声が。だれの声でもいい。心をこめて
聞け。カットし、そして、色々なコンビネーションに組み
合わせろ。大きな声を出して読め。わたしにできるのは聞
くことだけだ。考えてはならない。理屈づけてはならない。
同じようなことをきみの書く詩にもやってみろ。どんな詩
にも、どんな散文にも。とにかくやってみることだ。きみ
は助けがほしい。それがこれだ。手に取り、つねに記憶し
ていたまえ。「何事も真実にあらず、すべては許されてい
る」ハッサン・サバーの、山の老人の遺言だ。
(次はゴシック体になってます。ちょっと大きい声で。)
余の最期の言葉を聞け。汝ら、地上の委員会よ、政府よ、
汝ら権力者よ、汝らのものでないものを手にするため、隠
れて便所で取引をやりおおせる汚なきものらよ。足の下の
地面を売り払え。余は告げん、いたるところにいる人間た
ちのために。繰り返し告げん。いかなる者も排斥はされな
い。報いを受けん者のすべてに道は自由に開く、苦悩の報
いを受くる者に道は開く、と。
汝ら、なにに脅えて時間へと逃げ込む? なにに脅えて
肉体に逃げ、永遠に虚偽へと逃げる? 永遠に現状にとど
まりたいのか。
ハッサン・サバーの最期の言葉を聞け。聞け、見よ。し
からずんば、永遠にくたばれ。聞け、見よ、しからずんば、
永遠にくたばれ。なにに脅えて時間に、肉体に、虚偽に逃
げ込む? 余は汝らに告げん。あの言葉を。汝らに言葉を。
汝らに言葉を。初めに言葉ありき。永遠に脅えてくたばる
汝らよ。永遠に存せよ。時間、言葉、永遠から出でよ。虚
偽、言葉、永遠から出でよ。時間から出でて、宇宙へ行け。
恐れるものはない。宇宙に恐れるものはない。絶対のハッ
サン・サバー。恐れる言葉はない。言葉は存在しない。絶
対の、絶対のハッサン・サバー。余は永遠に汝らの言葉を
抹殺せん。余も抹殺せん。ハッサン・サバーの言葉。汝ら
の空に、ブリオン・ガイシンの、ハッサン・サバーの沈黙
の文字を見よ。宇宙の文字を。沈黙の文字を。
見よ 見よ 見よ